大特集 いざ、地方創生!  このまま少子高齢化が進んだ場合、2040年には宮崎市の人口が今より約5万人減り、3人に1人が高齢者になると予測されています。宮崎市がこれからも住みよいまちであり続けるためにはどうすればよいか、一緒に考えてみませんか。 Part1 こんなジモトだったらいいな 市長×高校生地方創生トーク  将来を担う高校生が考える、理想の地元とはどんなものなのでしょうか。平成28年度に実施予定の事業を交えながら、地方創生をテーマに、高校生と市長が意見を交わしました。 トークの内容が分かるスペシャルムービーはこちらから 問い合わせ先 企画政策課  電話21-1711ファックス番号31-6557 戸敷正市長 宮崎に活力を 宮崎工業高校2年 上山ゆきとさん 宮崎西高校3年 安藤由夏さん 宮崎南高校3年 湯地のどかさん さどわら高校3年 長友みなみさん 理想のジモトを考えてみよう 宮崎北高校2年 もりみつねねさん 宮崎農業高校3年 徳田かえでさん ワンポイント解説 「地方創生」とは?  大都市圏への人口の一極集中を是正するため、地方がそれぞれの特徴を生かし、地域経済の活性化につなげたり、地方に人を呼び込んだりすることで、人口減少に歯止めをかけ、豊かで安心して暮らし続けられるようにすること。  宮崎市では、進学や就職の時期に当たる15才から24才までの若年層の転出が顕著です。若者にとって魅力のある仕事をつくったり、地域に求められる人材の育成を図ります。 企画政策課 主査 竹下和摩 年齢別社会動態 (転入数-転出数)※平成26年1月から12月 0歳から4歳まで 27人減 5歳から9歳まで 23人減 10歳から14歳まで 33人減 15歳から19歳まで 337人減 20歳から24歳まで 236人減 25歳から29歳まで 34人減 30歳から34歳まで 124人増 35歳から39歳まで 48人増 40歳から44歳まで 21人減 45歳から49歳まで 28人減 50歳から54歳まで 12人増 55歳から59歳まで 81人増 60歳から64歳まで 67人増 65歳から69歳まで 13人増 70歳から74歳まで 35人増 75歳から79歳まで 28人増 80歳から84歳まで 28人増 85歳から89歳まで 22人増 90歳から94歳まで 11人増 95歳から99歳まで 4人増 100歳以上 0人 就職情報が足りない! 市長:みんなは今、進学や就職のことを考えている時期だと思いますが、どうすれば将来も宮崎で暮らしていけると思いますか? 湯地さん(以下、湯):私の周りではよく「県内には仕事がないので、都会に出るしかない」という話を聞きます。 市長:県内の企業があまり知られていないという話は、確かによく耳にしますね。 湯:そうなんです。でも情報が少ないだけで、実際はいろんな企業や仕事があると思います。例えば県外の大学に進学した人が、就職前に宮崎の企業でインターンシップができれば、宮崎の企業を知ってもらう機会になるのでは、と思います。 市長:確かに。宮崎には、世界的に有名な機械メーカーの拠点などがあります。さらに市では今、中心市街地にICT企業をたくさん誘致していて、先日もゲーム制作会社がオフィスを開設してくれました。また、さどわらや田野、高岡、きよたけにもさまざまな製造・加工関連の会社が拠点を構えてくれています。宮崎の企業をもっと知ってもらわないといけないですね。 湯:はい。それに、新卒だけではなく中途採用の数も増やせば、ある程度経験を積んだ人が戻ってきやすいのでは、とも思います。 市長:そうですね。今年度はさらに①創業のサポートにも力を入れるので、雇用が拡大するよう取り組んでいきます。 農業にICTを 徳田さん(以下、徳):私は両親が農業をしていて、私も同じ道に進もうと思っているのですが、若い人は「農業は大変」というイメージを抱きがち。機械を活用したり、ICTを使ったサポートが充実すれば、やりたい人も増えると思います。 市長:私も実家が農業をしていて、大変だなと思ったことはいっぱいあります。それでも農業高校に進学しましたし、宮崎の農業は本当に素晴らしいと思っています。将来の担い手のためにも、②機械やICTも活用しながらもっとサポートしていく必要がありますね。 情報収集はスマホが基本 長友さん(以下、長):私は県外の大学に進学しますが、将来は宮崎に戻って起業したいと思っています。そのためにも、県外に住みながら宮崎の起業に関する情報が得られるとうれしいです。 安藤さん(以下、安):私の高校では、企業の方から仕事の話を聞ける講座を実施しているのですが、とても刺激になりました。