
豚だっておいしんだぜ

子どもからお年寄りまで食べられる柔らかさ
宮崎の豚肉はとても美味しいのだが、豚肉料理を極めたお店となると意外とないものだ。宮崎市街地から車で20分ほど行くと、そのお店「外山食堂」があった。宮崎市内のビストロや創作ダイニングなどで修行を積んだ店主が、3年前に生まれ育った場所でお店をオープンさせた。店内には、地元アーティストの作品が展示してあったり、子連れの家族にもうれしい座敷があったり、親しみやすくて居心地のよい雰囲気だ。

名物になるような豚肉料理を
トンテキは、丁寧にスジ切りをした豚肩ロースをジュッと炒め、特製ソースをたっぷりかけて絡めると、食欲をそそる美味しそうな香りが漂う。この特製ソースは、50種以上の素材をじっくり煮込んで、漉して寝かせて、丸2日以上かけて作られている。人気のトンテキ定食は、200gのボリュームで、食べきれるか…!? と一瞬怯んだけれど、見た目以上に優しい味わいのソースと、お肉もとても柔らかく気づけばぺろりと完食していた。

「鶏や牛肉は名物料理があるけれど、宮崎は豚肉だって美味しいから、何か名物になるような豚肉料理を作りたいって思ったんです」。にじみ出る豚肉愛と店主の朗らかな雰囲気に心がなごんだ。お店を訪れたとき、ちょうど近所のおばあさんが遊びに来ていた。子どもの頃から可愛がってくれたおばあさんなのだそうだ。地元の人たちに支えられ、地元を少しでも元気にできたら、とまっすぐな笑顔が印象的だった。
