いざという時の知識 止血法
(1)止血を必要とする対象者
大出血を起こしている傷病者は、速やかに止血の手当を行います。
- 大出血を起こしている傷病者は、数分で出血死に至ることがあるので、直ちに止血の当が必要です。
- 出血量が多いと出血性ショックに陥ることがあるので、それを防ぐためにも止血の手が必要です。
- 人間の血液量は、成人で体重の13分の1から14分の1(7〜8%)、体重が60kgの成人では約5リットルの血液があるといわれています。
- 体内の血液量は、20%を急速に失うと出血性ショックを起こし重い状態になり、急激に30%以上の血液を失うと生命が危険な状態になるといわれています。
このため、成人でも1リットルの出血を急激に起こすと、出血性ショックとなり、1.5リットルの出血では生命の危険が大きくなります。 - 出血量が多いほど、また出血が激しいほど、止血の手当を急ぐ必要があります。
(2)出血の種類
- 動脈性出血
噴き出すような出血を動脈性出血といい、血管が細くても真っ赤な血が脈打つように噴き出します。大きな血管では、瞬間的に多量の血液を失って出血死のおそれがあります。緊急に応急手当を必要とするのは、この動脈性出血です。
- 静脈性出血
湧き出るような出血を静脈性出血といい、赤黒い血が持続的に湧くように出血します。太い静脈からの出血も大量となり、止血の手当が遅れると短時間でショックに陥ります。
- 毛細血管性出血
にじみ出るような出血を毛細血管性出血といい、指の先を切ったり、転んですりむいたようなとき、傷口から赤色の血がにじみ出ます。この程度の出血のときは、人工呼吸や心臓マッサージを優先させます。
(3)感染防止
- 手当を実施する人は、ビニールやゴムの手袋を着用するなどして、直接、血液に触れないようにします。
- 飛び散った血液が、身体に付着しないように注意して行います。
- 止血や出血している創傷の手当を行ったときは、速やかに石鹸等を用いて流水により手を洗います。
(4)直接圧迫止血法
1.出血部位を押さえるために用いるガーゼや布
- 清潔であること。
- 厚みのあるものであること。
- 出血部位を十分に覆うことのできる大きさがあること。
2.圧迫の要領
片手で圧迫しても止血できないときは、両手で圧迫したり、体重をかけて圧迫し、止血をします。
(5)間接圧迫止血法
- 間接圧迫止血法は、動脈性の出血が激しく続いているときに、ガーゼや包帯を準備する間に行う方法です。
- 長時間圧迫を続けると疲れてきて確実な止血が難しくなるので、必ず包帯を用いて直接圧迫止血を行います。
- 止血点を圧迫しないと効果がありません。
止血要領
- 腕の止血要領
- ・上腕の止血点
わきの下の中央を片手か両手で肩関節に向かって圧迫します。 - ・前腕の止血点
上腕の中央部内側を片手の親指か他の4指で上腕骨に向かって圧迫します。 - 下肢の止血要領
- 股の付け根の所にこぶしか手の付け根を当て、体重をかけて圧迫します。
- 手の止血要領
- 手首の付け根を片手で強く握り圧迫します。
- 指の止血要領
- 指の両側を親指と人差指で骨に向かって圧迫します。
(6)止血帯法
手や足の出血で、直接圧迫止血法では止血が困難な場合に行う方法です。
- (1)止血帯を巻く位置
- これは図に示すように出血している所から中枢側(心臓寄り)のところの上腕か大腿部に止血帯を巻きます。
- (2)止血帯として使用できるもの
- 止血帯はできるだけ幅の広い(3cm以上) 三角巾・包帯などを用いて、強くしばります。
- 針金や細いひもでは圧迫が不十分であり、また組織などを損傷させるので使用しません。
- (3)止血棒によるしめ方
- 止血が不十分なときは、図に示すように止血帯の間に棒などを入れ、これを回して止血します。出血が止まったらそれ以上きつくしめないようにします。
- (4)止血の一時的解除
- 30分以上止血帯による止血を続けなければならない場合は、30分に一度緊縛をゆるめて血流の再開をします。
- 再開は1〜2分とし止血帯より末端側が赤みを帯びて出血部から血液がにじみでるくらいとします。再開の間は出血部位を直接圧迫して出血量の増加を防ぎます。
- (5)時間の記録
- 止血帯を使用したら、必ず止血時刻を正確に記録します。
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