宮崎市は、合同会社シーベジタブルと連携し、海と陸で海藻養殖の実証試験を行うプロジェクトを立ち上げました。
宮崎市の水産業が直面する課題
宮崎市の海に浮かぶ青島(あおしま)は、日本神話「海幸山幸」の舞台です。この中に登場する海幸彦は「豊かな海の恵をもたらす存在」ですが、近年、宮崎市の水産業は以下のような深刻な課題に直面しています。
水揚量の減少
平成20年の約3,000トンから令和5年には約2,000トンへと減少しています 。
漁業者の減少
担い手不足と高齢化により、漁業就業者数も平成20年の約380人から令和5年には約270人へと減少しております。
海藻の減少
海洋環境の変化により、魚やウニによる海藻の食害が深刻化しております。
※上記画像については、宮崎県水産試験場から提供。
海面養殖が営まれていない(陸上養殖にも取り組む理由)
本市は 長い砂浜が続く「単調な地形」 で、波が穏やかな湾や入江が少なく、海で養殖が行われていません。
これらの課題を解決し、持続可能な水産業を実現するため、新たな挑戦として「海藻養殖実証試験プロジェクト」を始動します。
プロジェクト概要
本プロジェクトは、合同会社シーベジタブル社と連携し、海藻養殖の実証試験を行うものです。
海面養殖(ひじき)
宮崎市の青島・白浜地区で波の影響に強いひじきを養殖します。また、養殖を行うことで、魚の住処となる「藻場」が作られ、海の生態系に好循環を生み出し、水産資源の回復にも取り組みます。
陸上養殖(クロノリ)
日照時間が長い「日本の日向(ひなた)」という強みを生かし、海洋環境や地形など外部環境の影響を受けにくい陸上養殖に取り組みます。
本プロジェクトが目指す未来
本プロジェクトの成功により、以下の好循環を生み出すことを目指します。
海の生態系を再生し、持続可能な漁業を実現
海藻養殖により藻場を作ることで、海の生き物の産卵や生育の場となり、生態系に好循環をもたらします。魚類が4〜36倍に増加した事例もあり、水産資源の回復も目指します。更に、水揚量が増加することで、消費者への水産物の安定供給、また、漁業者の経営安定を目指します。
海苔の安定供給と、食料安全保障への貢献
国内の生産量が落ち込み価格が高騰している海苔の陸上養殖を成功させ、市場への安定供給を目指します。また、海藻は世界的なタンパク質不足の解消につながる可能性も秘めております。
新たな産業と雇用の創出
海藻養殖による新産業の創出やブランド化により、養殖業・加工業・飲食業・観光業など関連産業への波及効果が期待されます 。また、漁業者に加え高齢者や障がい者の方の新たな雇用機会も創出します 。
子どもたちへの体験学習の提供
収穫体験等を通して、自然・文化・食・産業といった様々な要素を体験的に学ぶ機会の提供に繋げます。
事業計画(ロードマップ)
本プロジェクトは3カ年計画で推進します。
1年目(企業版ふるさと納税寄附金を活用):海面及び陸上での実証試験を開始します 。
2年目(企業版ふるさと納税寄附金を活用): 1年目の結果を分析し、実証試験の規模を拡大します 。
3年目(企業様の自主財源を活用):本格的な生産体制の構築を目指します 。
寄附金の使い道
皆様からのご寄附は、プロジェクト1年目(令和7年度)の実証試験に必要な費用として活用させていただきます。
目標金額
2,500万円
主な使途
海面養殖(ひじき):事前調査、養殖設備の整備、収穫・加工費など
陸上養殖(クロノリ): ボーリング工事、施設整備費など
共通費用:種苗生産、生育管理、データ分析、報告書作成費など
※2年目の事業費用についても、引き続きご支援を募っております 。
ご寄附いただいた企業様へのベネフィット
ご寄附いただいた企業様へは、感謝の意を込めて以下の取り組みを実施します。
100万円未満のご寄附:宮崎市ホームページへ企業名を掲載
100万円以上300万円未満のご寄附:上記に加え、感謝状を送付
300万円以上のご寄附:上記に加え、感謝状贈呈式の開催、マスコミへのプレスリリース、市公式SNSでのご紹介
連携企業紹介:合同会社シーベジタブル
本プロジェクトは、海藻の可能性を追求する先進企業「合同会社シーベジタブル」様と連携して実施します 。
特徴
海藻の種苗生産に関する研究から、海面・陸上での生産、さらには料理開発までを一貫して手掛けています 。
実績
全国の30箇所以上で海藻栽培に取り組んでいます(試験段階を含む)。大手食品メーカーやコンビニエンスストアとの商品開発実績も豊富です 。
メディア掲載
テレビ東京「カンブリア宮殿」や日本テレビ「満天☆青空レストラン」で特集されるなど、多方面から注目を集めています 。
外部サイト:https://seaveges.com/(合同会社シーベジタブル公式ホームページ)