本年2月22日に行われた日米首脳会談後に「日本には一定の農産品、米国には一定の工業製品というように、両国ともに二国間貿易上のセンシティビティ(重要品目)が存在することを確認し、両政府は、最終的な結果は交渉の中で決まっていくものであることから、TPP交渉参加に際し、一方的に全ての関税を撤廃することをあらかじめ約束することを求められるものではないことを認識する。」とした日米の共同声明を発表した。
しかし、米国が日本の農産品をそのまま聖域にする保証はない。
TPPは、農林漁業や農山漁村への打撃、食料自給率の低下だけでなく、食品添加物・遺伝子組み換え食品・残留農薬などの規制緩和により、食の安全が脅かされる。
また、日本国で守られてきた医療制度のほか、人の移動の自由や知的財産権の保護、投資の自由化、郵政や共済の同等性なども含まれており、国民の安心安全な生活や地域経済にも大きな影響を与える危険性を持っている。
政府は、国益と国内産業や国民に与える影響がどのようなものかを試算し公表する義務があり、正確な情報なしでの交渉参加への判断をすべきではない。
本市では、豊かな市民生活を得るため、基幹産業である農林水産資源に長期的展望で新たなビジネスを目指しており、また口蹄疫や鳥インフルエンザ被害からの復興に向けた取組みの中で、TPP問題は、この意欲さえ損なうものである。
宮崎市議会では、すでに平成22年12月と平成23年12月の議会でTPPへの交渉参加に反対の意見書を提出してきたが、政府には専権事項を盾にせず、正確な情報開示と十分な精査を行い、国民的な理解を得る最大限の努力をするよう求め、TPP交渉に参加をしないことを強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成25年3月7日
宮崎市議会
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
外務大臣
財務大臣
厚生労働大臣
農林水産大臣
経済産業大臣 殿