HPV(ヒトパピローマウイルス)感染が主な原因である子宮頸がんは、「予防できる唯一のがん」と言われている。年間約1万5000人が新たに罹患し、約3500人が亡くなっていると推計されているが、近年、若年化傾向にあり、死亡率も高くなっている。結婚前、妊娠前の罹患は女性の人生設計を大きく変えてしまいかねず、子宮頸がんの予防対策が強く望まれている。
子宮頸がんの予防対策としては、予防ワクチンを接種すること、及び予防検診(細胞診・HPV検査)によってHPV感染の有無を定期的に検査し、前がん病変を早期に発見することが挙げられる。
昨年、子宮頸がん予防ワクチンが承認・発売開始となり、ワクチン接種が可能になった。費用が高額なため、一部の自治体ではワクチン接種への公費助成を行っているが、居住地により接種機会に格差が生じることがないよう国の取組みが望まれる。予防検診の実施についても同様に、自治体任せにするのではなく、受診機会を均てん化すべきである。
よって、政府においては、子宮頸がんがワクチン接種と予防検診により発症を防ぐことが可能であることを十分に認識し、以下の項目について実施するよう、強く要望する。
記
- 子宮頸がん予防ワクチン接種の実施の推進
- 予防効果の高い特定年齢層への一斉接種及び国による接種費用の全部補助
- 特定年齢層以外についても一部補助の実施
- 居住地域を問わない接種機会の均てん化
- ワクチンの安定供給の確保及び新型ワクチンの開発に関する研究
- 子宮頸がん予防検診(細胞診・HPV検査)の実施の推進
- 特に必要な年齢を対象にした検診については国による全部補助
- 従来から行われている子宮頸がん検診を予防検診にまで拡大
- 居住地域を問わない受診機会の均てん化
- 子宮頸がん及び子宮頸がんの予防に関する正しい知識の普及、相談体制等の整備
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成22年9月16日
宮崎市議会
内閣総理大臣
厚生労働大臣 殿