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次代を担う若者世代支援策を求める意見書

 世界銀行が今年(平成24年)10月に発表した世界開発報告によると、欧州危機などによる世界の失業者約2億人のうち4割は25歳未満の若者である。

 一方、国内においても完全失業率を年齢階級別にみると平成23年では15~24歳が8.2%(総務省統計局:労働力調査)と最も高く、20年前と比べると2倍近い結果となっており、若者にとっては依然として厳しい雇用環境が続いている。

 若者世代が安定した職を得られなければ家庭を築くこともできず、未婚化による更なる少子化から、将来的に社会保障制度を支える人が少なくなることも懸念される。若者世代が経済的に自立できるかどうかは、将来の国の発展に直結する課題である。

 国内の労働市場は高齢化による縮小が予想され、主に大企業では新規採用を抑える一方で、グローバル化の対応から人材を海外に求める傾向を鮮明にしている。もはや若者の雇用不安は、個人の努力で乗り越えるというより、就業における構造的問題に陥っている。また、非正規雇用の拡大で若者世代の経済基盤が弱くなっていることから、まずは「非正規」でも一定の生活ができるよう正規・非正規の処遇格差の解消を図ることや、成長産業を中心とする雇用創出策が急務である。

 次代を担う若者世代が社会で活躍できる人材となっていくかどうかは、厳しい雇用環境の改善のみならずワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)の実現に向けた抜本的改革にかかっていると言っても過言ではない。

 よって政府においては、これらの諸課題を総合的に取り組む「若者雇用担当大臣」を設置し、国家戦略として幅広い「若者世代支援策」を実施することを強く求める。

  1. 環境や医療・介護、農業、観光といった新成長産業分野をはじめ、産業全体における雇用創出策を集中的に行うこと。
  2. 非正規労働者から正規になりにくい状況から正規・非正規の処遇格差の解消を進め、厚生年金や健康保険問題も含め、非正規でも一定の生活ができるような仕組みを構築すること。
  3. 「ワーク・ライフ・バランス」が社会で確立されるよう関連する法整備や、仕事、家庭、育児を持続可能とする環境づくりを強力に推進すること。
  4. 上記課題を総合的に取り組む「若者雇用担当大臣」を設置し、若年雇用対策を中心とした国家戦略として具体的に推進すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成24年12月12日

宮崎市議会

  内閣総理大臣
  厚生労働大臣
  経済産業大臣
  国家戦略担当大臣 殿

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