特集3 子育ては親だけじゃ難しいから ママとパパをまもるためにできること 増え続ける子どもの虐待。その裏には、子育てで悩むお母さんやお父さんたちの姿があります。子どもたちの健やかな成長のために、私たちができることは何でしょうか。 子育てで悩む人へのアドバイスや私たちにできることは何でしょう? いろんな面でサポートすること! 関谷佑介 30才 笑顔であいさつできたらいいなぁ ヨッシーママ 29才 リフレッシュする時間をつくること 甲斐優作 30才 悩みを相談できる子育てセンターをもっと活用したらいいと思う 長友恵子 34才 子育てに息詰まった時は周りに甘える事も時には大切!! とも 31才 スーパーで買物した時買物袋につめること 立川宏美 30才 大変な時は周りのみんなにも助けてもらいながら楽しく笑顔で子育てしていけるといいな 今泉聡子 30才 積極的な声かけをすること! 岩松真美 40才 話す時間をつくること! 杉山亮 34才 家族で温泉に行くとリフレッシュできました。 大脇忍 30才 通告は子育てに悩む親への手助けです  昨年度は市内で5歳児が身体的虐待により死亡する事件が発生しました。児童虐待による痛ましい事件が後を絶たず、市への児童虐待の相談・通告件数は昨年度369件と、年々増加している状況です。  虐待が起こる要因は、家庭環境の複雑化や育児からのストレスが挙げられます。育児と仕事の両立の難しさから育児ノイローゼに陥り、結果として児童を虐待してしまうケースが目に付きます。つまり、虐待をしてしまう母親や父親も、ある意味で被害者といえるのです。  だからこそ周囲の人たちがそれぞれの家庭を孤立させないよう、協力していく必要があります。しかし、普段から交流のない家庭に子育てに関するアドバイスをするのは難しいはず。  そこで活用してほしいのが子育て支援課です。通告に罪悪感を抱いてためらってしまう人もいるでしょうが、通告はあくまでも育児に困っている母親・父親に市の支援を届けるための手助けです。早い段階で育児の悩みを解決すれば、虐待の防止につながります。  現在、市では虐待問題の早期解決に向けて、子育て支援課だけでなく他の課と連携した見守り体制や、病院との協力体制を築いています。子どもやその親が困っている様子を感じた人は、すぐに子育て支援課に連絡してください。 子育て支援課相談員 せとぐちみどりさん 児童虐待の相談種別件数(宮崎市 平成25年度) 単位:ケース数(世帯単位)(カッコ内は延べ相談件数) 平成21年度 相談件数 164世帯 (延べ相談件数 883件) 平成22年度 相談件数 166世帯 (延べ相談件数 2,340件) 平成23年度 相談件数 181世帯 (延べ相談件数 2,459件) 平成24年度 相談件数 225世帯 (延べ相談件数 2,850件) 平成25年度 相談件数 248世帯 (延べ相談件数 2,934件) 児童虐待は増加の一途 虐待による死亡事例は全国で年間50件を超え、1週間に1人の子どもが命を落としています(参照:厚生労働省社会福祉行政業務報告)。市でも児童虐待に関する相談処理件数は年々増加しています。 被虐待児童の年齢構成(宮崎市 平成25年度) 0から3歳未満 19.4% 3歳から学齢前 28.6% 小学生 35.5% 中学生 12.9% 高校生・その他 3.6% 被虐待児童は小学生以下が8割 懸念されるのは、自らSOSを発信しにくい未就学児の割合の高さ。教育方針は家庭ごとに異なるため、自分が虐待していると認識していない保護者もいます。周囲が「子どもの目線」で判断しなくてはなりません。 児童虐待に関する相談処理件数推移(宮崎市 平成25年度) 身体的虐待 37.1% 保護の怠慢ないし拒否 17.3% 性的虐待 3.2% 心理的虐待 42.3% 相談は心理的虐待が最多 「心理的虐待」とは、言葉による脅しや拒否的な態度、無視などを指します。ネグレクトと呼ばれる「保護の怠慢・拒否」(健康・安全への配慮を怠る、食事や衣服などが極端に不適切など)も目立ちます。 児童虐待早期発見のためのチェックリスト 児童虐待を防ぐには、早期の通告が有効です。 以下のチェックリストを使って、該当する項目が1つでもある場合は通告への協力をお願いします。 子どもの様子 不自然な外傷(特に首や顔、頭の傷やあざ、火傷など)がある 極端にやせているなど、栄養失調状態にある 幼児だけで公園や道路などで遊んでいたり、家に帰りたがらない 季節に合わない服装をしていたり、衣類や体が不潔である 学校に行く時間が遅い、学校に行く姿をあまり見かけない 近所で悪質ないたずらや万引きを繰り返している 親と一緒にいる子どもの様子 年齢不相応の行儀の良さなど、過度なしつけの影響が見られる いつも親に叱られたり、怒鳴られたりしている 親のいる時といない時の様子に大きな違いが見られる 不安げに周りをうかがったり、暗い顔をしていたり、周囲と上手に関われていない 長時間泣いている、悲鳴のような泣き声がする 戸外やベランダに出されている 親の様子 極端に偏った育児観を持ち、体罰を肯定している 家の中や周辺がゴミだらけになっている 親の心身の状態が悪化しているように見える 子どもの扱い方が極端に乱暴であったり、きょうだいで差があったりする 子どもがけがをしたり、病気になっても医者に見せようとしない 地域や親族などとの交流がなく孤立状態にある 通告先 通告で伝えるべきこと ①虐待が疑われた状況  (どんな子、いつ、どこで、誰から、どうされたか、分かる範囲で具体的に) ②その世帯に関すること ※情報量が多いほど、対応がスムーズになりますので協力をお願いします。 子育て支援課(市役所本庁舎5階) 電話21-1766 受け付け/平日8時30分から午後5時15分まで 県中央福祉こどもセンター (中央児童相談所) 電話26-1551 受け付け/平日8時30分から午後5時15分まで ※ただし、虐待の通告は、夜間・休日も受け付けます。