===================945text11=================== 明日を見据える注目の人財をピックアップ キラリ! かとう ともひろさん 国際学生科学技術フェア日本代表 木材透明化の研究を深め環境改善に役立てたい  国際学生科学技術フェア(ISEF)は、世界各地から選ばれた約1700人の高校生が、自らの研究を披露し合うコンテスト。毎年5月にアメリカの都市で開催されます。その日本代表として参加したのが、宮崎西高校3年生のかとう ともひろさんです。加藤さんが実験や研究を始めたのは、高校の化学部に入ってから。「1年生では、部員3人で共同研究に挑戦し、2年生でかねてから関心があった、木材透明化の研究に取り掛かりました」と加藤さん。挑んだ研究は「過酸化水素水を用いたリグニンの改質」。昨年1月に、メリーランド大学の研究チームが発表した論文を読んだのがきっかけでした。「これまでの透明化研究と比べて廃液処理を必要としない点が画期的でしたが、これからさらに有害なトルエン系を使用しないなどの改善をして環境負荷を軽減ができないかと思いました」。9か月かけた研究は行き詰まったときもあったものの、偶然試したことをきっかけに、環境負荷がより少ない独自の方法の確立に成功。この研究が第65回学生科学賞で旭化成賞を受賞し、ISEF日本代表のチケットを手に入れました。「今年、より厚い木材での透明化を成功させ第66回学生科学賞に挑戦します」と闘志を燃やす加藤さん。探究はまだ続いています。 加藤さんと部顧問の中原重弘先生。「代表になれたのは本校がスーパーサイエンスハイスクールの認定校のため高額な実験装置が使えたことと顧問の先生の協力が大きいから」と感謝する加藤さん。 透明化したプレートを手に説明する加藤さん。ISEFには東京からオンラインで参加したそう。 プロフィール 宮崎西高校3年生。1年時に第64回日本学生科学賞の県審査で宮崎県知事賞を受賞。2年時に第65回日本学生科学賞にて県代表に選ばれ旭化成賞を受賞。昨年12月にISEF日本代表に決定。代表14人の一人として今年5月に研究を発表。