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公共交通機関への支援を含む総合的な交通体系の構築を求める意見書

 政府は、本年6月から来年3月末までの間、全国37路線50区間において、高速道路の無料化の社会実験を開始した。

 しかしながら、高速道路等の無料化や受益者負担を基本としない安価な料金設定は、JRやバス、フェリー等との適切な役割分担を損ねるばかりでなく、我が国の交通体系の崩壊につながりかねない。すなわち高速道路等の無料化や安価な料金設定の影響を受け経営が悪化し、地域の交通網が縮小することとなり、その結果、自家用車を利用できない高齢者や学生等の交通弱者の移動手段が確保できず、地方部の更なる衰退を招く恐れがある。さらには、地球温暖化対策にも完全に逆行するものであり、その整合性については大いに疑義がある。

 政府は、高速道路等の無料化を段階的に進めるとしているが、本来、総合的な交通体系の構築を前提とすべきであり、施策によって影響を受けるJR、バス、フェリー等の公共交通機関に対しては、その維持・存続のために公的支援策を同時に講じるべきである。

 よって、国においては、平成23年度予算編成において公共交通機関への支援を含む総合的な交通体系の構築に向け、次の事項を実施されるよう強く要請する。

  1. 公共交通機関の安定的な運営を踏まえて、総合的な交通体系の構築を図ること。
  2. 高速道路等と競合し影響を受けるJR、バス、フェリー等の公共交通機関に対しては、減収補填を含め、事業者の実情を踏まえた支援を講じること。
  3. 独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構の持つ利益剰余金については、国庫に返納させることなく、JR九州をはじめとするいわゆるJR三島会社及びJR貨物の財務基盤の安定化や収益基盤の強化のため有効活用できるようにすること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成22年12月16日

宮崎市議会

  衆議院議長
  参議院議長
  内閣総理大臣
  総務大臣
  財務大臣
  国土交通大臣
  行政刷新担当大臣  殿

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