夜のごちそう
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宮崎の家庭料理

ひぜん屋

ずらり、おばんざい

暖簾をくぐってお店に入ると、カウンターに並んだ美味しそうな料理たちが迎えてくれた。そのずらりと盛りよく並んだ様子に早くも心が踊る。卵焼きに肉じゃが、豚軟骨のみそ煮に、白和え、それから肉豆腐にポテトサラダに、ひょいとカウンターを覗くとおでんもある。ひぜん屋は、ちょっと一手間かかる家庭料理と、郷土料理が美味しい店として人気のお店だ。創業35年、現在は2代目の若い大将が切り盛りしている。常時15、6種類ものおばんざいと、地物の魚料理などが味わえる。魚は地元の漁師さんから、その日に獲れた魚を直接仕入れるため鮮度も抜群。その日の仕入れによってメニューが変わるため、お品書きはいつも開店前に手描きしているのだそうだ。

ひぜん屋

削りたておかかのおにぎり

コロッケは、肉じゃが味でソースを付けずに頂く。ずっしりと食べ応えのあるサイズだ。鶏そぼろと、ニラの入った甘い卵焼きは安心する味だった。白和えは丁寧にすられた胡麻の風味と、椎茸も入っていて食感も良い。寒い季節は、焼酎のお湯割りなんかと一緒に一品ずつ頂くと、じんわり味わい深い。一つ一つにボリュームがあるので、お腹がいっぱいになってきたように思ったが、大将の「うちはおにぎりも美味いですよ」の言葉に誘われ、おにぎりと味噌汁も頼むことにした。おにぎりの具はシンプルにおかかをチョイス。かつお節を削るところから始まる。大将の手で優しくしっかりと握られたおにぎり、パリッと海苔の風味と削りたての鰹節、真っ白でツヤツヤしたご飯の美味しいこと!一緒に出てきたアサリのお味噌汁も、これがまた格別に美味しかった。麦麹であっさりとしているが、奥行きのある味わいで思わずほおーっと声が出ていた。

ひぜん屋

元々ひぜん屋は、おかずのひぜん屋という仕出し屋がはじまりで、その料理をお店に持ってきて店内で提供できる様にしたのが、大将の叔母である先代の女将さんだったそうだ。高齢により現在の大将がお店を引き継いだ今でも、昔からの馴染みのお客さんがたくさん訪れる。この日もふらりとやってきたカウンターの常連さんと楽しそうに話す姿が印象的だった。このお店は、家庭の味を求めて単身者も多く訪れるため、カウンターに座った者同士で仲良くなったりするそうだ。あったかい家庭料理は、きっと人と人の心の距離を縮めてくれるのだろう。

ひぜん屋

夜のごちそう

夜04

ひぜん屋

  • 宮崎市高松町1-28
    ブラウン館ビル1F
  • 0985-28-6286
  • 営業時間 18:00〜24:00
  • 店休日 不定休
  • 朝のごちそう
  • 昼のごちそう
  • 深夜のごちそう
  • 自然もごちそう
食堂の窓のイメージ