===================922text11=================== 輝く次世代の宮崎人を応援 キラリ! はらだ なほこ さん 宮崎大学医学部看護学科 教授 我慢させない支援を伝え 避難所運営のヒントに 今回のコロナ禍を受けて、災害時の避難所のあり方を見直した自治体も少なくないようです。避難した先での生活が原因で、体調を崩す人を出さないよう、人権を尊重した災害支援の基準を国際赤十字などが定めた「スフィア基準」。この理解を深める研修会を、本市で主催してきたのが原田奈穂子さんです。「東日本大震災が発生してすぐ気仙沼市で医療支援チームに参加しました。活動を続ける中で、さまざまな我慢を強いられる避難所での生活が原因で、避難された方の持病が悪化するのを目のあたりにしました」と原田さん。この経験をきっかけに、2013年にスフィア基準を実践するトレーナー養成研修を修了。トレーナーとして多方面で活動しながら、2017年から本市での研修会を開始し、我慢させない支援を伝え避難所運営のヒントに「スフィアハンドブック2018日本語版」の翻訳にも関わりました。「居住する場を整えることが、心と体を守ることにつながります。避難所での生活が始まったときに、どんな問題が起こるか考える機会を、研修会はもちろん自治体が主催する訓練などでも提供しています」。災害時支援は医療従事者だけでは成り立たないからこそ、スフィア基準を理解する仲間を増やし、その輪を広げています。 「スフィア基準という言葉を知らなくても、ここに書いてあることが実行できていればいいのです」と原田さん。 研修会は地方での開催は珍しく、県外からの受講者も多い。 プロフィール 千葉市出身。2017年4月から宮崎大学医学部看護学科の統合臨床看護科学講座精神看護学領域教授。また同年から、年に2回、スフィア基準に基づいた「我慢をさせない支援を実践するには」研修会を主催。この支援についての情報を提供する「こころのかまえ研究会」代表も務める。