===================921text0809=================== エルジービーティー(だれも)が安心して暮らせる宮崎市へ 「パートナーシップ宣誓制度」スタートから1年 宮崎大学の学生が2018年に市へ提出した「性の多様性尊重条例案」をきっかけに生まれた「パートナーシップ宣誓制度」。制度開始から1年余がたち、5月末現在11組のカップルが公的証明となるカード(受領証)を受け取っています。エルジービーティー、つまり性的少数者が当たり前の存在として認められる社会へ。宮崎市に住む当事者の皆さんに話を聞きました。 パートナーシップ宣誓制度とは?  日本の民間団体の調査※によると、国内の性的少数者の割合は、13人に1人とも10人に1人とも言われています。日本では法律上同性婚が認められていないため、同性のカップルは婚姻することができませんが、そのことで生きづらさを感じる人も少なくありません。そこで2015年に東京・渋谷区が導入したのを皮切りに全国に広がったのが「パートナーシップ制度」。宮崎県では宮崎市のほか、今年から木城町で制度がスタートしています。  「20歳に達していること」「カップルのうち少なくとも1人が宮崎市在住であること(あるいは転入を予定)」「現に婚姻していないこと」などの条件を満たせば、制度を利用できます。 詳しくは下のQRコードからご覧ください。 ※日本労働組合総連合会(2016年調査)は13人に1人、エルジービーティー 総合研究所(博報堂DYグループ/2019年調査)では10人に1人 パートナーシップ宣誓制度ご利用の手引き エルジービーティー交流会「レインボービュー宮崎」代表・ やまだ けんじ さんに聞きました!  制度を作るにあたって、当事者として市との協働で意見交換会を実施しました。渋谷区で同様の制度ができてから数年がたっていたので、制度導入が決まったときは「やっとこの時が来たな」というのが率直な感想でした。宮崎市の制度はパートナー同士が同一住居に住んでいない場合や、一方が市内在住でない場合も利用でき、私たち当事者の意見が反映され、日本一申し込みやすい形なのではないかと思います。僕らより若い世代の当事者たちは、カミングアウトに抵抗感があまりなく、家族や友人に受け入れられることも増え、時代の変化を感じます。けれど、まだまだ誰にも打ち明けられず悩む子たちもいます。特別な存在ではなく、いて当たり前の存在だと思ってほしい。「誰もが住みやすいまち」のためには社会的理解が必要です。多くの人に愛とやさしさを持ってほしいと思います。 受領証には「本人」「パートナー」それぞれの名前が記される。後ろには緊急連絡先を書く欄があり、万が一の場合など戸籍上の身内ではなく、パートナーに連絡がいくよう配慮されている。 レズビアン 性自認が女性で恋愛対象が女性の人 ゲイ 性自認が男性で恋愛対象が男性の人 バイセクシュアル 男性も女性も好きな人 トランスジェンダー 生まれたときに割り当てられた性別とは異なる性を生きたい・生きる人 エルジービーティーは性的少数者を表す総称のひとつであり、この他にも様々なセクシュアリティ(性)の方々がいらっしゃいます。 制度利用で「絆が深く」長年連れ添うAさん、Bさん  他県から宮崎へ来たAさんと宮崎出身のBさんが出会い、一緒に暮らしはじめて25年。長年連れ添った二人は「立場を隠すようなこともなく、今までそれなりの暮らしをしてきたので、不自由はなかった」(Aさん)といいます。半年前にパートナーシップ宣誓制度を利用し、カードを持ったことで車の購入や携帯料金の支払いで家族割引が適用されたとうれしそうに話します。それと同時に、「初めて私たちが行政に認められたと感じ、絆が深くなった」とも。年齢を重ねてBさんが病気やけがをすることも多くなり、手術や入院の際に「身内」という言葉で阻まれ、同意書にサインができないなどもどかしく感じる時があるといいます。「いずれ来る別れの時を考えると、制度をきっかけに同性のパートナーでも、きちんと看取りができる社会になってほしい」とAさん。受領証の効力が広がることを願っています。 テキパキ仕事をすることが大好きなAさん(左)とのんびり屋のBさん。 子どもと共に楽しく…「新しい家族」の形を示す  保育園に通う4歳の長女、2歳の長男とともに暮らすあすかさん(40代)とみちかさん(30代)は、宮崎市パートナーシップ宣誓制度を利用した最初のカップル。お互い職場に同性のパートナーがいることは報告済みでしたが、制度利用が新聞などで報じられたことで同僚や保育士の先生から「おめでとう」と言われ、「婚姻届を出す人はこんな気持ちになるのかと思い、うれしかった」(みちかさん)といいます。思春期で悩んでいる若い世代の当事者たちにとっても「制度ができたことで、社会から認められていると感じ生活しやすくなるだろう」とあすかさん。ただ法的効力が伴うものではないため、「この制度の先が必要じゃないか」と話します。今は充実した毎日を過ごし、子どもたちとの日々に幸せを感じていますが、あすかさんは、法律上はシングルマザー。二人は新しい家族の形が今後より一層認められることを望んでいます。 みちかさんと家族になりたくて、あすかさんが二人の子を産む選択をした。 悩みの相談窓口や仲間づくりの交流会も 宮崎市男女共同参画センター パレット 土曜、日曜も相談OKです 性的少数者の皆さんを含め、様々な相談を受け付ける窓口です。月に1回、第3日曜の9時から午後0時は性的少数者に関する専用ダイヤル(電話 22-0022)も用意。また、メールでの問い合わせも受け付けます。QRコードから公式サイトをご覧ください。 電話相談受付時間:午前9時から午後5時まで(受付は午後4時30分まで) 面接相談:要予約 休館日:火曜、祝日、年末年始 電話番号:0985-25-2057 https://pal-let.jp/lgbt/ エルジービーティー交流会 レインボービュー宮崎 お互いを認め合い… 月1回の交流会 2016年7月設立。月に1回程度、交流会を開催しています。宮崎県内において性的少数者の方たちが自分らしく輝き、自分らしくいられ、安心して話ができる場所を提供しています。 「レインボービュー宮崎」の情報はツイッターやフェイスブックで発信しています。こちらからどうぞ。 ユース向け交流会 にじいろのひなた。 24歳以下のエルジービーティー交流会 レインボービュー宮崎から派生した24歳以下限定の会で、2019年3月設立。世代により抱える悩みが違うことに着目し作られました。安心して語り合える居場所を目指しています。 基本的に奇数月の第3土曜に開催。情報は「にじいろのひなた。」のフェイスブックで発信しています。こちらからどうぞ。 親、家族、パートナーの会 にじいろスカイ 当事者のまわりにいる人たちも交流を 当事者の親、家族、パートナーなどが語り合う場所が欲しいとの声が上がり、2020年7月発足します。 基本的に奇数月の第3土曜に開催。情報は「にじいろスカイ」のフェイスブックで。 ひとりで悩みを抱えていませんか? 宮崎市では当事者団体のご協力をいただきながら相談窓口の設置や交流会などを開催しています。 パートナーシップ宣誓制度の説明会を開催します ■日時:7月20日(月曜)午後7時から ■場所:宮崎市男女共同参画センター「パレット」 ■申込:事前に文化・市民活動課(電話 21-1835)までお申込みください。 問い合わせ先 文化・市民活動課 電話 21-1835 ファックス番号 20-1564 メール 45taiiku@city.miyazaki.miyazaki.jp