トップページ
>飼育ノート
台風の動物たち
8月30日と9月7日と立て続けに宮崎を台風が来襲しました。動物たちは、その嵐の中どのように過ごしていたのでしょうか、気になるところです。
今回の台風は、いずれも中心付近風速40m以上という大型で強いものでした。その台風の中での様々な動物の過ごし方を紹介します。
*大形の動物、アフリカの動物たち
アフリカ園には、6頭のマサイキリンと5頭のグラントシマウマそれに7羽のダチョウが一緒に生活しています。雨の日は、キリンとシマウマは餌場の屋根の下や雨よけ場所で雨宿りをしています。
特に、キリンは、キリンの寝室(お産や冬期幼年個体暖房用に使用)を開放してもらい、その中で過ごすことが多いようです。この中には、シマウマは、なぜか入らなかったのです。おそらく、獣舎の中なので警戒していたのでしょう。ダチョウは、雨などお構いなしで雨宿りはしません。
さて、今回の台風はどうかというと、キリンは、早速開放したキリン寝室の中で、のんきに反芻をしていました。その奥、展示場への開放口のところに、なんと、シマウマたちが、強烈な雨を避けるように固まって立っていました。ただし、いつでも外に飛び出せるように身構えていました。外の風雨が耐えられないのでしょう。だけど、今年生まれた2頭の子供たちは、親のシマウマよりはリラックスしていたように見えます。
このキリンの寝室、1辺10mくらいのほぼ正方形をした部屋が2部屋あり、出入り口は北側を向いています。不思議なことに、キリンもシマウマも、東にある部屋に固まって一緒にいるのです。2部屋あるので半分ずつに分かれて、のんびりすればいいのにと思うのは、人間の考えでしょうか。狭い中でくっついている方が安心のようです。
ダチョウは、7羽ともアフリカ園の東端に固まって、樹木の壁のほうに頭を向けてじっと風雨に耐えているようでした。
*リスザルとワオキツネザル
リスザルは、冬期暖房小屋を開放して、出入りを自由にしていたところ、風雨が強まると同時に22頭全てがこの小屋の中に入り、鳴き声ひとつ立てずにじっとしていました。やがて、暴風域が過ぎ、強風(風速15m)域に入った頃には、全員飛び出し、雨よけ用のスペースで、完全に台風が過ぎ去るのを待っていました。
ワオキツネザルにも、冬期暖房と雨よけを目的とした寝室小屋がありますが、日ごろから、雨が降ろうが、真冬の寒波であろうが、夜間にこの小屋を利用することはなく、展示場内のホルトの木の枝に丸くなって寝ています。
しかし、台風の時だけは別のようです。4頭全頭小屋の中に入っていました。そして、風雨が収まると同時に小屋から出てきて、周囲をキョロキョロと見回していました。少し不安そうに見えました。
*ペリカン、インドトキコウ、フラミンゴなど
台風の中の鳥たちは、あえて雨宿りはせずに、屋外で風雨に耐えるものが多いようです。コウノトリの仲間、ツルの仲間やペリカンたちは、まるで風向計のように風の吹いてくる方向に頭を向けてじっと立ち尽くしていました。ペリカンは足が短いので、座っているように見えますが、列を作ってしっかり立っています。
当園では、2羽のインドトキコウにその習性を利用して自由に飛翔させて、お客様に観察をしてもらっています。このインドトキコウたちは、夏場、園の北側2kmくらいのところにある石崎川に遊びに行くことが多く、日に数時間、園内の松に止まっているだけです。ところが、台風が近づく2日前から一日中、松の木の頂上に止まったり、ラクダ園で休んだりして園内から出ようとはしませんでした。
暴風域に入る頃、急に園内の道路に降りて来て歩き出しました。1羽は、先に紹介したワオキツネザルの島、また、あとの1羽は、ペリカンたちのそばで、共に地上で風に向かって立ち、台風をやり過ごしていました。
フラミンゴたちも、風に向かって風に耐えるのですが、集団で樹木の間の風の弱いところで比較的穏やかに過ごしていました。賢い過ごし方をしています。
*猛獣、類人猿そして小動物たち
猛獣や類人猿は、夜間は寝室で過ごすため、台風時でも寝室に入って、「外では何かあっているの」といった様子です。いつもと変わらぬ様子です。
小動物の多くは、飼育員が前日に捕獲して安全な室内で飼育します。少し狭いようですが、雨風に当たることはありません。ミミナガヤギは、飼育員の後を付いて獣舎に入りました。ミーアキャットは、いつも雨宿りに使う箱を入れると、雨が降ってくると思うのか、その中にみんな飛び込み、その箱ごと獣舎まで移動でした。最後まで抵抗したのはコクチョウでした。攻撃してくるのですが、飼育係のほうが一枚上手、攻撃してきたところを上手に捕獲して獣舎の中に収容しました。
飼育係は、それが終わったら、展示場小屋の屋根や樹木の補強もします。そして、何名かは、停電や思わぬ事故に備えて、泊り込みで園内を見張ります。
台風の動物たち
平成16年9月
出口 智久 記
・
大空を飛ぶコウノトリ(インドトキコウ)
・
さよならスマイル君
●
飼育ノート トップへ戻る
●
園内での出来事などを、飼育員さん達が書いています。
自分たちが知らない動物の様子についても書いてあるかも…!?
見たい人は、右のノートをクリックしてね!
総合案内
|
イベント情報
|
園内マップ
|
わくわく遊園地
|
園内の動物たち
周辺の観光
|
飼育ノート
|
リンク集