[特集1] マイナス5万人の衝撃!! 今から24年後にこんな未来が来るとしたら皆さんはどう思いますか? 問い合わせ先 財政課 電話21-1723、ファックス番号21-1522 昔はきれいな水田だったね…  後継者不足や農業従事者の高齢化といった状況下で、荒れる農地や、老朽化した空き家が増えます。 昔はきれいな畑だったんじゃがのー 移動が不便だなあ…  障がい者や高齢者のためのバリアフリー整備が進まず、利用者は不便さを強いられます。施設の手入れも行き届きません。 ああ…また階段じゃあ… どーするかの… 前はもっと安かったのに…  働き盛りの人口が減って高齢者が増えるため、年金生活の高齢者はもちろん、全ての年代で、医療費の負担もかさみます。 医療費、前はもっと安かったハズじゃが… ああっ… 税金が高くて大変…  減少する収入をまかなうために、水道料金やごみ袋が値上がりしたり、無料だった施設が有料になったりします。 住居費、食費、税 あっ… 今日も人がいないね…  人口減少で利用者が減り、スタッフも削減されるため、閑散とする図書館。予算不足の影響で、新しい書籍も入りません。 しーん… 今日もダレもいないねー もう何年も古いまま…  予算の不足で修繕が進まず、傷みや汚れが目立ちます。閉鎖する施設も増えますが、撤去費用もないため、そのままです。 その他にも 子どもが少ないね… 道路や水道管の修繕が進まない… 空き物件が目立つ… などなど 2040年を前に、地域経済や市民生活への大きな影響が懸念されています。  宮崎市の人口が今より約5万人減少するとされている2040年。人口減少に加え、少子高齢化の進展により、働き盛りが少なくなる一方、高齢者の割合がさらに大きくなります。24年後に迫る厳しい現実と向き合い、将来にわたって地域の活力を維持するにはどうすべきか、考えてみませんか。 宮崎市が抱える借金は中核市としては九州最多  現在、宮崎市は他の同じ規模の都市と比較すると、公共下水道の整備や学校の耐震化などは進んでいるものの、市民一人当たりの借金(市債残高)が多く、特に九州内の中核市では最も借金が多い自治体となっています(グラフ①)。また、いざという時のための貯金(財政調整基金)も、年々減ってきている状況です(グラフ②)。 人口が減少し続ける中で次世代に重荷を残すことに  今後、財政状況が悪化すれば、市民の皆さんの要望に応えることや、新しいサービスを始めることができなくなります。必要な庁舎の修理などが後回しになり、水道料金やごみ袋の価格、公共施設の使用料などの値上げにより、収入を増やさなくてはならなくなります。そして、やがては子どもや孫の世代に、多額の負担という重荷を背負わせてしまうことになります。どうしてこのような状況になっているのでしょうか。 九州内中核市の市民一人当たり市債残高 (平成25年度末全会計) グラフ① 宮崎市 84.5万円 長崎市 82.4万円 大分市 65.5万円 久留米市 64.3万円 鹿児島市 60.2万円 那覇市 49.2万円 借金 九州内の中核市では宮崎市が最多! 財政調整基金の残高 グラフ② 平成20年 129億円 平成21年 120億円 平成22年 109億円 平成23年 110億円 平成24年 104億円 平成25年 114億円 平成26年 97億円 貯金 使えるお金も減り続けています! 将来への負担が増加しています なぜ人口が減ることで、身近で重要な行政サービスの提供が困難になるのでしょうか。 ここでは、既に大きな問題となっている2つの要因について説明します。 理由1 医療や介護、年金など、高齢者を支えるための福祉にかかる経費が年々増加しています。 増え続ける高齢者を支えきれなくなります 2012年 65歳以上1人に対して 20歳から64歳までの約2.4人が経費負担 2050年 (推計) 65歳以上1人に対して 20歳から64歳までの約1.2人が経費負担 [資料]国立社会保障・人口問題研究所の推計 子育てや教育がしやすいように計画を立ててもらわないと、安心して子どもを育てられないですね。 さとういづみさん(30歳) 晴馬さん(2歳) 今までの仕組みではうまくいかないことが増えてきていると思います。市政には若者の意見をもっと反映してもらいたいです。 かいゆうさくさん(32歳) 働き盛りの人口が減っていること、高齢者が増加して医療や介護にかかる経費がより多く必要になっていること、子育て環境の充実が一層求められるようになっていることなどにより、本市では福祉にかかる経費が全体の約4割にのぼり、今後も増大することが見込まれています。  