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「緑の社会」への構造改革を求める意見書

 100年に一度といわれる経済危機の打開策として、各国政府は今、環境・エネルギー分野への巨額の集中投資と、それによる雇用創出を目指す、いわゆる「グリーン・ニューディール」を選択し始めている。米国のオバマ大統領が提唱し、ドイツ、イギリス、韓国なども矢継ぎ早に独自策を打ち出している。世界同時不況の様相を呈する中で、各国は経済危機を脱する道として「環境」を選んだといえる。こうした世界的な動きの中で、日本政府も環境分野を経済成長の牽引役とする「日本版グリーン・ニューディール」をまとめる方針を固め、具体化に着手した。我が国は環境分野で最先端の技術を持っており、それを活かすことで大きな経済効果や雇用創出が期待されている。また、環境保全と経済発展を結びつけ両立させることは、持続可能な社会を構築していく上でも極めて重要である。経済危機の今こそ、「緑の社会」へと大転換するチャンスととらえ、「日本版グリーン・ニューディール」を推進するべきである。そして、我が国が諸外国に先駆けて不況を克服し、低炭素社会・循環型社会・自然共生社会のモデルとなるような社会を示すべきと考える。よって、政府においては、環境分野へ大胆に投資し、需要を喚起することで産業を振興し雇用創出するなど、下記の項目を実現するよう要請する。

  1. 日本の誇る環境技術を駆使して環境産業の活性化を促すこと。そのために3年間で10兆円規模の投資を行い、今後5年間で100兆円の市場規模、200万人超の雇用を実現すること。
  2. 2020年には、太陽光発電などの再生エネルギーの1次エネルギー構成率20%を目指すこと。特に太陽光発電については、2020年までに10倍とする政府の導入量目標の倍増を検討し、例えば全小中学校への設置など大胆に取組むこと。
  3. 電気自動車、プラグイン・ハイブリッド車など次世代自動車の普及を急ぎ、5年後に100万台、2020年に新車販売の70%超を目指すとともに、温室効果ガス排出削減に資する観点から公共交通機関の活性化に対する支援を大幅に拡充すること。
  4. 省エネ住宅・ビル等の建設を大規模に促進するとともに、環境モデル都市の対象都市を拡大するなど、さらなる国の支援を拡充すること。
  5. 森林吸収量の目標として掲げる温室効果ガス排出削減3.8%の実現に向けて、林業と建設業の協働も行いつつ間伐・植林などの森林整備を進めること。さらに、これらにより林業、造園・建設業など関連業種で新たな雇用を創出すること。
  6. バイオ燃料事業を拡大強化し、その利活用によって地域の特性を生かした活性化を図り、バイオマスタウン300地区を早期に実現すること。
  7. エコ・ポイント事業(温暖化対策行動等に対してポイントを発行するもの)を拡充させるなど、国民生活部門における温室効果ガス排出削減のための活動を支援すること。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

 平成21年3月23日

宮崎市議会

  内閣総理大臣
  環境大臣      殿

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