特集3  みんなでアクション! 6月は「環境月間」です。  環境を守るには、一人一人が環境に配慮して行動することが大切です。毎日の暮らしの中で、私たちにできることは何か。家庭と、事業所での取り組みを紹介します。 [問い合わせ先]環境保全課 電話21-1761 家庭でアクション! 「もったいないという気持ちが原点です」 もりすえ とみこさん 宮崎市環境学習パートナー、宮崎市ごみ減量アドバイザー、宮崎県環境保全アドバイザー、3R推進マイスター(環境省)などとして活動中。NPO法人みやざきエコの会所属。 ドイツの家庭を参考にごみの減量に成功  もりすえさんに案内された自宅の庭の一角に、コンクリートブロックで作られた設備がありました。「これは自分で手作りした生ごみ処理器で、庭の雑草や生ごみなどを土と混ぜ、腐葉土を作っています」ともりすえさん。混ぜるときにぬかを入れると温度が上がって分解が進むそうで、生ごみを入れているにも関わらず、臭いは気になりません。できたふようどは、もりすえさんの大好きなガーデニングに利用されています。  もりすえさんが生ごみをたいひにしたいと思い始めたのは十数年前。ダンボールコンポストから始め、試行錯誤を経て今の生ごみ処理器にたどり着きました。宮崎市の1人あたりの年間平均ごみ排出量は約1㎏なのに対し、もりすえさんは約100g。自家処理することで確実にごみを減らしています。  「平成17年に、宮崎市ごみ問題海外研修訪問団としてドイツに行かせていただいたのが大きなきっかけです。ドイツでは生ごみの回収は有償なので、大半の家庭が庭で処理しているとホームステイ先で教わりました。そこにヒントを得て生ごみ処理器を作りました。質のいい腐葉土ができるので、ガーデニングには化学肥料も不要です」。 市環境学習パートナーとしてエコの知識やアイデアを発信  もりすえさんは宮崎市環境学習指導者養成講座を修了。現在は宮崎市環境学習パートナーなどとしてワークショップや講演などの活動をしています。  「小さい頃からもったいないという気持ちを常に持っています。小学生向けの講習では、給食は自分が食べられる分だけを器に盛ることで残菜が減り、ごみが減らせるよ、などと教えています」。  もりすえさんは料理でもエコを実践中。大根の葉は湯がいてまぜご飯に、皮は一晩干して甘酢に付けるとハリハリ漬けにできるそうです。ベテランの主婦でも「えー、こんなん捨てちょった!」と驚く人が多いのだとか。 ドイツでも意識の浸透に30年できることからコツコツと  ごみの減量は市全体の大きな課題です。その解決には、一人一人が意識を変えていくことが不可欠だともりすえさんは話します。  「ドイツでは、生ごみは家庭で処理するものという意識が浸透するまで、30年かかったそうです。意識の問題ですから、時間がかかるのは当たり前。地道な努力を継続して積み重ねることが大切ですね」。  お菓子の包装紙など、何となくくちゃくちゃにして捨ててしまっているものも、古紙で回収できます。  「生きている以上、ごみは毎日出てくるもの。市には電動生ごみ処理機の購入補助や、廃食用油、小型家電品などの回収といった制度もありますので、1人でも多くの皆さんに、できることから取り組んでもらえたらと思います」。 ご主人と手作りした生ごみ処理器 庭には花がいっぱい。牡蠣などの貝殻も砕いて肥料として再利用しています タンクに貯めた雨水は花の水やりに。水道水は1年で10回程しか使わなかったそう 甘夏(2個)の皮を軒下で2日干すとこのとおり。カラカラで臭いもありません ご存じですか? 市ではご家庭のごみ減量化やリサイクルを支援しています。  右記のほか、資源物集団回収に取り組む市民団体の登録も受け付けています。詳しくは環境業務課まで。 [問]環境業務課 電話21-1762 電動生ごみ処理機  市内販売店で購入した、電動生ごみ処理機の本体購入金額の1月2日(1,000円未満は切り捨て。上限35,000円)を補助します。(一定の条件あり) 生ごみ処理器  微生物の働きによりごみを分解して土と混ぜて堆肥化する生ごみ処理器(コンポスト)を無料で支給します。(一定の条件あり) 使用済小型家電回収  小型家電に含まれる希少金属や貴金属類のリサイクルのため、回収ボックスを設置しています。 (写真:イオン宮崎店) 廃食用油回収  家庭から出される植物性廃食用油を回収し、ごみ収集車の燃料としてリサイクルしています。 (写真:ながの屋霧島店) 環境学習指導者養成講座 環境の講話、省エネ料理、水辺や里山での実習などの講座です。講座では将来的に地域などで環境保全や環境学習の助言ができるリーダーを育成。詳しくは市ホームページに掲載しています。 日程 7月から平成27年1月までの月1回程度(全8回) 対象・定員 市内在住または在勤、在学する18歳以上の人、20人 場所 宮崎市民プラザほか 料金・費用  無料(第4回のみ昼食代500円) 申し込み 電話かファックス番号、Eメールで、氏名、住所、電話番号を6月20日(金曜)までに環境保全課(電話21-1761、ファックス番号22-0405、Eメール09hozen@city.miyazaki.miyazaki.jp)へ。多いときは抽選。 事業所でアクション! 「自分がいい人になったみたい、と話すスタッフもいます」 有限会社エスペリエンザ なかやま まさあきさん  ヘルパー派遣、不動産賃貸管理などの事業のかたわら、環境美化活動を実施。同社は今年3月に「みやざきエコアクション事業者」に認証されました。中川さんは推進委員の1人として活動をけん引しています。 自動車販売店の活動に感銘を受け社員総会で美化活動宣言  昨年11月、中川さんは環境美化活動の実施を社員総会で宣言しました。毎朝出勤中に目にしていた光景がきっかけでした。  「花ヶ島の車のディーラーの皆さんが道路に出てごみ拾いをしていたんです。私の地元では自治会がやることを、会社としてやっているのがとても新鮮でした。それで、うちでもやりましょうと言ったんですよ」。 外部講師から知識を吸収、姿勢は次第にポジティブに  3月には、市環境学習パートナーを迎えてエコの勉強会も実施したそうです。  「いつもやっている介護技術の勉強会を、趣旨を変えて実施しました。無料でお願いできるということもあって講師を依頼したのですが、それが良かった。社内だと、照れや甘えがある。その点、外部の人だと説得力があります。会では具体的な経費削減の方法などを教えていただきました」。  現在は電気や水道などの節約、エアコンの温度管理にも取り組んでいます。  「大事なのは、無理なく、できる範囲で継続すること。そうすると、やらされている感覚よりも、自主的でポジティブな感覚が強くなります。活動を始めてから、自分がいい人になったみたいと話すスタッフもいるんですよ」と笑うなかがわさん。同社のアクションはこれからも続きます。 見落としがないよう、ごみ拾いは往復します 認定証を手に喜ぶ、同社環境美化推進委員の皆さん 「みやざきエコアクション」認証制度  市内の事業者が、日常の事業活動を環境に負荷の少ないものへ変えていくことに取り組み、定着させることを目的とした制度です。市では、認証制度に取り組む事業者を募集しています。申し込み方法など、詳しくは環境保全課へ。 [問]環境保全課 電話21-1761