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原子力発電からの脱却を求める意見書

 3月11日に発生した東日本大震災は、東北地方太平洋岸を中心に未曾有の被害をもたらした。被災した福島第一原発は炉心のコントロールを失って爆発し、大量の放射性物質を環境中に拡散した。この過酷事故によって、福島第一原発から半径20キロ圏内の「警戒区域」や20キロ以遠の「計画的避難区域」の住民は住み慣れた家を追われ、故郷に帰れる見通しもなく避難生活を余儀なくされている。放射能を避けて、自主的に避難している人々も少なくない。

 私たちにとってもこの事故は他人事ではない。いまや原子力の「安全神話」は完全に崩壊し、多くの住民が被ばくや事故の不安の中で生活している。

 今回の事故を教訓に、住民の危険や不安を避けるためにも、国のエネルギー政策を抜本的に転換し、原子力利用から脱却することを強く求めるものである。また、それまでの間、事故の危険を繰り返さないために十二分な措置を講ずること等、以下の点について要望する。

  1. エネルギー政策を根本的に改め、原子力発電から脱却する方針を明確にすること。再生可能エネルギーの促進のため一層の条件整備を進めること。それまでの間、原発の安全を確保するため、安全指針・基準等の抜本的な見直しを行い、万全の対策を講ずること。
  2. 現行の原発増設計画を見直し、既存の原発は老朽化の状況や立地条件等を勘案し順次廃炉とすること。
  3. 現在、原子力委員会において見直し作業が進んでいる防災指針に関して、福島第一原発事故の教訓を踏まえ、抜本的に考えを改めること。とりわけEPZ(防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲)については、今回の事故で影響が及んだ範囲及び地形、気象などの地域特性を踏まえて大幅に拡大をし、原発立地地域の近隣自治体・住民の不安や要望に応えるものにすること。
  4. 放射能汚染の状況や、廃棄物の処理、原発の安全性等について、十分な情報公開を行い、住民や自治体の理解を得るよう努めること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成23年9月14日

宮崎市議会

  内閣総理大
  文部科学大臣
  経済産業大臣
  国家戦略担当大臣  殿

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