脳脊髄液減少症は、交通事故、スポーツ、落下事故などにより頭部や全身を強打することで、脳脊髄液が漏れ続け、頭痛、首・背中の痛み、腰痛、めまい、吐き気、視力低下、耳鳴り、思考力低下、倦怠感など様々な症状が発症する疾病である。
医療現場においては、このような症状の原因が特定されない場合が多く、患者は「怠け病」あるいは「精神的なもの」とも判断されてきた。この疾病に対する有効な治療法として、自分の血液を採取して脊髄の硬膜外に注入するブラッドパッチ療法は、保険適用外のため1回につき20万円から30万円の費用がかかり患者に大きな負担となっている。
また、診断・治療基準も定まっていないため、患者本人の肉体的・精神的苦痛はもとより、患者や家族の労苦も計り知れないものがある。
よって、国においては、以上の現状を踏まえ下記の事項について適切な措置を講じられるよう強く要望する。
記
- ブラッドパッチ療法の治療基準を速やかに定め保険適用とすること。
- 「脳脊髄液減少症の診断・治療の確立に関する研究」を平成25年度以降も継続し、「診療ガイドライン」の早期作成とともに、子どもに特化した研究及び周辺病態の解明を行うこと。
- 脳脊髄液減少症の実態調査を実施し、患者・家族に対する相談及び支援体制を確立すること。
- ブラッドパッチ療法に関する「先進医療」認定施設の設置を推進すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成25年3月15日
宮崎市議会
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
文部科学大臣
厚生労働大臣
国土交通大臣 殿