[特集] 市内で事業を行うICT企業に聞きました! 宮崎ではたらくということ  国内外を問わずビジネスを展開するICT(情報通信技術)企業が、宮崎市に増えてきていることをご存じですか? その背景や、将来を考える学生の意見などを踏まえながら、宮崎市で働くことの魅力を紹介します。 問い合わせ先 工業政策課 電話21-1793 宮崎で仕事をするICT企業が思うこと Part1  宮崎市内には、さまざまな分野で活躍するICT企業が立地しています。ここでは、ICT企業の4人に「宮崎ではたらくということ」をテーマに対談をしていただきました。 宮崎市全体を一つのICT企業に 『次を目指せる人』を求めたい 株式会社教育情報サービス 営業本部長 さかもと やすろうさん 企業情報 2014年に宮崎の立地企業に認定。国内外で教育分野のソフトウェア開発などを行っている。 株式会社ハウコム 取締役 かるい ひろなおさん 企業情報 2002年に宮崎市で事業を開始。パソコンのヘルプデスクや、コンサル業務などを展開中。 スパークジャパン株式会社 代表取締役社長 おかだ のりあきさん 企業情報 1997年創業の地元企業。ウェブ制作を中心に約1000社と取引し、インドネシアにも進出。 デル株式会社宮崎カスタマーセンター センター長 かねこ ともおさん 企業情報 約180か国に拠点を持つアメリカのITソリューション企業。10年前に宮崎市にセンターを開設。 宮崎市に多数のICT企業が集まる理由とは? かねこさん 私たちは、おもてなしの精神にあふれた県民性がお客様サポートにぴったりだと感じたので、開設しました。当社では、全国各地で採用した社員をまず宮崎市に集めて、お客様に喜んでいただくための基本的な対応などの研修を行ってます。その中から、幹部候補生もたくさん育っていますよ。 かるいさん なるほど。私たちもお客様サポートを業務としているので、基本的に業務の中断は許されません。ところが都会だと電車の遅れや渋滞があり、通勤にも時間がかかる。その点、宮崎は大半の人が30分以内で通勤でき、急に欠勤が出ても他の人員で支え合うことができて助かります。 おかださん 宮崎市は空港と市街地が近く、羽田空港からでも2時間以内で行き来でき、大変便利ですね。豊かな自然が多く気候も温暖で、アメリカのシリコンバレーに似ています。県外のお客様の中には、「何とか宮崎で仕事をつくって出張で行きたい!」といわれる方も少なくありません。 さかもとさん 私たちは中小企業の海外展開支援なども行っていますが、海外のお客様の視点で見ると「メード・イン・ジャパン」という絶対的な信頼は、宮崎で作られた製品にも十分通用すると思います。ワークライフバランスを考えれば、宮崎市にICT企業が立地する利点は十分にあると思います。 宮崎市にICT企業が集まることで生まれるメリットとは? かるいさん ICT企業にとって人材はビジネスの根幹です。企業数が増え、人が集まれば企業が選べる人材も増え、競争が生まれてレベルも向上する。もちろん情報交換もできます。 さかもとさん そうそう、市内の企業と新商品の共同開発をする過程では、お互いのアイデアを持ち寄ることで、発想も広がりました。 かねこさん さまざまな仕事を経験することで人は成長していきます。市全体が一つのICT企業のようなイメージで、企業間で人の交流を行いながら共に成長していきたいです。 おかださん 20年前はシリコンバレーがICT産業の最先端でしたが、これからは宮崎市が日本のシリコンバレーといわれるようになるといいですね。 さかもとさん 今やインターネットは生活に欠かせないライフライン。便利に使うには相応のサービスやセキュリティー、サポートが必要で、ICT産業の伸びしろは他の産業と比べても大きいと思います。 成長するICT産業。求める人材と今後の方向性は? おかださん 私たちは、『次を目指せる人』を求めています。現状に満足せず、自分の人生のステップアップも考えながら行動できる人材が欲しいですね。 かるいさん そういう意味ではリーダーになれる人材が必要ですよね。宮崎市には、まだまだキャリアアップするチャンスが広がっていると思いますよ。 かねこさん ICT産業というと「パソコンやIT機器に詳しい人が働いている」という印象がありますが、知識はトレーニングで習得できます。人のために何ができるかを常に考え、自ら道を切り開ける人材に魅力を感じます。 さかもとさん ICT産業は、いろいろな業種と連携できるのが強み。実際に私たちも地元の学習塾や大学などと事業を行っています。 かるいさん 働き方も、例えば午前中だけでできる仕事もあるし、場所も在宅など選択肢がたくさんある。多様化するライフスタイルに柔軟に応えられる業種だと思います。宮崎市でICT企業に就業している人はまだ数千人程度。産業として認知されるよう、もっと雇用を増やしていきたいですね。 なぜ企業誘致が必要?  県内高校などの卒業生の約5割が県外に流出しています。人口減少を抑えるためにも、市に雇用の場を増やすことが必要です。 ICT企業って何?  ICTとは、情報処理や情報通信分野の技術・サービスのこと。市内には、ソフトウェア開発やお客様サポートなど、さまざまな企業が集まっています。 6年でICT企業が倍増!?  市は、企業の新規進出や地元企業の事業拡大を支援し、中心市街地には情報サービス業の集積を図ってきました。結果、市内のICT関連企業の立地数は6年間で2倍以上に増加。