===================947text0405=================== 特集1 「フェリーたかちほ」&「フェリーろっこう」 新船2隻を大解剖!! 今年4月に就航した新船「フェリーたかちほ(以下たかちほ)」に次いで、10月4日には新船「フェリーろっこう(以下ろっこう)」が就航します。宮崎カーフェリーの50年の歴史を振り返りながら、宮崎と神戸を結ぶ旅客船として、また宮崎の農畜産物を輸送する貨物船として、『宮崎経済の生命線』としての役割を担っているフェリーのはたらきを紹介します。 新船「たかちほ」と「ろっこう」 設備や機能が充実!! 「宮崎から神戸」航路は2隻が交互に毎日運航しています。新船「たかちほ」に続き、もう1隻の旧船も10月4日に新船「ろっこう」へと交代します。新船は個室数の増加やイベントステージの設置など、さまざまな点で充実しています。 運航ダイヤ 宮崎から神戸 毎日 午後7時10分発 翌7時30分着 神戸から宮崎 月曜から土曜 午後7時10分発 翌8時40分着 日曜 午後6時発 翌8時40分着 4月15日にひと足先に就航した新船「たかちほ」。出航式には多くの人が集まり、新船「たかちほ」の就航をお祝いしました。 個室が増えた客室 プレミアムツイン 充実した設備を整えたホテルのような客室です。 プレミアムバリアフリー 車いすでも快適に過ごせるバリアフリー対応の客室です。 ファーストwithペットツイン 大切なペットと一緒に過ごすことができる客室です。 船旅を楽しむ設備 イベントステージ 生バンドの演奏など、さまざまなイベントが開催されるステージ。 ラウンジ 客室以外でもゆったりと船旅の時間が楽しめるラウンジ。 キッズコーナー ファミリー層にうれしい、子どもが安全に遊べるキッズコーナー。 レストラン 宮崎の食材や郷土料理を楽しめるバイキングスタイルのレストラン。 パウダールーム 新船で新たに設置した女性専用のパウダールーム。安心して身支度を整えられます。 スタッフのオススメポイント!! 新しい船旅を体感しませんか 新船で新たに設置したイベントステージでは、これまで音楽ライブや七夕の短冊飾りイベントなどを開催。また、自治体と連携したイベントでは物産販売コーナーに変身!いずれも乗船された多くのお客さまに楽しんでいただきました。これからますます、季節やイベントによって、船旅が楽しく進化します。 宮崎カーフェリー株式会社 旅客業務部 わたなべ さきさん 乗船した方にインタビュー!! 生まれ変わったフェリーを満喫しました 旅行とビジネスとで新船と旧船のどちらにも乗ってきました。新船はお風呂場のシャワー間に仕切りができていて、浴室全体も広々とした感じでのびのびとできました。また、アメニティが脱プラ化し紙包装になっているなど環境への取り組みも感じました。 たかお ともあきさん 宮崎の長距離フェリー航路の歴史 1971年3月から2005年6月 宮崎初のフェリー航路誕生 日向市の細島港に川崎航路を開設 当時「海のバイパス」として九州から関東へ唯一直通できる本航路は、渋滞を回避できる輸送手段として大変重宝されました。 1971年6月から1998年5月 神戸航路の開設 1972年5月から2014年9月 大阪航路の開設 1974年3月 国内最高速のフェリー就航 高千穂丸・美々津丸の就航 宮崎が新婚旅行先として人気が上がり、新婚客を含め、多くの観光客が本航路を使用して宮崎の地を訪れました。 1974年3月から1982年1月 広島航路の開設 1987年 宮崎港開港 1990年4月から 宮崎港への移転 細島から大阪航路を宮崎から大阪航路に変更 南九州の流通拠点・リゾートの玄関口として宮崎港にカーフェリー岸壁等が整備されました。 1998年 神戸航路休止 2002年2月から2005年6月 宮崎から川崎航路で、和歌山県、那智勝浦港へ寄港開始 2002年4月から2005年6月 細島から川崎航路で、高知港へ寄港開始 2004年10月から2006年6月 貝塚(大阪)航路の開設 2014年10月から現在 神戸航路の復活 宮崎から大阪航路を宮崎から神戸航路に変更1998年まで運航を続けていた神戸航路が、神戸港の再開発にあわせて、16年ぶりに「宮崎から神戸」航路として復活し、現在運航されている航路になりました。 新船就航! 2022年 4月15日に新船「たかちほ」が、10月4日に新船「ろっこう」が就航。旧船に比べ、トラックの輸送台数や客室の個室を大幅に増やすなど、新しい設備を充実させた新船となり、「宮崎経済の生命線」として、さらなる活躍が期待されています。 運賃など詳しい情報はこちら 宮崎の産業活性化に向け、平成2年に細島から大阪航路が細島港から宮崎港に移転され、宮崎港を中心に高速道路とのアクセスを考えたインフラ整備が進みました。それから長年にわたり、旅客・物流の両面で多くの方々に利用していただき、親しまれてきました。これからも宮崎の経済に貢献し、また、買い物や観光など日常でフェリーを使っていただける存在になっていきたいと思います。 宮崎カーフェリー株式会社 相談役 くろぎ まさのりさん ===================947text0607=================== 新船と旧船はココが違う! 船が大きくなっただけでなく、旅行客や貨物トラックの利便性を考慮したさまざまな設備が備わっています。 