みんなの栄養宮崎ラーメン
仕込みは丁寧に、仕上げはテンポよく
宮崎神宮へ続く参道の入り口、大きな一の鳥居のそばに、昭和39年創業のラーメン店がある。店内に入ると、何人ものスタッフが厨房の中で忙しそうに作業している。どんぶりにスープが注がれ、麺、チャーシュー、メンマ、ネギ、さっと湯通ししたもやしがどさっと入る。最後に焦がしラードが入って完成だ。そのテンポの良さに思わず見入ってしまった。栄養軒のラーメンは、チャーシューもメンマも、麺も全て自家製。スープは豚骨ベースの醤油味で、見た目よりもあっさりしていて、モチモチの中太のストレート麺と良く合う。もやしもシャキシャキと良いアクセントになっていて、常連さんの中にはもやし多めとオーダーする人も多いそうだ。それから、ラーメンを注文すると必ずついてくるすっぱめの黄色いたくあんも箸休めにちょうど良い。店内を見渡すと、ラーメンとおにぎりをセットで頼む人も多いようだ。
麺デラ、肉デラ
ちょっと気になったのだが、お品書きに麺デラとか、肉デラ、Wデラと書いてある。これは麺多め、肉多め、どっちも多めということらしい。このお店独特の言い回しのようだ。それから学割ラーメン500円とある。この辺りは近くに学校も多く、お腹を空かせた学生さんたちにも優しいワンコイン価格だ。学生時代に慣れ親しんだラーメンを食べようと、帰省の度にお店を訪れる人も多い。ご近所の常連さんの中には、毎日来店するひともいるそうで、毎日食べても飽きがこないラーメンとも言えるのかもしれない。現在4代目を任される店主の瀬戸山さんは、「毎日来てくれる人がいるからこそ、変わらない味を続けることを大事にしたい」と話す。
地元ラーメンの味を守り続けて半世紀以上、今日もテンポよくたくさんのラーメンが作られている。