===================919text11=================== うえの けん さん 24歳 株式会社スモルト代表取締役 サクラマスの養殖で宮崎から水産業に革新  幻の魚を宮崎で育てようと養殖に取り組んでいるのは宮崎大学大学院生の うえの けん さん。2019年4月に宮崎大学認定のベンチャー企業株式会社スモルトを立ち上げ、高級魚サクラマスの養殖を始めました。うえのさんは大学時代に五ヶ瀬町のヤマメ養殖業者と一緒にサクラマスを養殖する技術開発に取り組み、五ヶ瀬町の淡水で育ったヤマメを冬の海で養殖することで巨大なサクラマスに育成できることを立証しました。実はヤマメとサクラマスは卵の段階では同じで、川にとどまるのがヤマメ、川を下って海に降りるのがサクラマスなのです。「サクラマスは数が少なく、サケの中でも最高級の味で幻の高級魚と言われています。養殖が実現できれば金色に輝くイクラを取ることができ、人工的に採卵したイクラから次の世代を作ることも可能で、循環型の養殖ができます」とうえのさん。現在は稚魚を北浦町の生け簀で大きく育てる活動をしています。うえのさんは岩手県釜石市の出身で東日本大震災を経験。夢はサクラマス事業で宮崎の漁業を元気にし、ゆくゆくは宮崎での成功例をもとに、地元でも養殖を展開し釜石市を元気にすること。「まずは宮崎からおいしいサーモンを世界へ発信していきたい」と夢に向かって頑張っています。 宮崎市と県北を行き来し、サクラマスの養殖にいそしむ日々を過ごすうえのさん。 海を見つめる眼差しは真剣そのもの。学生でありながらすでに一歩先を見据えている。 プロフィール 岩手県釜石市出身。宮崎大学大学院農学研究科に在籍。2017年第1回宮崎大学ビジネスプランコンテストで学長賞を受賞し、2019年4月に宮崎大学認定のベンチャー企業株式会社スモルトを設立。宮崎大学学生発のベンチャーとしては第一号目。サクラマスの養殖事業に取り組んでいる。