===================942text12=================== 明日を見据える注目の人財をピックアップ キラリ! いしい ひでみ さん 宮崎大学大学院 地域資源創成学研究科 海洋汚染の実態を砂浜から実感  マイクロプラスチック(5ミリメートル以下のプラスチック。以降MPs)が、海洋汚染に影響をおよぼしていると世界的に問題視されています。3月まで宮崎大学地域資源創成学部に在籍していた石井秀海さんは、九州の汚染状況をまとめ、日本地域政策学会で会長賞を受賞しました。「海洋生態系の研究に興味があって、戸敷浩介先生の研究室に入りました。1年上の先輩が海洋MPsについて研究しており、私が先輩の調査方法を引き継いで研究をブラッシュアップしました」と石井さん。研究では、宮崎市と北九州市の7海岸5地点35か所で汚染の実態や地域差について調査。MPsは、内陸から出ているものも多いです。そのため工業が盛んで人口が多い都市の海岸に多いのは、予想通りでした。1か所たったの60センチメートル四方・表層5センチメートルの砂浜から、多いところはMPsが約3000個もあり、数えるだけで丸二日かかったこともあったとか。九州でこのような調査をする人が少ないことと、地道な作業をていねいに行った努力が認められて今回の受賞に至りました。「今では海を見ても、美しさではなく汚染が気になるようになりました。でも調査が楽しくて。4月からは大学院に進んで研究を深めています」。今後は、九州内の他の地域の状況も調べたいと意欲を燃やしています。 砂浜でふるいにかけて5ミリメートル以下のものを持ち帰る。持ち帰ったものは木片などを取り除き、さらに4種類のMPsに分類して数を数えるため、作業に根気が必要だ。 「サンプル採集でさまざまな海岸に行くのも楽しいし、結果が分かりやすいのもいいです」と石井さん。 プロフィール 福岡県北九州市出身。2018年宮崎大学入学。2020年から海洋プラスチックの研究を開始。2021年6月に日本地域政策学会第20回研究大会で会長賞、同年9月、環境科学会2021年会において優秀発表賞を受賞。現在は宮崎大学大学院地域資源創成学研究科に在籍。