ホーム宮崎市議会意見書・決議海洋ごみの処理推進を求める意見書

海洋ごみの処理推進を求める意見書

 

 昨年、全国各地を襲った台風と台風崩れの温帯低気圧は、甚大な被害をもたらした。中でも、氾濫した河川から流れ出た流木は、漁業被害をもたらし、海岸に漂着した大量の流木の処理に長期間を要する事態が発生した。

 以前には、海岸保全区域外での漂着物対策に「地域グリーンニューディール基金」を利用できたが、現在は「海岸漂着物等地域対策推進事業」だけで、しかもこの事業は災害対応を想定したものとはなっていない。

 海洋ごみは災害関連のものだけではない。平成27年のG7エルマウ・サミットにおいて、プラスチックごみによる海洋汚染が取り上げられ、海洋ごみ対策は世界的課題として初めて認識された。平成28年のG7伊勢志摩サミットにおいても、海洋ごみの発生抑制及び削減に向けて対処することが確認されている。

 海洋ごみは、国内外を問わず多様な地域由来のものが混在しており、市町村にとっては自ら発生抑制対策を行ったとしても問題解決につながらない状況にある。特に、海洋ごみの約7割は河川由来との指摘があり、河川管理者に任せられているごみ処理に加え、これらに対する発生源対策は重要課題である。

 そこで、政府においては、海洋ごみの処理の推進並びに発生抑制及び削減に向けて下記の事項に取り組むよう求める。

 

 

1 海洋ごみの主要な発生源となっている河川については、国管理河川以外の河川管理者の厳しい財政状況を考慮して国による新たな発生源対策を進めること。

2 地域グリーンニューディール基金のような市町村が機動的に活用できる海洋ごみ対策を進めること。

3 海洋プラスチックごみについては、国際社会と連携してその発生抑制及び削減に努めるとともに、マイクロプラスチックを含む海洋ごみの量・分布等の実態を把握するための調査をさらに推進し、国民生活への影響を回避するための研究を進めること。

 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

  平成29年3月17日

 

宮崎市議会 

内閣総理大臣

殿

環境大臣