特集1  第2弾 野菜を食べよう 目指せ!エムブイピーサンゴマル! ミヤザキベジタブルプロジェクト  6月は食育月間です。市では、1人1日350gの野菜を食べて健康的な暮らしを送る「エムブイピーサンゴマル(ミヤザキ・ベジタブル・プロジェクト)」を推進しています。生活習慣や病気の傾向も踏まえながら、日ごろの食生活を見直してみませんか。 【問い合わせ先】農政企画課 電話21-1785 ファックス番号21-1786 これでいいの!?宮崎人の食生活 私たちが将来健康でいられるかどうか、カギを握るのが今の食生活。 でも、このままで本当に大丈夫? 宮崎県 あまり野菜を食べていない 1人あたり野菜摂取量 47都道府県中男性41位(1日に264g) ※全国平均1日に297g 47都道府県中女性32位(1日に269g) ※全国平均1日に280g [資料]厚生労働省平成24年国民健康・栄養調査 宮崎県 歩かない人が多い 平均歩数(20から24歳・女性) 47都道府県中45位(1日に6,113歩) ※全国平均1日に6,894歩 [資料]厚生労働省平成24年国民健康・栄養調査 宮崎市 即席麺をよく食べている 即席麺年間摂取量 52市中10位(1年に3,242g) ※全国平均1年に2,844g [資料]総務省家計調査平成23年から平成年25年までの平均 宮崎市 日本で一番焼酎を飲んでいる 焼酎年間購入数量 52市中1位(1年に22,910ml) ※全国平均1年に9,869ml [資料]総務省家計調査平成23年から平成年25年までの平均 宮崎県 血圧が高め 収縮期血圧高値の割合 47都道府県中8位(180mmHg以上) [資料]厚生労働省平成22年特定健康診査・特定保健指導に関するデータ 宮崎県 糖尿病予備群が多い 糖尿病指数高値の割合 47都道府県中11位(JDS値8.0以上) [資料]厚生労働省平成22年特定健康診査・特定保健指導に関するデータ 宮崎県 子どもたちに肥満の傾向 高度肥満傾向児(10歳) 47都道府県中男児2位 47都道府県中女児1位 ※高度肥満傾向児…BMIがプラス50%以上 [資料]文部科学省平成25年学校保健統計調査 宮崎県 子どもたちにむし歯が多い むし歯になったことのある歯の数(12歳) 47都道府県中男児4位 47都道府県中女児5位 [資料]文部科学省平成25年学校保健統計調査 Part.1おとな編 食生活カイゼン!ミーティング  食育というと子どものことだと考えがちですが、家庭での食事を充実したものにするのは大人の役目。どうすれば偏りがちな食生活を見直せるでしょうか。 国保年金課管理栄養士 井俣真由美 NPO法人食生活応援団ベジフルバスケット 代表 矢野智香子さん 農政企画課 主査 かわの由紀子 食べ物は体をつくるもと 選ぶ力を身に付けよう 井俣 平成25年に健診を受けた宮崎市の皆さんの健康状況(平成25年宮崎市国民健康保険加入者の診療費)を見ると、生活習慣が要因となる疾病は、30代後半から発生し、50代後半からの増加が顕著です。 かわの 宮崎市の特定健康診査の受診率は県内最下位。大人の生活習慣の改善が急務ですが、あまり問題だと感じられていないのでは? 矢野 そうですね。まずは自分が口にしている食べ物に関心を寄せることから始めるとよいのではと思います。 かわの そういえば、加工食品にはよく分からない名前が原材料名として並んでいるものもありますね。 井俣 野菜や魚、肉には原材料名はないわけで、加工食品にはそれだけ別のものが含まれているということですね。 矢野 そうなんです。忙しい中で毎日手作りというのは大変。加工食品に助けられることも多いでしょう。そうであれば、なるべく食品添加物などが多く含まれない食品を選ぶようにしたいものです。 かわの 自分が食べる物は、日ごろから意識できるといいですね。 矢野 私たちの体は、食べたものから作られます。体のために、よりよい食べ物を選ぶ力を身に付けたいものです。 井俣 食生活の偏りは、思い込みによるところもあります。野菜ジュースを飲んでいるから野菜は取れているという人がいますが、塩分や添加物が含まれていますし、実は食物繊維も水溶性のものしか取れていません。 かわの サラダを食べていると言いながら、実際は野菜以上にマヨネーズやドレッシングを多く取っているケースも目立ちます。 矢野 思い込みを変えるには、選ぶための知識が必要です。例えば、朝食で取ってほしい栄養の一つはブドウ糖。パンでもよいのですが、パンにはもともと食塩や砂糖が含まれているので、お薦めはおむすびです。 井俣 いっぺんに変えるのは難しくても、例えば生野菜をゆで野菜にするだけでも野菜が食べやすくなります。知識を生かして、何か一つでも変えてみるといいのでは。 かわの いいですね。食育というと、3食ともちゃんとしないといけないような印象を受けがちですが、野菜の調理法を工夫をするだけでも目標の1日350gに近づけられそうですね。 矢野 そうですね。それに、食事は五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)で楽しむもの。大人が率先して素材本来の味わいや風味を楽しんでほしいと思います。 「私たちの体は、食べたものでできているんですよね」 「いっぺんに変えるのは困難。小さなことから1つずつ」 「エムブイピーサンゴマル」って?  