ホーム宮崎市議会意見書・決議不登校児童生徒に対して多様な学習機会の確保のための経済的支援制度の確立を求める意見書

不登校児童生徒に対して多様な学習機会の確保のための経済的支援制度の確立を求める意見書

 令和3年度の義務教育段階における不登校児童生徒数は全国で24万4,940人と9年連続で増加しており、宮崎県内でも不登校児童生徒数は小学校が560人、中学校が1,284人で、いずれも2010年度以降で最も多くなっている。
 また、不登校の定義となっている年間欠席30日以上の条件に当てはまらないが、保護者や学校の配慮により出席扱いになっているなど事実上の不登校児童生徒数も鑑みると、文部科学省調査だけでは実態が把握しきれているとは言い難く、潜在的な不登校児童生徒も多数存在していると考えられる。
 このような中、フリースクール等の民間施設を利用する際の家庭の実情をみると、利用料月額3万3,000円程度という経済的負担に加え、身近に通う民間施設が無い場合には、遠方への通学のための身体的、時間的、心理的負担も加味しなければならない。
 多様な学習機会を提供する民間施設への需要が高まっているのに対し、民間施設を設立するための経済的支援制度は、一部の自治体が制定しているのに留まっており、必要な資金が確保できず設立を断念している個人や団体も少なくない。
 以上のことから、現状では、「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」(以下「教育機会確保法」という。)の第3条第2項に規定する「不登校児童生徒が行う多様な学習活動の実情を踏まえ、個々の状況に応じた必要な支援」が果たされているとはいえない状態であり、早急な具体的対策を講じる必要があると考える。
 よって国においては、不登校支援の一部である多様な学習機会を確保するための具体的対策として、次の事項について強く要請する。

1 教育機会確保法制定に際し、衆議院文部科学委員会と参議院文教科学委員会がそれぞれ附帯決議した内容である「不登校の児童生徒が、いわゆるフリースクール等の学校以外の場において行う多様な学習活動に対しては、その負担の軽減のための経済的支援の在り方について検討し、その結果に基づき必要な財政上の措置を講ずること」を進めること。

2 いわゆるフリースクール等民間施設の設立及び運営補助金等の経済的支援制度を確立すること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

 令和5年7月5日

宮崎市議会

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
文部科学大臣
内閣官房長官 殿