これらの経費は、自由に削減できない上、収入の大小に関わらず支出しなくてはいけない義務的経費にあたります。そのため、公共施設や行政サービスを見直し、真に必要なものから優先して予算を組み立てる必要があります。 2010年 400,583人 (うち高齢者は約21%) 2040年 355,433人 (うち高齢者は約36%) 約5万人減 [資料]国立社会保障・人口問題研究所の推計 ここ30年で、宮崎市の人口は、約5万人減少。 少子高齢化の影響で福祉にかかる経費は増える一方です。 理由2 建築から30年を経過した施設が全体の45%となっていて、修繕・更新に莫大な費用がかかります。 公共施設の維持にかなりのお金が必要です 小戸之橋の架け替え 限られた予算の中で他の公共事業が中断することがないように、計画的に事業に取り組んでいるため、架け替え工事にも時間を要しています。 疑問:将来も必要な公共施設を維持するにはどうすればよいと思いますか? [市民意識調査(平成25年12月実施)] 無回答 1.4% 税金の投入 1.7% 分からない 3.1% 使用料の値上げ 19.4% 施設の見直し(経費や施設数の削減、民間活用など) 74.4% 7割が施設の見直しを希望 行ってよかったと思える施設なら、有料化も仕方がないかな。お金を上手に使って幅広い世代が楽しめる施設を作ってほしいです。 うちやまだあやのさん(24歳) りのさん(2歳) まちは若い力で活気づくので、若者向けの施設をもっと作ってほしい。公共施設が有料になってしまうと大変だと思います。 まえださほさん(18歳) たむらしょうさん(18歳) これまで、本市は人口の増加や都市の成長に合わせて、さまざまな公共施設を建設してきました。大半が成長期に建設したもので建築から30年以上が経過し、今後50年にわたる修繕や更新には、今の3倍近くの費用がかかる見込みです。  公共施設の65%は学校や市営住宅が占めており、直ちにその量を見直すことはできませんが、今のままでは市の財政を圧迫してしまいます。最適な量だけを持つことを前提に、維持するのにかかる費用を削減するなどの努力が不可欠です。 平成27年度 48億円(当初予算) 今後50年間 平均 134億円(50年で6,700億円) 平成27年度当初予算の約3倍 今後必要な修繕費用は50年間で6,700億円。 1年あたりの平均は134億円で平成27年度の費用の約3倍です。 本当のところはどうなの? 人口減少や市の財政について、よくある質問と回答をまとめました。 疑問:今のところ普段の生活には影響を感じません。何が問題なのでしょうか? 解答:将来、少子高齢化などにより税収が減るなか、医療や介護、施設維持にかかる費用が膨らむことが想定されています。今のうちからさまざまな対策に取り組まないと、公共サービスを維持することができなくなる恐れがあります。 疑問:市の赤字が続くとどうなるのですか? 解答:市の借金が返済できなくなると、会社の倒産に例えられる「財政再生団体」に指定されます。指定されると、財政を立て直すために、増税や使用料の値上げなどに加え、市民サービスの削減が行われることになります。 疑問:お金がないのなら、職員の人数を減らして人件費を削減すればいいのでは? 解答:職員数の見直しを進めた結果、きよたけ町との合併で職員数がピークとなった平成22年の2663人から179人を削減しています。一定の基準で算出した平成27年4月現在の人口1万人当たりの職員数は53・36人と、中核市の中で4番目に少ない団体となっていますが、今後も最小の経費で最大の効果が得られるよう、引き続き職員数の適正化に取り組みます。 職員数 平成22年 2,663人 平成28年 2,484人 宮崎市では6年間で179人の職員を減らしています。 疑問:この広報紙をカラーにしたこともお金が掛かっている原因では? 解答:2年ほど前にリニューアルするまでは、広報紙は平均26ページでカラーは6ページしかなく、イラスト作成と印刷を除いては全て職員が作成していました。現在は32ページのオールカラーで印刷し、制作のほとんどの工程を印刷会社と協働で行っていますので、費用は1部当たり1・9円上がりました。しかし、職員の作業量が減少したことで、担当する職員2名を減らすことができ、予算は大幅に削減しました。 