夜の食堂
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宮崎の餃子史は黒兵衛にあり

黒兵衛

熱々餃子とビールで始まる夜

黒兵衛

一番街のアーケードを抜けた先に、宮崎市の繁華街「ニシタチ」を見守るようにそのお店はある。ギョーザ専門店と書かれた入り口をくぐって赤いカウンター席に腰掛け、瓶ビールと餃子を一皿頼んだ。カウンター越しに、店主が美しい手さばきで餃子を包んでいくのを眺めながら、フライパンから聞こえてくるジュージューいう音に耳を傾けていた。このお店のメニューは餃子のみ。こんがりキツネ色の熱々餃子と冷えたビール、夜の始まりはこんな感じがいいなぁと思った。

黒兵衛

満州からの引揚者だった先代は、餃子の製法を現地で習得し、宮崎県延岡市に餃子のお店を始めたそうだ。日本各地の餃子の生産地は、満州への派遣兵が多かった地域とのことで、思いがけず、戦後日本の餃子史を知ることになった。その後、1979年に息子である現在の店主が宮崎市にお店をオープン。以来40年、ずっと餃子一筋のスタイルを貫いている。それは、商売の手を広げるな、という先代の教えを大切に守っているから。全国にもファンを持ち、空港から直接この店に向かう人もいるそうだ。野球のキャンプの時期には選手たちもひっきりなしに訪れるという。

メニューは潔く、餃子のみ

黒兵衛

黒兵衛の餃子は、皮も餡も全て手作り。キャベツ・玉ねぎ・ニラ・にんにく・合挽肉がバランスよく、玉ねぎの甘さが旨味を引き立てている。皮はもちもちとパリパリが両方楽しめるように片面焼き。歯切れ良い食感の皮と、にんにくも独自の下処理で臭わないように工夫されている為、もう何個でも食べられそうだ。カウンターには常連さんや、わざわざ隣町から餃子を食べにやってきたという餃子通の紳士もいた。軽く餃子で一杯やって次のお店に行くもよし。ひたすら餃子を味わいながら夜を楽しむもよし。熱々餃子と、知的で親しみやすい笑顔の店主が迎えてくれる。

黒兵衛

店主の黒木さん。お店に立ち続ける為に毎朝マラソンをして体を鍛えている

夜の食堂

夜04

黒兵衛

  • 宮崎市千草町1-1
  • 0985-24-4268
  • 営業時間 18:00~翌2:00頃まで
  • 店休日 不定休
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食堂の窓のイメージ