特集3 「もしかして…」と思ったら早めに相談を! 9月10日から16日は自殺予防週間です。 その飲み方、ホントにだいじょうぶですか?  楽しいお酒は、生活に潤いを与えるもの。しかし、飲み方を誤れば依存が深まり、仕事のトラブルや家族関係の悪化、うつなど病気の誘発、衝動性が高まった末には自殺行動につながるリスクもあります。この機会に、お酒の飲み方を見直してみませんか。 お酒に強いからたくさん飲まないと満足しない だいじょうぶですか? たくさん飲まないと満足しないのは、脳がアルコールに慣れてしまうため。以前と同じように酔おうとして、次第に飲酒量が増えていきます。その結果、多量飲酒が習慣化してしまいがちになります。 飲み会の翌日に、参加者から批判されたことがある だいじょうぶですか? アルコールの問題は、本人が自覚するよりもはるかに早く、家族や周りが気付くものです。しかし、周囲がいくら批判しても、本人はなかなか気付けません。問題解決への第一歩は、家族だけで抱え込まずに相談することです。 嫌なことがあったり、他にすることがないと飲んでしまう だいじょうぶですか? アルコールには、ストレスなどからくる不安や憂うつな気持ちを多少和らげる作用がありますが、その作用は一時的なもの。酔いから覚めた後には、前よりも気分の落ち込みが悪化することが分かっています。 寝る前にお酒の力を借りてしまう だいじょうぶですか? 寝る前のお酒は、寝つきを良くする一方で、眠りを浅くさせます。そのため、熟睡感は得られにくく、結果的に不眠を悪化させます。眠れないときは、専門医に相談しましょう。 「自分より飲んでいる人は他にもいる」などと思っている だいじょうぶですか? 「このままではいけない」と薄々感じていても、「問題はお酒じゃなくてストレス」、「相談しても自分が責められるだけ」などと自分に言い聞かせていませんか?そのままだと、その心配を打ち消すためにお酒が増え、ますます気分がふさぎ込んでしまいます。 暴言を吐いたり人や物にあたったりしながらお酒を飲み続けている だいじょうぶですか? アルコール問題がある人がお酒を飲むと、通常見られない攻撃性や暴力的行為などが出現することがあります。危険を感じたら、迷わずに110番通報を。また、いつでも逃げ出せるように、逃げ場所や荷物を準備しておくことも大切です。 アルコール依存症チェック表 CHECK!こんな飲み方していませんか? □今までにお酒の量を減らさなければいけないと感じたことがある □周囲の人に自分の飲酒について批判されたことがある □自分の飲酒をよくないと感じたり、罪悪感を持ったことがある □朝酒や迎え酒を飲んだことがある  2項目以上当てはまる場合は、たとえきちんと仕事ができていたり、健康診断で肝臓の機能に異常がなくても、飲み方に問題があります。専門医への相談をおすすめします。 依存症の回復に向けて… 性格や意志の弱さではなく病気として捉えて相談を  アルコール依存症になると、自分でお酒を飲むことをコントロールできなくなり、ひと口でも飲んだら止められなくなります。本人もお酒が悪いと分かっていても止められず、自分が病気であることを認めたがりません。自分の健康や家庭、仕事などよりもお酒を飲むことをはるかに優先するため、お酒を飲むために周囲に対して暴言や暴力を振るったり、屁理屈を言いながら飲酒を正当化するようになります。その結果、本人が困るよりも先に家族が困り果てていきます。  依存症は、本人の性格や意志の弱さの問題ではなく、病気として捉えることが必要です。そして、家族や周囲の人たちだけで何とかしようとするのではなく、適切な相談機関に相談することが大切です。 依存症を予防するために ポイント1 悩んでいる人には「一緒に飲みに行こう!」ではなく「一緒に食事に行こう!」といいましょう ポイント2 お酒に頼らないのが一番です。お酒以外のストレス発散方法を持ちましょう 気軽に保健所までご連絡ください! 健康支援課 保健師 松尾祐輔 問い合わせ先 市保健所健康支援課 電話29-5286 人ごとではないアルコール問題 女性や高齢者の患者が増加中!  アルコール医療専門病棟(久里浜医療センター 神奈川県)では、新規受診者に占める女性の数が1989年で50人(男性445人)に対し、2012年は155人(男性695人)と3倍に。また、アルコール問題を主に訴える初診者のうち、約2割が65歳以上(10年間で約2倍)。数も150人を超えています。 無視できない自殺との関連性  「自殺者の32から37%」、「自殺未遂で救急受診した患者の約40%」から、それぞれアルコールが検出されたという報告があります。 宮崎市の自殺死亡率は低くない!  宮崎市の自殺死亡率は、平成19年以降は減少傾向にありますが、深刻な状況は続いています。 アルコール問題とは 飲酒によって引き起こされるさまざまな問題のこと(家族や他人への暴言・暴力、飲酒運転、遅刻・欠勤、失職、金銭問題など) 全国・宮崎県・宮崎市の自殺死亡率 平成24年 人口10万当り 全国 21.0人 宮崎県 24.7人 宮崎市 20.4人 ※人口動態統計をもとに宮崎市作成 ※自殺死亡率は、人口10万人あたりの自殺者数を表しています。 勇気を出して相談を 宮崎市在住Aさん(50代女性)の場合  私は、何か辛いことがあってお酒を飲み始めたわけではありません。何気なく毎日お酒を飲んでいるうちに、依存症になっていました。子どもを遊ばせている時もどこでお酒を買うか、どこにお酒を隠すかなど、お酒のことばかり考えていました。相談に行こうと考えても、「あなたが悪い」とか「お酒を止めなさい」と責められるのではないかと思い、なかなか行くことができませんでした。  その後、家族の願いもあり家族と共にしぶしぶ病院に行きました。先生から、「依存症は誰でもかかる病気。あなたがダメなのではないんですよ」と言われ、治療に入ることができました。病気になっても希望を持って生きることはできます。飲酒で悩んでいる人には、勇気を出して相談してほしいと思います。 相談窓口 ◎みんなのアルコール教室  宮崎市在住で、アルコール問題を抱える本人や家族および支援者を対象に、専門家による講話と参加者同士でのミーティングを行います。 日程 10月15日(水曜) 内容 周囲の人が理解してほしいこと~対応方法について~ 講師 精神保健福祉士 自助グループ(当事者) 日程 12月10日(水曜) 内容 アルコール関連問題を理解する~回復に向けて~ 講師 精神科医師 日程 平成27年1月14日(水曜) 内容 地域の中で生活するために(統合失調症家族教室と合同開催) 講師 精神保健福祉士当事者 時間 午後1時30分から午後4時まで 電話で、前日までに健康支援課(電話29-5286)へ。