===================920text0405=================== 特集1 みんなの力で達成しよう! 一人ひとりのエスディージーズ 最近、新聞やニュースで取り上げられる「エスディージーズ」という言葉。カラフルな色のエスディージーズバッジをつけている人もよく見かけます。エスディージーズ(Sustainable Development Goals)っていったい何? という素朴な疑問から、「誰一人取り残さない」という基本理念の実現に私たち一人ひとりが何をしたらいいのかまでわかりやすくお伝えします。 疑問その1 エスディージーズ(持続可能な開発目標)って何ですか? 回答 エスディージーズは、2015年の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載され、「2030年までによりよい世界を目指す」国際目標です。17の目標(ゴール)とより具体的かつ詳細な169のターゲットで構成されています。地球上の「誰一人取り残さない」社会の実現をめざし、全世界共通の目標として、経済・社会・環境の様々な課題を統合的に解決することの重要性が示されています。先進国、開発途上国を問わず、世界全体でエスディージーズ達成に向けた取り組みがはじまっています。 疑問その2 17の目標を教えてください 回答 上のカラフルなアイコンを見てください。17の目標は、「貧困」や「ジェンダー平等」、「気候変動」など地球全体に関わる問題を解決することや「健康と福祉」「質の高い教育」「安全な水とトイレ」など資源やサービスをあらゆる人に届けることなど、みんなで達成するために設定されています。17の目標は全て関係しているため、一つでも欠けると、最終的な解決になりません。 疑問その3 エスディージーズを達成するために必要なことは何ですか? 回答  エスディージーズの達成に取り組む主体は、国連や各国の政府だけではなく、行政や民間企業、金融機関、市民団体などのあらゆる組織です。そして何より私たち一人ひとりのエスディージーズへの参加が期待されています。 宮崎市でもあらゆる機会を活用し、エスディージーズに関して周知・啓発するとともに、日常生活や民間企業等の経営にエスディージーズを取り入れていただくための取り組みを進めていきます。 疑問その4 エスディージーズが大きなビジネスチャンスという話を聞きました。それはどういうことですか? 回答 エスディージーズは単なる社会貢献ではありません。「ありたい未来」を目指すときに、自分たちが何をすべきか、どうやって利益を生み出していくかに知恵を絞ることが、長続きする、つまり持続可能な社会づくりにつながると考えられているからです。今、金融界のトレンドは環境、社会、ガバナンス(企業管理)に配慮した企業に投資する「ESG投資」です。たとえば、宮崎銀行も「持続可能な地域経済の成長」に貢献するため、エスディージーズ、ESG関連投融資を3か年の累計で1千億円に定めているとのこと。人に優しく、環境にも優しいビジネスモデルを進めることが企業価値も高めることになります。 宮崎市内でも増えてきたエスディージーズを学ぶ職場セミナー 疑問その5  宮崎市ではどの様なことに取り組んでいるの? 回答 宮崎市は、市民や団体等と連携しながら、新たな価値を共に創造する「共創」の考え方のもと、まちづくりを進めています。「共創」とエスディージーズの理念は同じ趣旨であり、昨年度末に策定した「第2期宮崎市地方創生総合戦略」の基本的な考え方の一つに、「エスディージーズとの一体的な推進」を設けました。まずは、エスディージーズの理解を広げていくことが大事になると考えています。市民や団体等とエスディージーズを「共通の言語」に連携しながら、様々な取り組みを推進する中で、エスディージーズの達成を実現していきます。 疑問その6  私たちにできることはありますか? 回答 はい。私たちがこの世界を形作っており、一人ひとりの意識、活動がエスディージーズを達成できるか否かにかかっているのです。たとえば「食品ロス」の問題。これは、 12の「つくる責任つかう責任」をはじめ、1、2の目標にも通じますが、農林水産省が発表した平成29年度の推計値によると、日本では年間2550万トンの食品廃棄物等が出され、まだ食べられるのに廃棄される食品だけを見ても612万トンもあります。