特集1 マチナカの挑戦 日本で一番「挑戦できるまち」へ!  市では、中心市街地(マチナカ)で3,000人の雇用創出を目指す“マチナカ3000”プロジェクトに取り組んでいます。ここでは、マチナカで挑戦する皆さんをご紹介します。 問い合わせ先 商業労政課 電話21-1792 ファックス番号28-6572 “マチナカ3000”プロジェクト  中心市街地にICT、広告、デザインなどクリエイティブ産業の雇用を創出する取り組み。平成27年から10年間で3,000人の雇用を増やし、その経済活動により地域経済の活性化を目指しています。 雇用創出目標数の推移(いずれも累積数) 平成27年度 実績 608人 平成36年度 3,000人 10年間で3,000人の雇用創出 目標値3,000人の内訳 企業誘致 1,700人増 ベンチャー企業誘致 300人増 創業支援 1,000人増 マチナカで働く移住者を応援!  マチナカの誘致企業で働く若者が、マチナカの空き家に移住する場合、家賃の一部を助成しています。 チャレンジ! あらゆる挑戦を後押し! 経営やまちづくりの経験豊富な人材が集まり、宮崎で挑戦する人を後押し。創業支援や人材育成で多くの成果を生んでいます。 ◎関連記事→10ページ チャレンジ! 多目的空間が刷新! 若草通商店街の一角に、企業から学生まで幅広い人が多目的に活用できる空間が誕生。コミュニティ創出を後押ししています。 ◎関連記事→11ページ 企業を支援!  中心市街地の対象地域にある空きビルなどを賃借して、情報サービス業などの事業者が新たにオフィスを設置するなどの際に、家賃などを助成しています。 チャレンジ! ビジネスが発芽中! 平成28年9月にリニューアルした「みやざきスタートアップ ハブ」では、創業を志す人材が新しいビジネスのアイデアを練り上げています。 ◎関連記事→8ページ チャレンジ! 若手有志が奮闘中! 中心市街地で月2回のごみ拾いを続けながら、子どもたちへの絵本の読み聞かせや、高校生と社会人の接点を作るなど活動中です。 ◎関連記事→10ページ チャレンジ! ICT企業が続々進出! 中心市街地には57社のICT企業が集積。昨年11月に市出身者が役員を務める企業が若草通に拠点を開設しました。 ◎関連記事→9ページ チャレンジ! 市外出身者が拠点開設!! 市外の事業者が、立地のよさや快適な事業環境を求めて、中心市街地に事業所を開設するケースが生まれています。 ◎関連記事→9ページ チャレンジ! 宮崎大学まちなかキャンパスが若草通に! 宮崎大学まちなかキャンパスが、1月末に若草通商店街に設置予定。マチナカと大学の新しい交流拠点が誕生します。 ◎関連記事→11ページ ICT企業の集積を地元産業の活性化や雇用創出につなげたい  なぜ「マチナカ3000」の取り組みが求められるのか、総合人材サービス会社の小川智矢さんに聞きました。 経験を積んだICT人材が集積  宮崎市には、成長著しい地元企業や、全国に先駆けて支店やコールセンターを構える県外企業が集まっています。東京など都市圏では「宮崎市=ICT(※)で盛り上がっている地方都市」という認識が浸透しつつあります。他の地方都市でもICT企業の誘致が進んでいる中で、これは宮崎市の持つメリットだといえます。  また、経験者を採用しやすくなったのもポイントです。まとまった数の従業員を抱えるICT企業では、一定の割合で転職や独立を志す経験者が出てきます。ICT企業にとって、経験者を採用できるチャンスに恵まれている宮崎市は、他の都市よりも魅力的に映るのではないでしょうか。 県内経済への高い波及効果に期待  これからのテーマは、集まった人材やICTの力を使って、地元の産業をどう活性化できるかだと思います。農産物や海産物などの地域資源を県外に販売して外貨を稼ぐことは重要ですが、地元の単一企業だけで取り組むには難しい面があります。そこでICT企業と連携し、販売促進や広告宣伝を行ったり、ICT人材などクリエイティブ産業の雇用が生まれたりすれば、県内経済への波及効果が高まることが期待できます。