こういう機会を増やすことも、情報発信の効果的な方法だと感じます。 市長:とてもいい提案です。ちなみに、みんなはいつもどうやって情報収集をしていますか? 上山さん(以下、上):ラインが多いですね。先日、ラインに宮崎市公式アカウントがあるのを知りました。月に3回程度情報を配信しているとのことですが、毎週末にイベントの告知などをしてくれればもっと登録者も増えるのではと思います。 安:私の周りでも、スマホのアプリで情報収集している人が多いです。何かを伝えるなら、スマホに配信するのは基本だと思います。 市長:なるほど。若い世代のライフスタイルに合わせて情報発信していく必要がありますね。③イベント告知はもちろん、仕事や企業の情報も、みんなの手元にスムーズに届くような仕組みを整えていきますね。 もっと宮崎を好きになろう 市長:みんなは、どうすればたくさんの人が宮崎を訪れたり、移住してくれたりすると思いますか? 安:実際に来ていただいたときの、交通の便やアクセスが課題ではないでしょうか。 市長:そうですね。観光地を巡るバスなどは、もっと便利にしないといけませんね。インフラとしては、WiFi(無線でインターネットに接続する仕組み)も、特に外国人観光客からの要望が多いと聞くので、④外国人向けの対応にも力を入れないといけないですね。 もりみつさん(以下、もり):私は海外に行ったとき、宮崎が恋しくて1日で帰りたくなりました(笑)。私が地元のことを大好きだからだと思いますが、一度宮崎を観光したら誰もがきっと宮崎の魅力に気付いてくれると思います。 徳:都会には農業をしたい人がいっぱいいると思います。農家の高齢化がもっと進めば、耕作していない土地も増えるだろうし、農業をしたい人に移住してもらうとよいのではないでしょうか。 長:まずは私たち自身がもっと地元のことを好きになって、自信を持って「住みないよ! 来ないよ!」と言えるようにしたいです。 市長:その通りですね。⑤私たちも、移住を考えている人に向けて、もっと情報を発信しなければなりませんね。身近すぎて、「野菜が甘い」とか「花がきれい」といった宮崎の良さを感じにくくなっているのかも。実際、おいしい野菜はいっぱいあるのに、宮崎県の野菜消費量は全国で43番目なんですよ。 一同:そうなんですか! 高校生がもっと地域へ 市長:今、地域の人のつながりが薄れてきているといわれますが、どうすればみんなで助け合っていけると思いますか? 湯:昔はお祭りなど、子どもから高齢者までが参加できるイベントがよくあったと思うのですが、今は少ないと感じます。 安:私の地元では、運動会や文化祭を通じてつながりはあるのですが、高齢者が多く、やがて無くなってしまうのではと感じています。若い人がもっと運営に加わっていかないといけないと思います。 長:私たちのように若い世代の提案を大人の皆さんが受け入れてくれることが分かれば、高校生ができることは、いっぱいあると思います。 市長:なるほど。高校生が地元のイベントに参加すると活気も出るし、学校もPRになっていいですよね。もしかすると、大人が高校生をもっと頼っていったほうがよいのかもしれません。 もり:私も、今は声が掛からなかったり、ボランティアで参加できることが見つからなかったりしてまだ活動できていないのですが、役に立ちたいという気持ちは強いです。 市長:地域から声掛けをすれば、高校生が参加してくれるかもしれませんね。地元に対して熱意を持ってくれているのはありがたいことだし、高校生にとっても地域のいろんな世代の人と知り合う機会は貴重な経験です。⑥宮崎の活性化には、皆さんのような若い力は不可欠なので、その力を十分に発揮してもらえるように、これからも努力していきたいと思います。 やります!その① 創業を考えている人や創業して間もない人・企業を支援! みやざき創業サポート事業  地域経済の活性化や中心市街地のにぎわいを創出するため、インキュベーションルームを運営。最長1年間、オフィスの無料貸し出しや専門家などによる総合的な創業支援を行い、創業の増加や雇用の拡大を図ります。 ここはそうするといいよー なるほどー! 予算はこれくらいでいいかな 情報が少ないだけで実際はいろんな仕事があると思います。 宮崎南高校3年 湯地のどかさん やります!その② ICTで農業の負担やコストを低減します! ICT活用型農業産地実証事業  これまでは個別に制御していた農業器具を、まとめて管理できるシステムを導入。省力化によるコストの低減や、確かな生産予測、高品質で安定した出荷を実現して、後継者不足が深刻な農業の経営をしやすくしていきます。 よし!次の水やりの時間を指定してと… 予約完了! ICTを使ったサポートで農業をする人も増えるのでは? 