子どもたちのためにできること 次世代を担う子どもたちに大きな負担を掛けないようにするには、さまざまな工夫や市民の皆さんの協力が不可欠です。市の取り組みを説明します。 主な取組み① 支出を減らし収入を確保! 公共施設は最適な量を持ち続けることとし、ランニングコストの削減や使用料などの見直しなどを進めます。 大切な施設はまとめて新しく!! 老朽化した地域の施設を統合 青島地域複合型防災施設  青島地域の公共施設は、南海トラフ巨大地震が発生した場合、津波による大きな被害が想定され、災害時の活動拠点として機能しない恐れがあります。市では、建築後30年を超え、大規模な改修時期を迎える4つの施設(青島地域センター、青島保育所、青島児童センター、青島公民館)を統合した、複合型防災施設の整備を進めています。なお、4つの施設を個別に建て替えるより、約1億8,000万円の経費が縮減できると試算しています。 他にもこんな対策を進めます 支出を減らす 市役所第四庁舎立体駐車場 廃止  市役所第四庁舎立体駐車場は、平成28年度までに6000万円の修繕費が必要だったことから、今後も保有することが適切かを検討。廃止し、民間駐車場を活用することで、年間300万円以上の支出を減らすことができました。 収入を確保 旧宮崎市南消防署大塚出張所 売却  建設から30年以上が経過した旧宮崎市南消防署大塚出張所は、既に消防出張所としては使用されていなかったことから、売却を決定。売却で得られる収入は、防災拠点である消防庁舎の長寿命化を図る事業に充てます。 施設の名称を売却  本市では今後、施設や公園などに企業名などを命名できる制度を導入していきます。県内では、メディキット県民文化センター(宮崎県立芸術劇場)、KIRISHIMAヤマザクラ宮崎県総合運動公園(宮崎県総合運動公園)などがあります。 さまざまな工夫や見直しで健全な財政運営に努めます! 財政課 公共施設経営室 主査吉瀬晋司 水道料金を10月1日から改定します!  宮崎市上下水道局では、水道料金(簡易水道料金を含む)を平成28年10月1日の使用分から改定します。今回の改定にあわせ、口座振替の方は2か月分の一括払いか、毎月払いを選択することができるようになります。 疑問:どうして改定するのですか? 解答:南海トラフ巨大地震に備えた水道管の耐震化や、老朽化施設の更新に多額の費用が必要です。また、将来にわたり安全で安心な水の安定供給を維持するために必要な改定です。ご負担をお掛けしますが、ご協力をお願いします。 上下水道局財務課 経営戦略室長 渡辺俊輔 主な取組み② 新たな価値を創出します! 民間事業者のノウハウを活用し、サービスを強化させることで、まちの魅力を高め、稼ぐ力を向上させます。 民間と協力してファンを拡大!! 新しいビーチの楽しみ方を提案 青島ビーチパーク  青島海水浴場の利用者は減少し続けていて、天候不順の影響もあり平成26年は約7万人にまで落ち込んでいました。市では、青島地域の魅力を再び取り戻すために民間事業者と連携し、平成27年7月に青島ビーチパークが誕生。海水浴場には約2か月で17万人もの人出があり、大きな話題となりました。今年はゴールデンウイークから営業を開始。マリンスポーツやヨガ、食事など、海水浴以外でも海を楽しもうという動きが広がっています。 他にもこんな対策を進めます 雇用を生み出す  若い世代や移住者の受け皿となる、雇用の場をつくり出します。特に、中心市街地にはICT関連企業を中心としたクリエイティブ産業を集め、若い世代が魅力を感じるように環境を整えます。 企業も集まって連携!  中心市街地ではICT関連企業などが集まり、人材の確保や育成、PR活動などで連携しています。 農産物をブランド化  新たに農業を始める人材の育成や、ICT(情報通信技術)を活用して農業の省力化や大規模化を図って、品質や生産性の向上を後押しします。豊富な農産物を生かしたフードビジネスを推進します。 商談会で販路も開拓!  農産物を売り込む商談会を開催。市の農産物の魅力をアピールしています。 移住者を増やす  宮崎市に移住したいという人のニーズに応えるため、住まいや仕事などに関する相談の受け付けや移住セミナーの開催などのほか、移住者に関する情報を発信しています。 コンシェルジュが対応  宮崎市移住センターには移住コンシェルジュが常駐。移住希望者のさまざまな相談に丁寧に対応しています。 民間事業者と協働して青島に新たな価値を生み出します! 観光戦略課 主査長友亮 特集に関するご意見をお寄せください アンケートフォームはコチラ