特集1 目標は1人1日350グラム! 野菜を食べよう Part1 どうやったら食べられる? 分かってはいるけど、野菜をなかなか食べられていないのが現実。 市民5人が、野菜を食べられない事情や食べるためのアイデアを話し合いました。 外食はもちろん、手軽に食べられる調理済みの食品が増えている昨今ですが、実は野菜の摂取量が不足していることをご存じですか? 野菜が不足すると、生活習慣病になる心配が高まり、高齢化もあいまって医療費の増加にもつながります。長く健康に暮らしていくために、どうすれば野菜を上手に食べられるのか、その方法を探りました。 問い合わせ先 医療費と健康のことは国保年金課電話21-1745、地産地消のことは農政企画課電話21-1785、レシピのことは健康支援課電話29-5286 理解はしつつも時間に余裕なし 時間がかかる料理は難しいのが現状です 二宮 私が単身赴任をしていた時は、いつも外食でした。そのせいか体調を崩した経験もあります。 八木 私も今一人暮らしですが、料理が得意でないのもあって、忙しいと外食に頼りがちですね。 石本 できるだけ野菜を取らないといけないと分かっていても、根菜類を煮るなど、時間のかかる料理は仕事をしていると難しいのが現状。平日は、種類もキャベツやキュウリ、トマトなど、さっと切って食べられるものが大半です。 小田 頭で分かっていても現実はなかなか…。ナスやピーマンなども、食卓にあまり出せていません。子どもたちは給食で野菜を食べてくれているので、家ではまあいいかと甘えてしまっています。 石本 保育園では、友達の存在や先生の励ましもあって、子どもたちは何でもおいしそうに食べていますよ。野菜はミートソースの具材にするなど、工夫して食べやすくしているのがいいのかも。 八木 そういう意味では大学の学食は助かっていますね。油断すると好きなメニューを選びがちですが、意識して野菜の小鉢を取るようにしています。日によっては夕食も学食で済ませています。 瀬戸口 なるほど。給食や学食のない親世代の方が、野菜は不足しているかもしれませんね。 具だくさんな鍋やみそ汁は強い味方 石本 仕事から帰ってきて作る時間や体力はないので、私は買い物したその日にゆでて小分けにして冷凍したり、日曜日に作り置きしたりしています。 小田 それすらもなかなか追いつかないのが実情ですが…うちは家族の人数が多いので、まとまった量を作れるみそ汁を具だくさんにしていますね。エノキやモヤシは安いので重宝しています。 二宮 いいですね。寒くなるこれからは鍋もいい方法ですよ。 八木 鍋は寒くなってきたら自分で作ろうという気にはなります。そう考えると夏よりはこれからの季節の方が野菜は取りやすいかもしれません。 瀬戸口 みそ汁や鍋はいいと思います! みそ汁だと、例えばジャガ芋のみそ汁は具だくさんですが、実は芋類は野菜ではないんです。葉物や大根、ニンジンなどできるだけいろいろな野菜を使うよう気をつけたいですね。 朝食に買い物などできることから 大切にしたい「食べる楽しさ」 瀬戸口 目標の1日350グラムの野菜を毎日取らないといけないと考えると逆にストレスになってしまいます。不足していると感じた時は、例えば鍋をして、不足していた量を2日から3日の期間でまとめて取るなど柔軟に考えてもよいと思います。 石本 食べ方も工夫できますね。キュウリも生より酢の物などの方が量を食べられますし、日持ちもします。 二宮 私はできるだけドレッシングを使わず、生の野菜をおいしく感じることでたくさんの野菜を楽しく食べ続けたいですね。 八木 これからは朝食を工夫したいと思います。みそ汁など、一つのメニューにできるだけたくさん野菜を入れたいです。それに、レンジで温めたら簡単に蒸し野菜ができる容器を母親にもらったので、活用します。 石本 子どもには、パスタやピザの具に野菜をいっぱい使って、無理なく楽しく食べられるようにするといいですね。苦手な野菜を食べたらご褒美シールを貼るようにすると、ゲーム感覚で楽しめるかもしれません。 