===================951text11=================== 明日を見据える注目の人財をピックアップ キラリ! ひさなが そうたさん 本阿弥書店主催 第34回歌壇賞受賞 仕事場で起こっている小さな感動を共有できれば  新人歌人を発掘する登竜門とされている本阿弥書店主催の歌壇賞。昨年11月に発表された第34回歌壇賞に、宮崎大学農学部獣医学科6年生・久永草太さんの「彼岸へ」30首が選ばれました。久永さんが短歌を始めたのは高校生の頃。文芸部に所属し、短歌の全国大会牧水・短歌甲子園に出場したのがきっかけでした。「俵万智さんに講評してもらいたくて。それ以来大学でも短歌会に所属し、さまざまな短歌賞に挑戦してきました。歌壇賞は在学1年から3年まで出し続けて、今年3年ぶりの応募での受賞でした」とはにかみます。今回応募した作品のうちほとんどは、獣医学科学生だから詠めるものにしたという久永さん。独特な言葉が多くなるため詠んでも理解されにくいだろうと思っていたことに、6年生になって敢えて挑戦。久永さんしか詠めない世界観が評価されたようです。「その職業の人だから分かる、普段は見ることができない現場で起きている小さな感動を31文字のなかで共有していきたいです」と久永さん。卒業後は県内の動物病院で獣医として働くのだそう。「獣医の歌人は珍しい。職業にまつわる歌『職業詠』を自分の足跡として詠み続けながら、宮崎を盛り上げるひとりになれれば」と短歌人になる思いを語ってくれました。 「普段からスマートフォンのメモ機能に言葉を書き留めておいて、締め切り前に一気に作ります。今回も1か月で60首つくったなかから30首に絞りました」と久永さん。 歌壇賞受賞報告のため、12月2日に宮崎大学農学部の國武久登学部長を表敬訪問。 プロフィール 宮崎市出身。現在宮崎大学農学部獣医学科6年生。宮崎西高校2年生のときに文芸部に入部。3年生で日向市主催の牧水・短歌甲子園に出場し準優勝。大学進学後も大学の短歌会に所属し、令和3年「ニシタチ歌集化プロジェクト」を企画。令和4年歌壇賞受賞。