地元の若者やUターン希望者に、幅広い就職の選択肢を提供することにもつながるでしょう。 ※ICTとは…コンピュータやインターネットなど情報通信技術や産業、サービスなどの総称のこと。 株式会社インタークロス 小川智矢さん 我ら!マチナカチャレンジャー!  マチナカには今、拠点を構えるICT企業の人材や新たなビジネスを志す人など、さまざまな活動をしているチャレンジャーがたくさんいます。 みやざきスタートアップ ハブ 橘通東4-7-28TOKIWA30ビル2階  市が開設した創業サポート室。高千穂通りに面したオフィスビルの一室を、創業を志す人や創業して間もない人に原則1年間無料で貸し出し、専門家が創業や経営を支援している。入居するには一定の要件があり、現在は7人の会員が入居中(平成28年12月末現在)。 宮崎だからこそできることはいっぱいあります!! しみず けんたろうさん(40歳) ITを活用した資金調達で、生産者の農産物販売や新規就農者の支援をしたい! うんの みくさん(35歳) 事業者や個人向けイベントの企画立案を実施。事業者の夢を後押しする! ふくだ まさおみさん(51歳) 看護・福祉の経験を生かし、子育て中の母親や介護する人をケアしたい! さかもと まきこさん(60歳) 障がい者のアート作品を商品化し、その素晴らしさを広めたい! たつの つみきさん(35歳) 歌って覚えるオリジナルの英単語学習教材を開発。宮崎の国際化に貢献する! とうごう つよしさん(34歳) ウェブ制作やマーケティングで培った技術で、宮崎の良いものを発信する! からしま いくよさん(42歳) 発達障がいや学習障がいなどを持つ子どもたちの学習をサポートしたい! 入居のきっかけは? とうごうさん 私はウェブサイト制作やシステム開発を手掛けているのですが、そのスキルを生かし、新たに東京の企業などと提携して、宮崎で挑戦する人たちを応援できるような仕組みを作りたいと思ったんです。 からしまさん 私は5年間、子育てサークルを運営していたのですが、特別な支援が必要な子どもたちにもっと学べる場を提供したいと思い、法人化を目指して入居を決めました。 たつのさん 私の入居のきっかけは、昨年始めた英語学習教材事業です。東京の出版社などと連携したいという思いで入居しました。 どのあたりに入居のメリットを感じていますか? とうごうさん 年齢も事業内容も違いますが、入居者の課題は共通しているので、お互いに情報交換できます。「こういうときは税理士さんに相談かな?」といった具合ですね。 たつのさん そうですね。お互いに知らない知識を補い合えるのもいいなと感じています。 からしまさん 先日は辰野さんにパソコンの設定を手伝ってもらい助かりました(笑) とうごうさん 私もそうですが、仕事上でも入居者同士で協力し合う事例が生まれています。相乗効果は大きなメリットです。 これから挑戦しようと考えている人にアドバイスをお願いします。 からしまさん 宮崎には情報が少ないと思っていましたが、今はインターネットがあるので情報収集や遠方にいる人との会議も簡単です。都会だとか田舎だとかは関係ないと思います。 とうごうさん 私も入居当初は、何でも宮崎だからできないと思いがちでした。でも、都会にいると埋もれがちな個人でも、宮崎にいると業界の著名な人ともつながりが作りやすかったり、応援してもらいやすかったりします。地方の方がむしろ有利だと感じます。 たつのさん 私も同じです。宮崎にいながら、東京やアメリカの人と一緒に仕事を始めています。宮崎でもできることがいっぱいあることを示していきたいですね。 サイコンピュータ株式会社 川原町5-10ミネックス川原7階  平成27年に市が開設した創業サポート室(現みやざきスタートアップ ハブ)に入居後、平成28年に事務所を開設。障がい者支援施設の事務作業効率化に役立つシステムの開発や、ウェブサイト制作などの事業を行っている。 もっと雇用を生み出して地域に貢献していきたい! いわき たけしさん(33歳) 延岡市出身。