平成27年度からスタートした子育て支援新制度について、5つの項目に分けて説明します。
5つの項目
小学校就学前の施設としては、これまで幼稚園と認可保育所の2つが多く利用されてきました。
新制度では、幼稚園と認可保育所に加えて、両方の機能をあわせ持つ「認定こども園」の普及を図ります。
また、教育と保育の量(定員)を増し、子育てしやすい、働きやすい社会づくりを目指していきます。
小学校以降の教育の基礎をつくるための幼児期の教育を行う学校。
利用時間:昼過ぎごろまでの教育時間のほか、園により教育時間前後や園の休業中の教育活動(預かり保育)などを実施。
利用できる保護者:制限なし
教育と保育を一体的に行う施設
●幼稚園と認可保育所の機能や特長をあわせ持ち、地域の子育て支援も行う施設です(平成18年に導入)。
●新制度では、認可手続きの簡素化などにより、新たな設置や幼稚園・認可保育所からの移行をしやすくし、さらに普及を図っていきます。
【3つのポイント】
保護者の働いている状況に関わりなく、3~5歳のどのお子さんも、教育・保育を一緒に受けます。
保護者が働かなくなったなど、就労状況が変わった場合も、通い慣れた園を継続して利用できます。
子育て支援の場が用意されていて、園に通っていない子どものご家庭も、子育て相談や親子の交流の場などに参加できます。
※0~2歳のお子さんが通園する場合は、保育の必要性の認定を受けることが必要です。
就労などのため家庭で保育のできない保護者に代わって保育する施設
利用時間:夕方までの保育のほか、園により延長保育を実施。
利用できる保護者:共働き世帯など、家庭で保育のできない保護者。
施設(原則20人以上)より少人数の単位で、0~2歳の子どもを預かる事業
●新制度では、新たに認可事業とし、0~2歳児を対象に保育を行います。
【4つのポイント】
家庭的保育(保育ママ)
家庭的な雰囲気のもとで、少人数(定員5人以下)を対象にきめ細かな保育を行います。
小規模保育
少人数(定員6~19人)を対象に、家庭的保育に近い雰囲気のもと、きめ細かな保育を行います。
事業所内保育
会社の事業所の保育施設などで、従業員の子どもと地域の子どもを一緒に保育します。
居宅訪問型保育
障がい・疾患などで個別のケアが必要な場合や、施設がなくなった地域で保育を維持する必要がある場合などに、保護者の自宅で1対1で保育を行います。
すべての子育て家庭のために、地域の子育て支援も、利用しやすく変わります。
新制度は、共働き家庭だけでなく、すべての子育て家庭を支援する仕組みです。ご家庭で子育てをする保護者も利用できる「一時預かり」や身近なところで子育て相談などが受けられる「地域子育て支援拠点」、保護者が昼間家庭にいない小学生の通う「放課後児童クラブ」など地域の様々な子育て支援を充実していきます。またご家庭に合った支援を受けていただけるよう、利用者支援事業を創設します。
● 利用者支援
●子育て家庭がニーズに合わせて、幼稚園・認可保育所などの施設や、地域の子育て支援事業などから必要な支援を選択して利用できるように情報の提供や相談・援助などをしていきます。
●利用方法などが分からないなど、子ども・子育てに関する総合窓口として、誰もが利用できます。
● 放課後児童クラブ
●保護者が昼間家庭にいない児童(小学生)が、放課後に小学校の余裕教室、児童館などで過ごすことができるようにしている取組みです。
●地域のニーズに合わせ、放課後児童クラブを増やしていくとともに、職員や施設・設備について新たに基準を設けて質の向上を図っていきます。また、小学校6年生まで対象となります。
●地域の身近なところで、気軽に親子の交流や子育て相談の場を提供します。
●公共施設や認可保育所など、様々な場所で、行政やNPO法人などが担い手となって行います。
●急な用事や短期のパートタイム就労など、子育て家庭の様々なニーズに合わせて、一時預かりを利用しやすくしていきます。
●病気や病後の子どもを、保護者が家庭で保育できない場合に、病院・認可保育所などに付設されたスペースで預かります。
●乳幼児や小学生などの子育て中の保護者を会員として、子どもの預かりなどの援助を受けることを希望する方と、援助を行うことを希望する方との相互に助け合う活動に関する連絡、調整を行います。