雇用予定者数も約600人増加し、平成26年度までに約2700人の雇用が生み出されています。 ICT企業の雇用予定者数と立地件数の推移 (いずれも累積数) ご存じでしたか?宮崎市のこんな魅力 ①安心できる子育て環境  市では、乳幼児医療費助成や病児・病後児保育など、子どもを安心して生み育てていくための支援をしています。株式会社共立総合研究所が行った調査によると、宮崎県は「いい子どもが育つ都道府県ランキング」全国2位。地域ぐるみで子どもを見守り、育てる環境が充実しています。 ②企業が求める人材の育成  市内の研修機関では、若手社員のためのコミュニケーションやプログラミング、コールセンターのオペレーター向けの研修などを行っています。また、市へのUIJターンを考えている都市圏在住者向けの就職説明会や、人材登録制度「ふるさと宮崎人材バンク」を設けるなどしています。 工業政策課 主任主事 島中翼 ICT企業に聞きました 仕事の素朴なギモン Part2 疑問と回答 皆さんは、ICT企業に対してどのような印象を持っていますか? ここでは市内の専門学校生が普段感じている、ICT企業にまつわるいろいろな疑問について、企業の皆さんが分かりやすく答えてくれました。 疑問:帰宅時間が遅そうですが、残業は多いですか? 宮崎マルチメディア専門学校 Webクリエイター科2年 なかしまほうせいさん 回答:繁忙期こそ2時間程度はありますが、ふだんは残業がないよう管理を徹底し、週末や祝日もお休みです。スタッフの大半は女性で、無理なく働いていますよ。 株式会社アプロード 西澤恵理さん 疑問:未経験者でも仕事はやっていけますか? 宮崎情報ビジネス専門学校 情報システム科2年 川越れいじさん 回答:中途採用はキャリア重視ですが、新卒は技術ありきではなく、面接も重視しています。当社では全国の新入社員が宮崎で1か月研修を受けていますよ。その後は先輩がついて指導するので、安心してください。 株式会社MJC 岩本信子さん ふむふむなるほどね! 疑問:人事の評価制度はどうなっていますか? 回答:当社では幹部やスペシャリストへの道が用意されています。未経験でも半年で正社員に登用した例もあり、十分にキャリアアップが可能ですよ。 イー・ガーディアン株式会社 森岡ゆうこさん 疑問:結婚・出産後も仕事を続けたいのですが可能ですか? 回答:企業にもよりますが、当社の育休明けの復帰率は100%です。時短などの働き方の相談や、子どもを持つスタッフ同士の情報交換も盛んですよ。 出産後も安心! 株式会社アラタナ 守屋亜理沙さん 疑問:できれば宮崎の会社でキャリアアップしていきたいのですが…。 宮崎マルチメディア専門学校 CGデザイン科2年 吉岡明日香さん 回答:東京に本社がありますが、仕事内容は東京も宮崎もほとんど一緒です。希望すればお客様と直接会って、設計などの行程にも関われるため、キャリアアップが可能です。 株式会社ペルテ (左)いかりやま晋悟さん (右)島田げんさん 疑問:就職後の研修やサポートはどんな仕組みですか? 回答:当社にはキャリア社外研修やコンプライアンス研修など、上場企業と同水準の教育・評価制度があります。幹部養成講座では私自身も指導していますよ! サンライズグループ 田所一夫さん 疑問:Uターン就職前の不安や、戻ってどうだったかを教えてください。 回答:生活費は事前に計算済みで安心でした。仕事と転居先選びは苦労しましたが、今では通勤時間が90分から30分に短縮でき、土日の仕事も減って満足です。 株式会社スカイコム (左)原田かずあきさん (右)大田まさとしさん 疑問:就職前に勉強したり、取得しておいた方がよい資格はありますか? 宮崎情報ビジネス専門学校 情報システム科2年 富永真伍さん 回答:基本情報技術者です。資格取得は絶対条件ではありませんが、向上のための行動を起こしている証。パソコンのことが本当に好きという人に来てほしいです。 イー・アンド・エム株式会社 甲斐英治さん 優れた人材の獲得や知識・ノウハウの共有を進めます! ~宮崎のICT企業グループ「ミヤザキアイティープラス」発足!~ 株式会社ゴーヤ つねはらあいさん  3月に発足した市内ICT関連企業23社からなるグループが、宮崎のICT産業活性化を目標に、6月から「ミヤザキアイティープラス」という名称で本格的に活動を始めました。人材確保、人材育成、交流、広報という4つの分科会で活動していきます。  ICT企業と自治体との連携は、都市圏では簡単にはいかないところが、宮崎では実現できることが強みです。都市圏に比べて地方は情報が少ないですが、企業が連携して情報共有することでビジネスチャンスが広がります。人が少ない地方だからこそ、キャリアアップの機会も多い。グループでは、優れた人材の獲得や育成に取り組むとともに、各企業の知識・ノウハウを共有する場も作っていきます。宮崎のICT業界を盛り上げたいという人にも、ぜひ参加してもらいたいですね。ICT企業の特徴であるフットワークの軽さを武器にして、市とも連携しながら活動していきます。 宮崎市には、他にも優秀な企業がたくさん立地しています。最近では地場企業も着々と力を付けて、国内だけでなく世界へ羽ばたいています。私たちの目標は、宮崎で育った若い人たちが安心して働けるよう、さらなる企業誘致に取り組み、宮崎の地で夢を持って生活していただくことです。 取材にご協力いただいた企業の皆さん、学生の皆さん、ありがとうございました。 アンケートにご協力ください! 工業政策課課長 柏木新一