雇用も事務所も拡大し、事業を大きくしていきたい! 延岡市から宮崎市に拠点を移した理由は? 岩木さん きっかけは宮崎市のお客様と取引が始まったことです。宮崎市で拠点となり得る場所がなく、訪問のたびにホテルを利用していました。ただ、それではコストが掛かるため、いいところがないかと探していたところ、創業サポート室の話を知り、入居を申し込みました。 入居してどんなメリットを感じましたか? いわきさん 創業後間もない状況でしたので、使用料が無料だったことが何より助かりました。また、市外出身でつながりのなかった私にとっては、入居者の皆さんはもちろん、そこから別の人につながり、関係を築けたケースもあってよかったと思います。 これからどんな挑戦をお考えですか? いわきさん 少しずつスタッフが増えてきましたので、より広い事務所に移転しました。これからも宮崎市を拠点に、県外へも営業活動の範囲を広げ、地域に貢献できるようにがんばりたいと思います。 株式会社サーチフィールド 橘通東3-6-34クロノビル2階  イラスト・漫画の制作代理事業や、地域に特化したクラウドファンディング(不特定多数の人からインターネットで資金調達を行う)サービス「ファーボ」を運営する東京の会社。平成28年11月に若草通に事務所を開設。 次々に挑戦者が生まれるムードを生み出したい! さいとう りゅうたさん(32歳) 宮崎市出身。14年ぶりにUターンして、宮崎のチャレンジャーを応援します! こばやし たくまさん(32歳) 代表取締役。宮崎市を拠点に、地域のビジネスを後押ししたい! 東京に本社を置きながら宮崎に事務所を開設した理由は? こばやしさん クラウドファンディング「ファーボ」は地域に特化したサービスなので、いつかは地方に拠点を移したいと思っていました。もともとこのサービスを始めたのが宮崎だったのと、取締役であるさいとうが宮崎市出身だったことも理由です。 東京からスタッフが移住されたそうですね。 さいとうさん はい。宮崎市出身の私と、東京出身の1名が移住しました! 宮崎で挑戦したいこととは? さいとうさん 私たちは規模の小さいベンチャー企業ですが、東京には同様の規模で面白いことをしている会社が他にもたくさんあります。そういう人たちを若草通にもっと集めたいですし、宮崎に有名な人や企業をどんどん呼んで、地元から「私もやってみたい!」とチャレンジャーが出てくるようなムードを生み出していきたいです。 「1勝99敗」の精神で挑戦を! みやざきスタートアップバレー  大学講師や企業経営などに携わる有志が集まり、宮崎の起業家を支援するために平成27年から活動を開始。現在では大手企業や、他県のまちづくり団体などと宮崎をつないだり、若手を育成したりするなど、幅広く活動しています。  「みやざきスタートアップバレー」は、宮崎を世界一挑戦しやすいまちにしようとの思いで、起業やまちづくりのための活動などに挑戦している人をさまざまな手段で支援しています。これまで国内外のまちづくりの現場を見ていますが、宮崎市の中心市街地には、創業を支援する施設や、経験豊富な人材がそろうなど、失敗しても再び挑戦しやすい環境が整いつつあります。特に若い世代には、「1勝99敗」の精神で挑戦を重ねてほしいですね。 さいとうじゅんいちさん(37歳) 奈良県出身。平成23年に宮崎にIターン後、全国各地で地域ビジネスのプロデュースを手掛けている。慶應義塾大学(非常勤講師)・MBA(経営学修士)。 多様な人が出会う場を創出! 宮崎ベースキャンプ  「宮崎のマチナカをもっと楽しくしたい!」という思いを持ったメンバーが集結。中心市街地で月2回のごみ拾いを行いながら、高校生と社会人が触れ合える機会をつくったり、マチナカでイベントを開催したりしています。  宮崎ベースキャンプでは、中心市街地を楽しめる場所にするため、月2回、さまざまな世代が集合し、マチナカのごみ拾いをしています。