旧船 新船 メモ 長さ 170メートル 194メートル 船が長くなることで、波の影響が少なくなり、船の揺れが軽減されました。 個室数 29室 216室 1人旅や家族、大切な人とプライベートな空間で過ごせる客室が増えました。ウィズコロナでも安全・安心な旅を楽しめます。 トラック輸送台数 130台 163台 繁忙期に乗ることができなかったトラックの受け入れも可能になり、より多くの貨物を運べるようになりました。 トラック用電源 101台分 130台分 乗船中のトラックに積まれた農畜産物を適温に保つために必要な電力を、フェリーから直接供給する電源設備が充実しました。 オートラッシングシステム なし 新設 荷崩れ事故などを防止するための車両固定作業を一部自動化した事で、作業の効率化を実現。車両の乗降時間が短縮され、利用者の利便性向上につながりました。 サイドスロープ なし 新設 トラックの乗降口を増やし、スムーズな乗降が可能になりました。 トラックドライバー専用個室 0室 110室 トラックドライバーが乗船中にゆっくり休息できるよう、専用の個室を新設しました。 豆知識 新船(たかちほ)ができるまで 1 鋼材切断 新船「たかちほ」建造に向け、加工開始。鋼材を切断、曲げ加工、溶接し、ブロック(船体のパーツ)を製作します。写真は1枚の鋼材を切断しているところです。 2 造船台へのブロック積み上げ 船体になるブロックを造船台に搭載する様子。ブロックをクレーンで積み上げていきます。 3 溶接 ブロックを溶接していきます。外装の製作は陸上で先に行います。 4 大まかな外装完成 大まかな外装工事を終え、塗装を行い、進水式を迎えます。 5 進水式 造船台で組み立てた船を初めて海に浮かべ、船としての誕生を祝い、航海の無事を祈ります。ここからは、海上で内装工事が進められます。 貨物輸送船としての役割 宮崎港は、県内の港でNo.1の取扱貨物量を誇っており、県内港湾の取扱貨物量の55パーセントを占めています。しかも、宮崎港で取り扱われる貨物のうち、なんと76パーセントをフェリーが輸送しているのです。そんな宮崎にとってとても重要な、フェリーの貨物船としてのはたらきを紹介します。 <県内の港・フェリーの取扱貨物量> 単位 フレート・トン(貨物の運賃の試算の基礎になるトン数のこと。貨物単位) 宮崎港 55.1パーセント 6488595 フェリー 76.2パーセント 4942760 その他 23.8パーセント 県内港湾全体の42パーセント 細島港 29.4パーセント 3463168 油津港 10.3パーセント 1213772 その他 5.2パーセント 合計11775372フレート・トン フェリーは、宮崎港の取扱貨物量の76パーセント、県内港湾の取扱貨物量の42パーセントの貨物を輸送しており、宮崎が外貨を稼ぐために必要不可欠な存在です。 ※宮崎県県土整備部港湾課「みやざきの港2022」の掲載データを基に作成。 <フェリーの輸送品目(令和3年度)> 品目割合別貨物量 上り便(宮崎から神戸) 農水産品 65.8パーセント 金属機械工業品 6.7パーセント 化学工業品 3.3パーセント 軽工業品 9.4パーセント 雑工業品 5.9パーセント 特殊品 6.2パーセント その他 2.7パーセント 品目割合別貨物量 下り便(神戸から宮崎) 農水産品 6.6パーセント 金属機械工業品 18.5パーセント 化学工業品 8.9パーセント 軽工業品 5.2パーセント 雑工業品 12.0パーセント 特殊品 45.0パーセント その他 3.8パーセント フェリーは、宮崎から都市圏に向け、多くの農畜産物を運んでおり、一次産業を基幹産業とする宮崎にとって、まさに“経済の生命線”。下り荷では、引越荷などの特殊品、雑貨、ゴム原料、機械などを多く運んでいます。 豆知識 フェリーによる海上輸送は環境や人にやさしい! 工場など から 納品先 工場など から 環境負荷の少ないフェリーや鉄道輸送に転換 から 納品先 トラックなどの陸上による貨物輸送を、環境負荷の少ないフェリーや鉄道輸送に転換することを“モーダルシフト”といいます。一度に大量の貨物を輸送可能なフェリーを利用することで、CO2の排出削減につながります。また、乗船中のトラックドライバーは休息を取ることができるため、労働時間の改善も図ることができます。フェリーによる海上輸送は、環境や人にやさしい輸送方法なのです。 県民フェリーとして“地域密着日本一”“おもてなし日本一”を目指して 新船が就航して約5か月がたちます。新船「たかちほ」には多くの方に関心を持っていただき、前年比で3倍のお客さまに利用いただいています。10月4日には新船「ろっこう」が就航します。新船2隻がそろって本当の“グランドオープン”だと思っています。県民のフェリーとしての自覚を持って、“地域密着日本一”“おもてなし日本一”を目指し、その姿勢を見せていきたいと思います。ぜひ、新船を機にゆっくりとした旅の時間を楽しんでみてください。太平洋の真ん中で夜空を見上げたり、波音に耳を傾けたり、潮風にあたるなど、陸では体験できない非日常を楽しんでもらいたいと思います。単なる移動のツールではなく、船に乗ることが目的になってもらえるフェリーを目指していきます。 宮崎カーフェリー株式会社 代表取締役社長 ぐんじ ゆきとしさん 13 気候変動に具体的な対策を 二酸化炭素が出る量を減らし、地球温暖化にストップをかける。 問い合わせ先 都市戦略課 電話40-1961 ファックス番号29-6547