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ドクターヘリの安定・持続的運用への支援強化を求める意見書

 

 ドクターヘリは、道路事情に関係なく医師や看護師を乗せて時速200キロで現場に急行し、患者を機内で治療しながら医療機関に搬送できるものである。平成13年の本格運航以来、これまで全国43道府県に53機が配備されている。搬送件数も年々増加し、平成30年度には2万9,000件を超えた。令和2年7月、九州地方を襲った豪雨災害においても出動しており、“空飛ぶ治療室”の役割は着実に増している。

 一方、ドクターヘリの要請・出動件数の増加に伴い、運航経費と公的支援との間に乖離が生じている。出動件数の増加は、整備費や燃料代、さらにはスタッフの人件費などの経費増に直結するため、事業者の財政的な負担は年々重くなっている。ドクターヘリの運航にかかる費用の多くは、国の交付金などで手当てしているが、追い付いている状況にない。

 そこで、政府においては、全国におけるドクターヘリの運航状況を直視するとともに、今後も救命救急の切り札として、安定的かつ持続的な運用の下、引き続き多くの人命救助に貢献できるよう、下記の事項について早急に取り組むことを強く求める。

 

 

1  ドクターヘリ運航に係る必要経費増加の実態をはじめ、地域ごとの年間飛行回数や時間の違いを的確に把握し、適正かつ効率的な運用に見合う補助金の基準額を設定すること。

 

2  消費税の増税に伴い、運航事業者の財政的な負担が増大した現状を考慮した適切な補助金基準額の改善及び予算措置を図ること。

 

3  ドクターヘリ運航の待機時間や飛行前後の点検時間を含めた操縦士などスタッフの勤務実態を的確に把握するとともに、適正な労働環境の確保を図ること。

 

4  ドクターヘリ機体の突発的な不具合時において、代替機提供や運航経費減額など、実質的に、運航事業者の負担が強いられている現状を是正するとともに、安全基準に基づいた代替機提供責務の適正化を図ること。

 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

  令和2年9月10日

宮崎市議会 

 

内閣総理大臣

厚生労働大臣    殿