鮮度抜群、青島で魚介を食す

その日の朝に市場で直接買い付け

宮崎市青島、ここは堀切峠や青島神社などがあり、古くから観光地として賑わうエリアだ。国の天然記念物でもある鬼の洗濯板が続く海岸線や、ビロウ樹やアコウなどの亜熱帯植物が自生しており、南国の情緒に溢れている。そんな青島で美味しい魚介を食べられるお店があると聞いてやって来た。

ひで丸という漁船のような名前のそのお店は、地元の人や旅行者などでいっぱいだった。お昼に人気のひで丸定食は、贅沢な刺身の５点盛りに、焼魚、煮物、酢の物、小鉢、それにご飯とあさりの味噌汁がついてくる。かなり豪華だ。刺身を食べると、その鮮度の良さにびっくりする。それもそのはず、ひで丸の魚はお店のご主人自ら、その日の朝に市場で仕入れてくるのだ。

漁師の父に教えてもらったこと

ひで丸は、元々漁師だった店主のお父さんがはじめたお店だ。ひで丸というのは先代が乗っていた船の名前で、お母さんの名からつけられたのだそうだ。現在お店は息子の竹元一英さんと京子さん夫婦が継いでいる。

お店を手伝いはじめた当初は、何も調理経験がない状態だったが、魚の捌き方などを一から先代に習って今に至るのだという。朝4時に家を出て市場に向かい、せりが始まる前に仕入れる魚の目星をつける。数多く仕入れるスーパーなどに比べると、やや高値でも質の良いものを選ぶ。美味しい魚を選ぶ目利きも確かだ。 特別に魚をさばくところを見せてもらった。丸々太ったカツオをあっという間に捌いていく。美しい包丁捌きに15年という時間と、一英さんたちの努力の積み重ねを見たような気がした。