屋根のイメージ
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霧深い茶葉の産地、
高岡町一里山

西に霧島連山、南に鰐塚山地を見渡せる

宮崎市の最西部に位置する高岡町の一里山地区。西側には霧島連山、南には鰐塚山地を望む。
起伏の多い地形で、すぐそばを大淀川の本流が流れており、寒暖の差が激しいために一年を通して朝は濃い霧に包まれるそうだ。 こうした地の特徴はお茶栽培に適しており、深い霧が霜から茶畑を守ってくれるため、味に深みがある良質なお茶が育まれる。 一里山のお茶は、茶葉の蒸し時間が短い浅蒸しで、済んだ淡い緑色と豊かな香りが特徴だ。

宮崎市街地から車で国道を40分ほど走らせると、小林市とのちょうど境あたりに一里山の入り口がある。国道から入って少し進むと、防霜ファンや製茶工場の建物とともに、美しく整えられた茶畑の景色が現れる。空がスカッと抜けていて、はるか遠く霧島連山までを見渡せる。たてよこ規則的に並んだ茶畑の列が、淡い縞模様に見える。これは、茶葉の収穫時に摘採機が行ったり来たりするので、その進む方向によって色味の見え方が変わるのだそうだ。偶然的に生まれるこの縞模様と、遠くに見える山々の連なりとを眺めながら、深い深呼吸をしてみた。空気が美味しい。

春から秋、次々に表情を変える景色

もともと一里山は開墾地で、農地改革で移住者たちによって開かれた土地であり、現在でもその家族によって代々守られてきた場所だ。 時代とともに、麦や芋、たばこなど様々な作物が育てられてきた。茶畑はお茶の実を山から拾ってきて植えるところから始まったそうだ。

年に一度だけ、この地域にに多くの人々が集まる時期がある。3月下旬から4月の上旬にかけて一里山シバザクラ祭りというものが開催されるのだ。一里山地区をシバザクラの名所にという地域住民の熱い思いにより、苗の生産から植栽、維持管理までをすべて地域で行い、守り育てられている。祭りの期間中は、県内外から見学客が訪れ、毎年地域の特産物などの販売も行われる。鮮やかなピンクや白のシバザクラと新緑の茶畑との共演がみられるのはこの時期だけだ。

茶葉の収穫期は、一番茶が5月上旬頃で、その少し前の4月の下旬頃が茶畑が最も美しい時期なのだそうだ。それから、2番茶は6月上旬から中旬にかけて、三番茶は7月中旬から8月上旬頃、最後の秋番茶の収穫が9月中旬から10月中旬までになる。

一里山の美しい景色を見るには車での移動が必須だ。あくまでもここは農地ではあるが、一里山には民泊や天然酵母の美味しいパン屋さんもあるので、それらを頼りに散策するのも良いかもしれない。深い霧が立ち込める早朝の茶畑の幻想的な風景や一里山の香り豊かなお茶、そして緑美しい山里の澄んだ空気を味わいに、宿泊してゆっくりその機会を待ってみたい。

自然もごちそう

自然もごちそう

一里山

  • アクセス 国道268号を小林方面に向かう途中セブンイレブン野尻町紙屋店の手前、
    農機具販売所の角を左折
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