1 腸管出血性大腸菌とは
腸管出血性大腸菌とは、大腸菌の中でも毒素を産生し、出血を伴う腸炎や溶血性尿毒症症候群(HUS)を起こすもののことを言います。「O157」のほか、「O26」や「O111」などが知られています。
毎年、初夏から秋にかけて、O157等の腸管出血性大腸菌による感染症や食中毒の報告数が増加します。腸管出血性大腸菌の特徴、予防ポイントをよく理解し、感染しないよう日ごろからご注意ください!
2 主な症状
- 潜伏期間は、2日~14日(平均3日~5日)
- 症状は、下痢や腹痛、水様便、血便(全く症状がなかったり、軽い腹痛や下痢のみで終わることもあります)
- 溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症など、重篤な合併症を発症することもある
- 下痢の時には、自分の判断で下痢止めを飲まないで、早めに医師の診察・指示を受けてください
3 感染経路
- 菌に汚染された飲食物を摂取する(生レバー、ユッケ等の生肉や加熱不十分の食肉が原因と疑われる事例が多い)
- 患者さんの糞便で汚染されたものを口にする(二次感染)
- 感染した動物に接触して感染する(牛などの反すう動物が多い)
- 菌に汚染された井戸水やプールの水などから感染する
4 特徴
- 幼児や高齢者がかかりやすく、重症化しやすい
- 潜伏期間が長い(2~14日、平均で3~5日)
- 熱に弱い(75℃1分の加熱で死滅する)
5 予防策
- 帰宅時、調理前や調理中、食事の前、トイレの後、動物に触れた後などには、石けんで手をよく洗う
- 食品はよく洗い、新鮮な材料を使う
- 食品はよく加熱する(子どもや高齢者は特に注意が必要)
- 特に食肉には注意し、中心部まで、75℃で1分以上加熱する
※焼肉やバーベキューの時などにも十分加熱を! - 調理器具は、使用のたびに洗剤でしっかりと洗う(熱湯や台所用漂白剤で消毒する)
- まな板やはしは、生肉などを扱うものとそれ以外に分ける
(参考)厚生労働省HP(腸管出血性大腸菌について、予防のための対策など)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/daichoukin.html