小田 私はいつも同じ野菜を買ってしまいがちなので、ゴボウやカボチャなど普段買わない野菜を買うように意識したいです。そして、野菜が苦手な主人の弁当に、できるだけいっぱい野菜を入れたい。主人にもご褒美シール制度を導入しようかしら? 一同(笑) 石本由美子さん 花ケ島北保育園園長として生後8週からの子どもたちの世話をしている。 八木宏樹さん 宮崎大学医学部3年のラガーマン。福岡県出身で現在は一人暮らし。 小田由佳さん パートで勤務しながら、女児3人・男児1人の子育てに奮闘中。 二宮秀貴さん 自動車安全運転センター勤務。「男の料理教室」に参加した経験あり。 瀬戸口みつ子さん 食生活改善推進協議会会長。食を通した健康づくりに取り組んでいる。 DATA どれくらい野菜が不足しているの?  宮崎県の野菜摂取量は、男女共に全国平均を下回っています。特に男性は推奨摂取量350gの7割程度と不足が目立っています。 [資料:平成24年国民健康・栄養調査結果の概要] 男性 41位 (265g/日) 全国平均 297g/日 女性 32位 (269g/日) 全国平均 280g/日 DATA 宮崎どれの野菜は、太陽の恵みいっぱい  宮崎県は、冬場の日射量が全国トップクラス。キュウリなどに代表される全国有数の野菜の産地でもあります。  近年、日射量が多いと野菜のビタミンCやβカロテンが増える傾向にあることが分かってきています。全国平均と比較してビタミンCが多く含まれていることが確認されたピーマンやゴーヤーは、「みやざきビタミンピーマン」や「みやざきビタミンゴーヤー」という名称で、全国に届けられています。栄養価が高い宮崎の野菜をたくさん食べましょう。 DATA なぜ1日350グラムの野菜が必要?  350グラムは、野菜に含まれるビタミンCや食物繊維などの栄養素が体の中で十分に働くために1日に必要な量。野菜を使った1皿70グラムの小鉢を5皿食べる計算です。 1皿70gの小鉢(例) ほうれん草のおひたし3分の1束 かぼちゃの煮物1口大3切れ Part2 「野菜をもう1皿!」応援レシピ 時間がない中で効率よく、楽しみながら野菜を食べるためのスペシャルレシピを紹介します。目指せ1日350グラム! 応援レシピ1 ※写真はイメージです。 野菜たっぷりミルクスープ 体がぽかぽか温まる、これからの季節にぴったりの一品です。 材料(2人分) カボチャ 40g 玉ネギ 40g シメジ 12g キャベツ 30g ズッキーニ 30g ベーコン 15g 油 小さじ1杯 牛乳 100cc コンソメ 2分の1個 こしょう 適宜 水 150cc 合わせみそ 大さじ2分の1杯 1カボチャは皮を付けたまま拍子木切り。玉ネギとキャベツは1.5cmの角切り。シメジは根を切ってほぐし、ズッキーニは半月切りまたはいちょう切りにする。ベーコンは太めの千切りにする。 2鍋に、油を熱し玉ネギとベーコンを入れて炒める。水とコンソメを加え、他の材料も入れて煮る。 3材料が柔らかくなったら牛乳を加え、温まったら火を止めて、みそを入れる。最後にこしょうで味を整え、お好みでパセリのみじん切りを散らす。 応援レシピ2 ※写真はイメージです。 キュウリとささみの梅おかか和え キュウリはたたくと味がよくなじみます。 材料(2人分) キュウリ 1本半 ささみ 1本 梅干し 大1個 塩 適宜 ☆かつお節 2.5g(小パック1袋) ☆酒 小さじ1杯 ☆みりん 小さじ1杯 1鍋に湯を沸かし、塩少々と筋を取ったささみを入れる。再度沸騰したら火を止めて蓋をして8分程おき、ささみを取り出して粗熱が取れたらほぐしておく。 2キュウリはヘタを切り、一つまみの塩をふってまな板の上で転がし、水で洗い水気を拭き取る。ビニール袋に入れすりこ木でたたき、割れ目が出来たら食べやすい大きさに手で割りほぐす。 3梅干しは種を取り、包丁でたたいてペースト状にし、ボウルに入れ☆印の材料全てを加え混ぜ合わせる。 43にささみとキュウリを加えよく和え、器に盛る。 応援レシピ3 ※写真はイメージです。 千切り大根入りお好み焼き 宮崎名物の千切り大根を使った、手軽で簡単なレシピです。 