●養育支援が特に必要なご家庭を訪問し、養育に関する指導・助言などを行うことにより、ご家庭の適切な養育の実施を確保します。
●生後4か月までの乳児のいる全てのご家庭を訪問し、子育て支援に関する情報提供や養育環境などの把握を行います。
●妊婦の健康保持及び増進を図るため、妊婦に対する健康診査として、(1) 健康状態の把握、(2) 検査計測、(3) 保健指導を実施するとともに妊娠期間中の適時に必要に応じた医学的検査を実施します。
施設などの利用を希望する保護者の方に、利用のための認定を受けていただきます。
新しい制度では、利用する施設(認定こども園、幼稚園、認可保育所など)によって手続きの方法が変わります。また、施設を利用する場合には、「認定」を受けていただく必要があります。
※幼稚園などによっては、スケジュールが異なりますので、各施設へお問い合わせください。
※認可保育所などによっては、スケジュールが異なりますので、各施設へお問い合わせください。
認可保育所などを希望される場合の保育認定(2・3号認定)にあたっては、以下の3点が考慮されます。
【1】保育を必要とする事由(次のいずれかに該当することが必要です)
- 就労(フルタイムのほか、パートタイム、夜間、居宅内の労働など) ※月60時間以上
- 妊娠、出産 ※産前6週、産後8週の属する月
- 保護者の疾病、障がい
- 同居又は長期入院などしている親族の介護・看護
- 災害復旧
- 求職活動(起業準備を含む)※90日以内の属する月
- 就学(職業訓練校などにおける職業訓練を含む)
- 虐待やDVのおそれがあること
- 育児休業取得中に、既に保育を必要としている子どもがいて、継続利用が必要であること
- その他、上記に類する状態として市長が認める場合
【2】優先利用の基準
市が利用調整する場合に、次の世帯に配慮する場合があります。
- ひとり親家庭(母子及び父子寡婦福祉法に基づき配慮が求められる事項)
- 生活保護世帯(就労による自立支援につながる場合)
- 虐待やDVのおそれがある場合
- 子どもが障がいを有する場合
- 育児休業取得前に利用しており、当該施設を再度希望する場合
- 兄弟姉妹(多胎児を含む)が同一の認可保育所などを希望する場合
- 小規模保育事業など地域型保育事業の卒園児童
- 保護者の疾病・障がいの状況や各世帯の経済状況(所得など)
- 幼稚園教諭、保育教諭、保育士の子どもが利用する場合
【3】保育の必要量
保育が必要となる程度に応じて、利用できる時間が分かれます。
- 平成27年4月からは、新しい利用者負担額(保育料)となります。
- 新しい制度では、市民税額によって決まります。
- 保育料は、おおむね現行の私立幼稚園・認可保育所の実質的な利用者負担の水準と同程度としています。
※( )は、半額となる場合の保育料となります。
※認可保育所の在園児については、従前の保育料と比較して負担増とならないための方策を講じます。
新しい制度では、毎年9月が保育料の切り替え時期となります
多子世帯などの保育料の軽減
(1) 多子世帯(2人以上)については、認定区分によって保育料の軽減措置の取り扱いが異なります。
- 幼稚園(1号認定)では、年少から小学校3年までの範囲内に子どもが2人以上いる場合、最年長の子どもを第1子、その下の子を第2子とカウントします。第1子は全額負担となりますが、第2子は半額、第3子以降は無料となります。
- 認可保育所(2号・3号認定)では、小学校就学前の範囲内に子どもが2人以上いる場合、最年長の子どもを第1子、その下の子を第2子とカウントします。第1子は全額負担となりますが、第2子は半額、第3子以降は無料となります。
※認定こども園の場合、教育標準時間認定(1号認定)を受ける子どもについては幼稚園と、保育認定(2号・3号認定)を受ける子どもについては認可保育所と同様になります。
(2)多子世帯(16歳未満の扶養親族が3人以上)については、年少扶養控除のみなし計算を行い、負担軽減を図ります。
(3)未婚の母子世帯などについては、寡婦(夫)控除のみなし計算を行い、負担軽減を図ります。