宮崎農業高校3年 徳田かえでさん やります!その③ 就職やイベントなどの情報をアプリで配信! 宮崎市ワーク・ライフプロモーション事業  成人式のお知らせから、就職やイベント、移住に関する情報まで、若者が求める情報をアプリで配信。大学・高校などの自主活動グループとも協力して、若者の地元定着や人材確保、移住促進などを図ります。 アプリMIYAZAKI発信! おっ情報きた!インターンシップかー! 私にもきたよー!この企業よさそう! 情報収集にはラインをよく使っています。 宮崎工業高校2年 上山ゆきとさん やります!その④ 外国人観光客に宮崎をアピール! 外国人誘客みやざきモデル事業  台湾、韓国などの旅行会社が、閑散期に企画した旅行商品を支援し、外国人観光客を増やします。また、外国人観光客に、中心市街地の魅力を感じてもらえるように飲食や買い物で使えるクーポンを発行し、更なる誘客を図ります。 いらっしゃいませから! 楽しから! 一度宮崎に来てくれればその良さは伝わると思います。 宮崎北高校2年 もりみつねねさん やります!その⑤ 移住コンシェルジュが移住を後押し! 移住促進事業  宮崎市移住センター(平成27年12月開設)に、移住コンシェルジュを配置。市の窓口、住まいや就職支援の窓口と連携し、移住希望者の相談に対応するほか、パンフレットやウェブサイトを通じた情報発信などを行います。 メールOK!SNSアップ完了! ここ、オススメですよー! この方をご紹介します 色んなお手伝いをします 宮崎の素晴らしさをアピールしていきましょう。 宮崎西高校3年 安藤由夏さん やります!その⑥ 「宮崎まちびと大学校」開校! まちづくり人材育成事業  地域活動に取り組んでいる人やこれから取り組みたい人を対象に、大学校を開校。知識の習得講座や先進地での視察などを通して、地域の課題解決やさまざまな活動のコーディネートができる、まちづくりのリーダーを育成します。 こんなまちに住みたいな 地域のたくさんの声を反映したい! あの地域って元気だよね もっとこーしてあーして… 高校生ができることはいっぱいあると思います! さどわら高校3年 長友みなみさん Part2 「創生推進予算」を見てみよう!  宮崎市の、平成28年度一般会計当初予算が決まりました。私たちの暮らしに密接なつながりのある市の予算。その詳しい内容について、みやざき家が市職員に取材しました。 問い合わせ先 財政課 電話21-1723 ファックス番号21-1522 リポーターの「みやざき家」です! 市のお財布事情、詳しく聞いてみました! みやざき家 父:光一さん 母:波子さん 長男:太陽くん (小学校6年生) 長女:花ちゃん (小学校2年生) 地方創生を本格的に進めます! 平成28年度一般会計当初予算 一般会計とは、市の基本的な事業(福祉や道路整備など)を行うためのお財布のことで、主に市税で賄われています。平成28年度当初予算は「創生推進予算」とし、地域の特性や市民のニーズに合った取り組みを本格的に推進することとしています。 歳入 160,560 (単位:百万円) 自主財源 40.8% 依存財源 59.2% 市税 32.4% 諸収入 1.9% 使用料及び手数料 1.2% その他5.3% 地方交付税 14.8% 国庫支出金 20.5% 県支出金 7.4% 地方譲与税 1.2% 交付金 6.3% 市債 9.0% 父:収入は…自主財源が4割、依存財源が6割なんだね。 家計に例えると…  お父さんとお母さんの給料(市税など)、役所からの助成金や奨学金(国庫・県支出金など)、各種ローン(市債)を合わせたのが収入(歳入)です。宮崎市は現在、給料(市税など)だけでは賄いきれず、助成金や借入金を活用しながら工面しています。 自主財源は給料など、依存財源は助成金、奨学金、ローンなど 歳出 160,560 (単位:百万円) 義務的経費 59.8% 投資的経費 9.4% その他 30.8% 人件費 12.8% 扶助費 33.8% 公債費 13.2% 普通建設 9.3% 災害その他 0.1% 繰出金 8.9% 積立金 0.9% 補助費など 5.7% 物件費その他 15.3% 母:支払いもあるのよね…義務的経費というのは何かしら? 家計に例えると…  義務的経費は、自由に削ることができないローンの返済(公債費)や医療費(扶助費)、食費(人件費)にあたります。これに、自宅のリフォームや修繕費(投資的経費など)、光熱費(物件費その他)、子どもへの仕送り(繰出金など)などを含めたものが支出(歳出)です。 