これは毎日10トントラック1700台分の食品が廃棄されている計算です。お茶碗1杯(139センチ)のご飯に換算すると国民全員が1年間毎日捨てていることになります。食べきれる分だけ買うようにする、家にあるものをまた買わないようにするなど、今日からできることがたくさんあります。 備蓄している食料品の消費期限を調べることもエスディージーズ達成のひとつに これがエスディージーズの17のゴールです! 1 貧困をなくそう 2 飢餓をゼロに 3 すべての人に健康と福祉を 4 質の高い教育をみんなに 5 ジェンダー平等を実現しよう 6 安全な水とトイレを世界中に 7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに 8 働きがいも 経済成長も 9 産業と技術革新の基盤をつくろう 10 人や国の不平等をなくそう 11 住み続けられるまちづくりを 12 つくる責任 つかう責任 13 気候変動に具体的な対策を 14 海の豊かさを守ろう 15 陸の豊かさも守ろう 16 平和と公正をすべての人に 17 パートナーシップで目標を達成しよう ===================920text06=================== みやざき 私たちのまちでエスディージーズに取り組む人たち みやざきママパパhappy “子どもと親が幸せに暮らすまち”を目指す 児童虐待防止を目的に設立され10年の特定非営利活動法人。子育て中のママ自身が取材、執筆するフリーペーパーを発行するほか、パネルシアター、絵本の読み聞かせ会などのイベントを通して「子どもがハッピーになるために、ママパパがハッピーになろう」と呼び掛けます。「誰かに頼るのではなく、自分たちで企画・運営することで子育てする力を養い、それが結果的によりよいまちづくりにつながっているのでは」と理事の黒木淳子さん。子育てパパの支援、子ども食堂の応援業務など活動は多岐にわたります。 子どもと参加できるイベントを開催し、ママ、パパも幸せに 理事 くろぎ じゅんこ さん 宮崎野生動物研究会 環境意識の啓発や自然保護の大切さを次世代へ 宮崎で見られるウミガメやカモシカなどの野生動物の調査を行っています。1973年に発足し、会員は教員、動物園スタッフなど専門家や学生などです。ウミガメに関しては、宮崎市から高鍋町にかけての海岸に繁殖のために上陸してくるアカウミガメの上陸回数や産卵回数の動向や生態などの調査を50年近く地道に続けています。調査、研究を通して、環境意識の啓発や自然保護の大切さ、宮崎の豊かな自然が動物、人間と密接に関係していることを次世代へ伝える活動も行っています。 ウミガメの産卵地であり続けるために… 事務局長 でぐち ともひさ さん みやざきスタートアップハブ 創業とイノベーションを促進 働き方の再考も 創業を目指す人、創業したばかりの人を対象にした支援施設。今年6年目を迎え、今までに39人が巣立ち、宮崎市などで事業を行っています。最長1年間、仕事のできるスペースが与えられるなどハード面での支援の他、創業者という同じステージで物事を考える仲間に出会い、切磋琢磨することで会員同士での新会社設立、コラボ商品の誕生など、新たなビジネスが生まれています。セミナー室やライブラリーもあり、仕事に関する学びの場として、働き方を見つめ直し、考える場にもなっています。 施設内にテントを張り、自由な発想促進の仕掛けも 宮崎商工会議所 まえだ やすおみ さん 宮崎青年会議所 魅力あふれる宮崎を子どもたちへ引き継ぐ 1951(昭和26)年に設立され、「まちづくり、ひとづくり」をモットーに、地域の問題・課題解決や宮崎の発展を目指し活動を行う経済人団体。理事長の黒田福太郎さんは「日本でいちばん住みやすい活気あるまち」を目指し、奉仕と友情の精神で活動すると宣言。若者の人材育成や地域の祭りの企画、運営を通じてにぎわい創出やまちの魅力発信などに寄与するとともに、エスディージーズ の普及啓発にも積極的に取り組み、持続可能なまちづくり、次世代へつなぐ気持ちで活動を続けます。 勇壮な「JC太鼓」で祭りを盛り上げ、まちの活性化に努める 理事長 くろだ ふくたろう さん 問い合わせ先 企画政策課 電話21-1711 ファックス番号31-6557