材料(2枚分) お好み焼き粉 1月2日カップ 卵 2分の1個 水 75ml 千切り大根 15g キャベツ 70g 豚肉 60g お好みの魚介類 (エビ・イカなど) 40g 油 大さじ1杯 お好み焼きソース 大さじ2杯 マヨネーズ 大さじ2杯 かつお節 少々 青のり 少々 オクラ(またはネギ) 2本 下準備 ★千切り大根は水で戻してよく水気を切り、2cm長に切っておく。 ★キャベツは洗って千切りまたは粗みじん切りにしておく。 ★オクラはさっとゆでて半分に切る(お好みでネギでも可)。 1ボウルにお好み焼き粉、卵、水を入れて混ぜる。 21に、千切り大根、キャベツ、エビ、イカなどのお好みの具材を加え混ぜる。 3ホットプレート(またはフライパン)を熱して油をひき、生地を丸く流し入れ、上に豚肉をのせる。3分から4分して焼き色がついたらフライ返しでひっくり返して裏を4分から5分焼く。 4焼けたら平皿に移し、お好み焼きソース、マヨネーズを塗り、かつお節、青のりを振り、半分に切ったオクラを飾る。 外食もより健康的に! 「伝えたい健やかおとなメニュー」  宮崎市では、市内の飲食店で健康増進が期待できるメニューを「伝えたい健やかおとなメニュー」に認定し、マップに掲載しています。現在認定している飲食店は19か所あり、野菜不足改善に役立つ「てげやさいメニュー」と、低カロリー・低塩分の「てげへるメニュー」の、合わせて33種類のメニューがあります。外食の際に、ぜひ利用してみてください。 てげやさいメニュー:豆乳ちゃんぽん 元気堂(宮崎市田吉) ●てげやさいメニュー 野菜不足改善が期待できるメニュー 条件 ・1食または単品1皿の野菜が120g以上 ●てげへるメニュー 低カロリー・低塩分メニュー 条件 ・総エネルギーが600kcal未満 ・塩分3g以下 ・野菜使用量120g以上 ※1食で全ての条件を満たすもの 各協力店で、「てげやさいメニュー」「てげへるメニュー」を注文するとシールを1枚もらえます。3枚集めて応募すると素敵なプレゼントが当たります! 詳しくはこちら 健康寿命を延ばしましょう  日常生活が制限されず健康的に生活できる期間のことを「健康寿命」といい、平均寿命と健康寿命の差を「不健康な期間」といいます。宮崎市は、人口が同じような市と比べて、男女ともに平均寿命が長い一方で、不健康な期間も長い傾向にあります。  健康で長生きするためには、健(検)診を受けて病気を予防することと、毎日の生活習慣を見直すこと、中でも「毎日の食事」が大切です。特に、野菜は、体内の余分な塩分を尿と一緒に排出する働きがある栄養素カリウムを多く含んでおり、生活習慣病である高血圧症、脳卒中、がんを抑制する働きがあります。栄養素が体内で十分働くには、1日350グラムの野菜が必要だと言われています。1日小鉢5皿分の野菜を使ったおかずを食べることを目標にしましょう。 健康寿命が延びると、病院にかかることも減り医療費も抑制されます。まずは、野菜をもう1皿! 健康支援課 管理栄養士 熊ノ迫菜都子 タニタの管理栄養士さんが来る! 「健康づくりシンポジウム」を開催します!  平均寿命が全国1位の長野県は、野菜摂取量も全国1位。宮崎市は太陽の恵みいっぱいの野菜が豊富です。この野菜をもっと食べて日本一健康なまちを目指しましょう。  おいしく食べて、元気に暮らせるヒントがいっぱいのシンポジウムに、ぜひお越しください。 日時 12月12日(土曜)10時から午後5時まで 場所 宮崎市民文化ホール 内容 ・タニタの管理栄養士さんによる講演     ・野菜生産・消費、健康寿命日本一推進宣言唱和     ・資料や模範料理の展示     ・野菜や果物などの販売・試食 ほか 申し込み 電話またはファックスで、11月30日(月曜)までに市コールセンター(電話25-2111、ファックス番号38-4894)へ。詳しくは、10月下旬ごろに市ホームページにも掲載します。 問い合わせ先 国保年金課 電話21-1745 宮崎産の野菜をたくさん食べて、健康寿命日本一を目指しましょう! 国保年金課 主査 黒木和代