みやざき再発見 物いわぬ岩に抱かれてただ思う。 人の物ごと、取るに足らんと。 ぼろいし山(宮崎市) 地質がぼろぼろと崩れやすいことからこの名が付きました。塩鶴登山口から約30分の磐窟神社は、天狗岩を背負って耳の難病を癒す信仰があります。 ◆宮崎市中心街から車で約30分 MiyazakiHumanInterview キラリ!宮崎人5回 上を見ず、粘り強く、地をはうように。 勉強とはそういうものだと学びました。 宮崎市で輝いている人を紹介する「キラリ!宮崎人」。 今回は、歴史書や写真集の監修・執筆、文化財保護などの活動を通じて郷土の歴史や文化の継承に尽力する、かいりょうすけさんです。 郷土研究家 かいりょうすけさん 昭和4年生まれ。宮大付属中学校教諭、児湯教育事務所長などを歴任。平成2年に宮崎東中学校長を定年退職後、「みやざきの101人」などの書籍の監修・執筆に従事。平成16年に瑞宝双光章を受章。19年に県文化賞を受賞。 知識と人格を兼ね備えた二人の恩師との出会い  兄の本を借りたり、通学中も読書にふけるなど、幼い頃から本が好きだったかいさん。現在もたくさんの本や資料を読み解きながら歴史書などの監修・執筆に取り組んでいますが、その考え方や姿勢のルーツは、二人の恩師との出会いにあるそうです。  一人は、高千穂農学校在学中に出会ったやなぎこうきち先生です。「県の要請で東大から来られたすごい方なのに、私たちのような子どもにも礼を尽くしてくれる人格者でした」。もう一人は宮崎大学時代の恩師、杉田まさおみ先生。「私利私欲がなく、高潔で学問に一途という、こちらも素晴らしいお手本でした。書生として住み込んだので、生活面でも随分お世話になりました」 人に会い、聞き、感じる大事なものは教室の外に  杉田先生から「先生というのは長話をするもんじゃない」と教えられていたかいさん。それを受け、宮崎東中学校長時代は原則3分程度で講話の原稿を作成していました。「“走れメロス”や“心に太陽を持て”など、生徒に分かりやすいテーマを探して話をしました」という講話は生徒に好評で、全員に紙でも配られることに。退職の際にはその講話をまとめた本をかいさん自ら1000冊作り、生徒や職員に渡したそうです。かいさんは「全て先生の教えですよ」と笑います。  恩師の教えを通じて、甲斐さんが気付いたこと。それは、勉強とは上を見ず、粘り強く地をはうようにするもの、ということでした。「歴史の文献や古文書を地道に読み解いたり、現地に赴いて人に会い、生きた情報を得るには粘り強さが必要です。でも、そうして勉強して、初めて本物に出会えるんだと思います。大事なものは教室の外にあるんですよ」  かいさんが山里に住む人々から聞き集めた話をふんだんに盛り込んで執筆した最新の書籍は『ふるさとの伝説』がテーマ。カッパや蛇の化身などというと作り話のように思えますが、時期や場所などに不思議な具体性があるとのことです。「目には見えないけれど、山里の人々が心の中で確かに感じたものが背景にあるようです。ふるさとを忘れないためにも、大切に残したいと思って書きました」  本紙2ページで連載中の「みやざきタイムマシン」は、7月号からかいさんが監修しています。「昔の写真には、当時の暮らしの大変さや苦労も表れています。懐かしむだけでなく、積み重ねてきた歳月の重みも、ぜひ感じてほしいですね」 みやざき旬食レシピ 5回 かんしょ  かんしょはヒルガオ科の植物で、「からいも」や「さつまいも」とも呼ばれています。宮崎市の温暖な気候と水はけの良い土地は栽培に適していて、中でも田野、いきめ地区での栽培が盛んです。おかずやお菓子などの食用だけでなく、焼酎に加工されるかんしょもあります。食用では皮が紅色で肉質が黄白色の「宮崎紅」、焼酎原料用では皮も肉質も黄白色の「こがねせんがん」が特に有名な品種です。  かんしょの主成分は炭水化物ですが、ビタミン、ミネラル、食物繊維も豊富。エネルギー補給の他、疲労回復、むくみ予防、便秘改善なども期待できます。皮に栄養素が多く含まれるので、しっかり洗って丸ごといただきたいですね。ふっくらとして皮にツヤがあり、黒く変色していないものを選ぶとよいです。低温に弱いので冷蔵庫に入れず、日の当たらない風通しの良い場所で保存しましょう。低温でじっくり加熱すると甘みが引き立ちます。芋掘りで持ち帰ったものは、収穫直後から1から2週間置くと甘味が増しておいしくなります。 かんしょの塩煮 だしの旨味とかんしょの甘味を生かした素材を楽しむ煮物です。 あっさり&ヘルシー!小さな子どもにもおすすめ♪ 材料(2人分) かんしょ        300g ニンジン         1本 玉ネギ           1個 サヤインゲン        5本 豚モモ切り落とし肉    100g 塩          小さじ3分の1杯 ※だし(昆布・かつお節)   300ml サラダ油        大さじ1杯 ※だしの作り方 鍋に水500mlと昆布5gを入れ3時間程おく。弱火にかけ沸騰直前で火を止め昆布を取り出す。かつお節10gを入れ弱火で3分煮る。火を止めてザルでこす。 作り方 ①かんしょは皮を付けたままくし切りにし水にさらす。ニンジン、玉ネギもくし切りに、サヤインゲンは5㎝幅に切る。豚肉は食べやすい大きさに切る。 ②具材が重ならない大きさの鍋にサラダ油をひき、豚肉を炒め、色が変わったら水気を切ったかんしょ、ニンジン、玉ネギを入れさっと炒める。だしを入れ、落とし蓋をして中火で5分煮る。塩とサヤインゲンを入れさらに弱めの中火で5分から8分程煮る。火を止めて具材に味を染み込ませる。 ●レシピ監修 レシピユニット「みやちゃぶ」 「みやちゃぶ」は“食”に興味旺盛な4人で運営しています。特産物や旬の食材を使ったお手軽レシピをお届けします。 メンバー 青木直美、飯田みどり、伊藤佳代、佐藤薫 ※宮崎市地域雇用創造協議会主催フードビジネス・コーディネーター養成講座の平成25年度養成科卒業生で構成しています。 その他のレシピを公開中!!