また、高校生などの若者に仕事や働き方を話す「ジョブカフェ」では、働くことや挑戦することに興味を持ってもらったり、「絵本の読み聞かせ」では親子で若草通に来てもらう機会を作ったりしています。これからも、チャレンジする姿勢を忘れず、マチナカを拠点に多様な人と出会う機会をつくり、若者の挑戦を応援していきたいですね。 つちや ゆうさん(36歳) 県外企業での上場企業取締役、起業などを歴任してUターン。宮崎市のIT企業で取締役などを務めたのち、現在は宮崎大学地域資源創成学部講師として教壇に立つ。 将来につながる多目的空間! どまんなかモール委員会  中心市街地商店街の活性化を目的に、平成17年に7商店街と5大型店が「あたかもひとつのショッピングモールのように」をコンセプトとして設立された有志団体。商店街の情報発信やイベントの企画・運営を行っています。  どまんなかモール委員会では、平成28年に若草通の「よってンプラザ」2階にコミュニティスペースをつくりました。これからの商店街は商売だけでなく、近隣の企業で働く人や学生など、さまざまな人と関わりを深めていかなければいけないと感じています。このスペースは、多くの人が勉強会や会議など多目的に活用し、いろんなつながりを持てる拠点にしていきたいと思います。集まった人から新しい発想や事業が生まれるとうれしいですね。 ふくだ よしのりさん(40歳) 中心市街地の活性化を目指す「どまんなかモール委員会」の7代目委員長。学生や団体、企業と商店街とを結び付ける橋渡し役として活躍中。 大学と市民の交流拠点が誕生! 宮崎大学まちなかキャンパス  平成29年1月末に若草通に設置予定。公開講座、イベント、研究発表などさまざまな活動の拠点として活用されます。社会人と学生との交流を進め、学生の成長につなげるほか、中心市街地の活性化にも役立てます。  宮崎大学では、研究者が興味深い研究を行っています。また、部活やサークルでがんばっている学生もたくさんいます。まちなかキャンパスは、そんな学内の人と市民の皆さんの接点をつくり、研究や練習の成果を伝えたいという思いで設置します。高校生や保護者の皆さんに大学の特徴や研究内容を知ってほしいと思います。公開講座やイベントなどさまざまな活動拠点として活用し、商店街のにぎわいにもつなげられるといいですね。 いけのうえ つよむさん(70歳) 平成3年に宮崎医科大学(現宮崎大学医学部)産婦人科教授に就任し、救命救急センターの開設やドクターヘリの導入に尽力。2015年10月から宮崎大学学長。 私たちはチャレンジャーを応援します! 中心市街地はチャンスの宝庫!  私は20年ほど前から中心市街地に住んでいるのですが、新たに店舗経営に参入する人や、若くして起業を志す人、新たな拠点を開設する県外企業が増えるなど、以前はあまり見られなかった変化を感じます。中心市街地で働く人が増えれば、昼間の人通りの増加につながり、飲食業やサービス業にも好循環が生まれます。この動きをリードしている若手チャレンジャーたちの存在は、実に頼もしい限りです。  そして願わくば、皆さんにはぜひ中心市街地の住人にもなってほしい。マチナカをわがまちとして、地域の将来を担ってほしいと思います。 宮崎市商店街振興組合連合会 よしだこうへい理事長 もっと挑戦しやすいマチナカの実現に向けて  日本は、人口減少社会に突入しています。日本創成会議の推計では、市の人口は2060年までに11万人減少すると予想されていますが、市としては、それを6万人の減少にとどめたいという目標を立てています。  推計と目標の人口差は5万人。定住人口一人当たりの年間消費額は約120万円とされていますので、人口5万人の差は、600億円の消費の差を生みます。  今後、急速に人口減少が進むことが予想される中、非常に高い目標ではありますが、私の愛する宮崎が、子どもや孫たちの世代にまで魅力的で、パワーを持つ「まち」であるために、責任を持って進めたいと考えています。 マチナカには多くの人・もの・情報が集まっています。 これらの資源を生かし、日本一挑戦しやすい場所にします! 宮崎市長 戸敷正