リフォーム、光熱費、医療費、食費、ローン返済など 長男:義務的経費…3つの項目があるね 人件費 扶助費 公債費 父:市職員の「人件費」とローンの返済の「公債費」は何となくイメージできるけど… 歳出(扶助費) 母:私が気になったのは「扶助費」だわ 父:言葉の意味もよく分からんな… 吉永:それは子育て世帯、障がいのある人、高齢者や生活に困っている人の暮らしを支えるためのお金です 財政課主任主事 吉永大介 母:具体的には? 吉永:例えば保育所の運営や障がいのある人の自立支援病気で働けない人の生活費や医療費などがあります 児童福祉費 47.61% 生活保護費 25.91% 社会福祉費 24.73% 保健衛生費 その他 1.75% 長男:これ将来はもっと増えるよね? 父:少子高齢化などの影響だな!さすが太陽!我が息子よ! 吉永:その通り!すでにここ7年間で約1.7倍になっています 健全な財政運営が重要になります! 扶助費の推移 平成21年の約1.7倍!(約221億円増) 父:人件費はどうなんですか? 吉永:2562人いた職員の数を平成25年4月から28年4月までに59人削減する計画を進めていて平成27年4月までに55人を削減しました 母:でもサービスが行き届かなくならないかしら 吉永:おっしゃる通りです!そのために事務を効率化したり組織を見直したり民間のノウハウを活用したりしてサービスの向上に努めています! 家族一同:おお~! 普通建設 9.3% 長男:じゃあこれは何? 父:建物や橋を建てるお金かな? 吉永:市の財産になるものに掛かるお金です 災害の復旧に掛かるお金と合わせて投資的経費と呼ばれています フェニックス自然動物園の改修 小戸之橋の架け替え いきめの杜運動公園野球場の改修 長男:わあっ! 長女:まほう!? 父:市の財産か…うちの財産はパパのゴルフクラブとかかなあ…フフフ… 母:それは財産にはなりません なんでやねん 歳入(市債) 長男:ねえ「市債」ってなんのこと? 父:ええと…借金のことかな?んー… 吉永:「市債」は大きな事業をするために借りるお金のことです 一度に返済するのは大変なので何年かに分けて少しずつ払っています まとまったお金の必要な建物や橋などは将来にわたり何十年もみんなで使っていくものだから幅広い年代に分けてみんなで負担していくことにしているんですよ 長男:ちゃんと返し続けられているんですか? 長女:ですかー? 吉永:もちろんです この7年間で残高を約234億円も減らしました! 市債残高の推移 平成21年度 2,057億円 平成22年度 2,038億円 平成23年度 2,021億円 平成24年度 1,988億円 平成25年度 1,955億円 平成26年度 1,924億円 平成27年度 1,872億円 平成28年度 1,823億円 母:順調に返済しているんですね パパうちも住宅ローンの返済がんばらないとね!フフッ 父:は、はいっ! 長男:でも借金はちょっとでも少ない方がいいよね 母:何か工夫しているんですか?ウチにも使えるヒントが!? 吉永:収入を増やすためにふるさと納税をPRしたり基金を長期運用したり業務を効率化して支出を抑えたりしています ふるさと納税一例 長男:パパとママの収入が増えたらぼくのお小遣いも増えるかな!? 母:ムダ使いもやめてもらわないとね パパのお酒代とかね~ 父:は…はい… 吉永:予算は財政運営の基本方針となっている「中期財政計画」に沿ってつくられているんですよ この計画には3つの目標があります 目標1 借金(市債)を減らします 目標2 貯金(基金)を増やします 長男:フムフム…基本的なことだね そうすると3つ目はさっき話していた「工夫する」ということ? 目標3 工夫して収入を確保し支出を減らします 吉永:その通りです! 目標1 市債残高 計画額:1,889億円 見込額:1,884億円 目標2 財政5基金残高 計画額:261億円 見込額:279億円 目標3 収入確保・支出削減額 計画額:4億円 達成額:4億6,900万円 ※目標1・2は平成28年度末残高、目標3は平成28年度当初予算ベース ※目標1は普通会計(一般会計、5特別会計)ベース 吉永:この計画にもとづいて予算編成に取り組んだ結果平成28年度当初予算ではいずれの目標も達成する予定です! 父:なるほどー! 長男:予算にはいろんな項目があっていろんな工夫をしながらやりくりされていることが分かりました! 長女:アタシもー!!(ウソ) 吉永:うんうん、分かってくれてうれしいよ… 財政は厳しい状況が続きますが将来「宮崎に誇りがもてる」「宮崎に住んでよかった」と思ってもらえるまちづくりに取り組んでいきますよー! 家族一同:お~!!