宮崎の食を愛し、学びながら、野菜生産・消費と健康寿命日本一を目指す「エムブイピーサンゴマル」。一人一人が栄養バランスのとれた食事を心掛け、1日350gの野菜を取ることで、心身ともに健康で安心な生活を実現しようという試みです。市では、家庭や学校・地域での食育や、農林水産業の体験や交流を通じた食育、地産地消を推進しています。 平成27年12月に開催された「健康づくりシンポジウム」 Part.2子ども編 食事の楽しさを五感で体験!  子どもの食育はどうすればよいのでしょうか。NPO法人食生活応援団ベジフルバスケットが実施している「五感体験型キッズキッチン講座」で、その秘訣を探りました。 五感体験型キッズキッチン講座とは 料理という五感を使った体験を通して、食事の楽しさを伝える教育プログラム。野菜の名前あてクイズや食育の絵本読み聞かせなどもあります。 LESSON1 ごはんを炊こう!  炊飯器でスイッチを入れておけば炊き上がるごはん。でも、中でどのように炊けているのか、大人でも意外と知らない人は多いのでは?  教室では、洗う前と洗った後の米の違いを比べたり、ガラスの鍋でごはんが炊ける様子を観察したりします。泡がいっぱいで、子どもたちはみんなびっくり!「おいしく炊けてね」との声も上がり、一粒一粒に愛着が湧いている様子がうかがえました。 「お米ってこんなふうに炊けるんだ!」 POINT 普段当たり前のようにしている料理の過程も、じっくり見ると驚きや発見があります。大人も一緒にのぞいてみましょう。 LESSON2 豚汁を作ろう!  みんなで集まって作るメニューは豚汁。野菜を切ったり、みそを溶いたりするのももちろん子どもたちの役割です。  まずはニンジンやダイコンなどの野菜をカット。包丁を握る表情は真剣そのもの! 合間にはみんなでだしを味見。普段おやつで口にしているようなはっきりした味ではなく、薄いようで深みのある味わいに誰もが興味津々。「野菜の味がする!」など、思い思いの感想が生まれました。 POINT 即席タイプの味噌汁は便利ですが、だしを取り、みそを溶くという本来の過程は、子どもにとって素材の味を知る格好の教材です。 LESSON3 サラダを作ろう!  まず作るのは叩きキュウリ。子どもたちはキュウリを袋に入れ、面白がりながらすりこぎで叩きます。続いてゆで卵の殻をむき、トマトも載せて、最後に掛けるのはちりめん! 普段食べ慣れているマヨネーズやドレッシングではなく、ごま油で炒っただけのちりめんを振り掛けて完成。自分のサラダはもちろん自分で盛り付け。ごま油の香りやトマトの甘みに子どもたちは大喜びでした。 「自分で作ると楽しくておいしい!」 POINT ちりめんを使った味付けは、調味料の役割を果たすものがマヨネーズやドレッシングだけではないことを教えてくれます。 LESSON4 おむすびを握ろう  ごはんが炊き上がったら、おむすび作りのスタート。炊き立てのごはんの香り、温もり、粘り気、柔らかさなどを全身で感じながら、子どもたちは慣れない手つきで黙々とおむすびを握ります。自分の分はしっかり自分で握って、ノリを巻いたら完成! 大きさも形も個性豊かな、愛らしいおむすびがたくさんできました。かぶりついた子どもたちは口をそろえて「おいしい!」と笑顔。 POINT 炊きたてのごはんでおむすびを作ると、視覚や嗅覚、手のひらの触覚など、五感で楽しむことができます。 こんなことしているよ!学校の食育① 魚の手開きに挑戦! 宮崎南小学校  夏休みに開催した親子料理教室では、地元鮮魚店の皆さんの指導のもと、慣れない手つきでイワシの手開きや調理に挑戦。最初は「気持ち悪い!」という子もいましたが、最後は楽しく完成。命をいただくという意識を新たにしました。 後日、家庭で手開きに挑戦してくれた子どももいたようです。 栄養教諭 内山佳子 こんなことしているよ!学校の食育② 梅を収穫してジュースに! 七野小学校  校内にある梅の木から実を収穫し、よく洗って氷砂糖といっしょに瓶詰め。梅ジュースができる様子を観察し、みんなで味わいました。梅の実と氷砂糖だけでジュースができるのが、子どもたちの目には不思議に映ったようで、貴重な経験になったようです。 自分でも作ってみたいという声がたくさん上がりました。 教諭 とみながかおり 教諭 ふるきのりこ 食事にまつわる○×クイズ  知っているようで実は間違っていることもある、食事にまつわる常識。左の内容が正しいのか間違っているのか、皆さんはいくつ分かりますか? (答えはP9の下に記載しています) 1食パンは「トースト」にした方が消化がよくなる。 2ブロッコリーのつぼみと茎。ビタミンCが多いのは「つぼみ」だ。 3キャベツは古代ギリシャで薬草として用いられていた。 4卵は殻の色によって栄養価が異なる。 5生の大根より切り干し大根の方が栄養価が高い。 【○×クイズの答え 1○2×3○4×5○】 出前講座のお知らせ  まこっつですか?宮崎人 生活習慣見直そう!  宮崎の特徴的な生活習慣や病気の傾向を市職員が解説します。おいしく健康に暮らすためのヒントを見つけましょう。 問い合わせ先 国保年金課  電話21-1745 ファックス番号20-3562 宮崎の農産物を使って家庭で楽しく食育を!  宮崎市は、食材の宝庫。好き嫌いなんてもったいない。「エムブイピーサンゴマル」を家族みんなの合言葉にして、バランスの良い食生活を楽しみましょう。