一昨年8月の北海道・東北豪雨や、昨年7月の九州北部豪雨など、近年、地方における中小河川の被害として、土砂の流出による河床上昇や流木等による橋梁での河道埋塞が発生しており、まさしく河床が上がっていることが洪水発生の一つの原因となっている。しかし、これまでの都道府県及び市町村が管理する河川の流量確保のための河道掘削については、維持補修の範囲として各々の単費予算で行われており、補修工事は遅々として進んでいないのが実情であった。
そのような中、国土交通省は、中小河川の豪雨対策を強化するため、全国の中小河川の緊急点検の結果を踏まえた「中小河川緊急治水対策プロジェクト」を取りまとめ、中小河川の河道掘削についても再度の氾濫防止対策の一つとして緊急対策プロジェクトに盛り込んだ。しかしながら、この緊急治水対策プロジェクトは、概ね3カ年の時限的措置であり、河道掘削の対策箇所についても「重要水防区間のうち、近年、洪水により被災した履歴がある区間」と工事対象が限られている。
よって、政府においては、今回の緊急治水対策プロジェクトが、中小河川を管理する地方自治体にとって真に活用しやすい施策となるよう、下記の事項について取り組むことを強く求める。
記
1 河道掘削を含む「中小河川緊急治水対策プロジェクト」については、平成29年度補正予算で
約1,300億円が盛り込まれているが、次年度以降についても、地方自治体の要望を踏まえ、
十分な予算を確保すること。
2 「中小河川緊急治水対策プロジェクト」では、河道掘削の対策箇所を「重要水防区間のうち、
近年、洪水により被災した履歴があり、再度の氾濫により多数の家屋や重要な施設の浸水被害
が想定される区間」と限定しているが、今後は、中小河川を管理する地方自治体がより柔軟な
対応ができるよう、対策箇所の拡大も含め検討すること。また、国直轄河川の河道掘削につい
ても、周辺自治体の要望を踏まえ、必要な対策を行うこと。
3 今回の「中小河川緊急治水対策プロジェクト」は、概ね3カ年の時限的措置であるが、「防災・
安全交付金」を活用した中小河川の河道掘削については、恒久的な制度となるよう検討すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成30年3月16日
宮 崎 市 議 会
内閣総理大臣
国土交通大臣 殿