
2025年10月2日(木)、大阪・京橋のオープンイノベーション拠点「QUINTBRIDGE(クイントブリッジ)」にて、宮崎市主催のイベント「みやざきでのローカルキャリアとくらしのはなし in 大阪」を開催しました。

会場には、関西圏を中心に、地方での暮らしや働き方に関心を持つ企業関係者や個人など、約40名が参加されました。
本イベントは、「宮崎に関わるきっかけを関西からつくる」ことを目的に企画されたもの。
都市部で働きながらも「地方に関わってみたい」「地域でのキャリアを考えたい」と考える人が増える中で、宮崎市としても“移住”だけではない関わり方を提示し、宮崎の応援団として関わってほしいという思いを込めています。

開会前、QUINTBRIDGEの担当者による施設概要のご紹介
会場となったQUINTBRIDGEは、NTT⻄⽇本が運営する共創型施設であり、企業や自治体、個人が協働して地域課題を解決する取り組みを推進しています。
QUINTBRIDGE公式ウェブサイト https://www.quintbridge.jp/
宮崎市が描く“開かれたまち”の未来像
イベントの冒頭、宮崎市 永山英也副市長より以下のとおり挨拶いたしました。

挨拶を述べる、宮崎市 永山英也副市長
「宮崎市は昨年、市制施行100周年を迎え、次の100年を見据えた『宮崎市総合計画』を策定しました。
そのテーマは“オープンシティ”です。行政が課題や資源を市民と共有し、共に考えること、全国へ宮崎の魅力と課題を発信すること、そして職員自身がオープンマインドで挑戦していくことを掲げています。
この『オープンシティ宮崎』の考え方のもと、宮崎の魅力とは何かを改めて見つめ直しています。宮崎は、ゆったりとした時間の中にエネルギーが湧いてくるような、不思議な力を持つ土地です。皆さんにもその魅力を感じていただければと思います」と述べ、参加者を歓迎しました。
続いて、宮崎市都市戦略課 公民連携推進室 室長 崎原秀利が登壇。
宮崎市は人口約40万人の地方都市で、空港が市街地に近く、大阪から70分でアクセス可能であることなど、宮崎市の魅力を紹介しました。

大阪市街地と重ねた図(崎原作成)。宮崎市が利便性の良いコンパクトシティであることが分かる
「温暖な気候や長い海岸線、ゴルフ場や温泉など自然やレジャー環境も充実しており、物価の安さとリモートワーク環境の整備により快適に暮らせます。
一方で、若者の流出や人口減少が課題です。移住支援だけでなく、二地域居住やプロジェクト参加など、多様な関わり方を推進し、地域の持続可能性を考えるきっかけにしてほしい」と呼びかけました。
パネルトーク:#センパイたちのリアルVOICE

続いて行われたパネルトークでは、宮崎と関わる3名の“センパイ”たちが登壇。ファシリテーターは永山副市長が務め、移住・二地域居住・プロジェクト参画といった異なる関わり方から、リアルな体験と今後の展望を共有しました。

NTT⻄⽇本(株) ネットワークデザイン部 コーディネート部門 インフラビジネス担当 塚尾拓也氏
かつて宮崎勤務を経験し、4年前に再び宮崎へ戻った塚尾氏。現在はリモートワーク制度を活用し、AIカメラを用いたインフラ点検サービスの開発に携わっておられます。 「宮崎の“癒し”と“居心地の良さ”を感じながら、全国とつながる仕事ができる」と、都市部と地方の魅力を活かした働き方を実践している立場からお話しいただき、「今後は宮崎の魅力を発信し、関わる人の輪を広げたい」とのお話をいただきました。

(株)美想空間 代表取締役 / 大和郡山町づくり(株) 取締役 鯛島康雄氏
大阪でリノベーション会社を経営する鯛島氏は、30年前に訪れたサーフトリップをきっかけに宮崎の波に惹かれ、6年前に青島に空き家を購入。
現在は、月の半分を宮崎で過ごしておられます。「宮崎は自然に恵まれ、時間の流れも人との距離も心地いい。大手不在の不動産市場はチャンスの宝庫」とのお話から、サーフィンを軸にした新たなビジネス展開にも意欲を示していただきました。
「宮崎は人も場所もオープン。二地域居住には理想的な土地です」と二地域居住を実践している立場からお話しいただきました。

三菱地所(株) エリアマネジメント企画部 マネージャー / エコッツェリア協会 コミュニティ研究所長 田口真司氏
業種業態の垣根を越えた交流・活動拠点「3×3Lab Future」を運営し、宮崎市地域活性化起業人としても活動していただいている田口氏は、オランダのフューチャーセンターの理念を基に、全国各地で地域課題解決のワークショップを展開しています。
宮崎市との関わりを通じて、「行政職員が自らの“思い”を言葉にし、民間と協働する姿勢」に感銘を受けたことや、「宮崎で起きている人口減少は、いずれ東京や大阪も直面する課題。宮崎がその解決モデルになり得る」とのお話をいただき、地域にコミットする人材の重要性を強調されました。
質疑応答:行政×民間が育む、共創の土壌

質疑応答では、まず「行政と民間が熱くつながっている理由」について質問がありました。登壇者は、「行政と民間では言語や感覚が異なるため、まず小さなプロジェクトで調整し、成功体験を積み重ねながら協力関係を広げることが重要である」と答えられました。

学生からは、「移住のきっかけは何か」という質問もあり、登壇者は「居心地の良さ」「人とのつながり」「関わることの楽しさ」を挙げられました。
また、鯛島氏は、二拠点居住やプロジェクト実施のポイントについて「人との距離や地域のオープンマインドが鍵。宮崎は歓迎的で関わりやすく、この開かれた姿勢が活動の継続に大きく影響している」と述べられ、宮崎の柔軟な受け入れ体制が高く評価されているとのお話をいただきました。
交流会:関西と宮崎をつなぐ対話の場に

トークライブ後は、参加者や登壇者、行政担当者を交えた交流会が行われ、活発な名刺交換・意見交換が行われました。「宮崎にUターンを考えたい」「宮崎に関わってみたい」といった声も聞かれ、宮崎への関心の高まりが感じられました。



都市部と宮崎をつなぐ“宮崎応援団”づくりへ
本イベントでは、企業・個人・行政がそれぞれの立場から宮崎の可能性を語り合い、宮崎を応援する気持ちが生まれる瞬間を随所に見ることができました。
オープンシティの理念の下に開催し、オープンマインドで参加者同士の交流が深められたこのイベントは、都市部と宮崎をつなぐ“宮崎応援団”づくりへの第一歩。
今後も、都市部との連携により、ビジネスを通じた課題解決や移住、二地域居住など、多様な関係人口の拡大に向けてさらなる取組を進めてまいります。
開催概要
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日時 |
令和7年10月2日(木)18:00~20:30 (受付:17:30~) |
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会場 |
QUINTBRIDGE 大阪府大阪市都島区東野田町4丁目15番82号 QUINTBRIDGE |
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参加者 |
約40名 |
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登壇者 |
田口 真司 氏 (株式会社三菱地所 / エコッツェリア協会 / 宮崎市地域活性化起業人) |
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プログラム |
17:30~ 受付 18:00~ OPENING 主催者あいさつ 18:05~ #知らなきゃ損!宮崎市がみんなの挑戦をガチ応援(ちょこっと解説) 18:20~ #センパイたちのリアルVOICE(パネルトーク) 19:00~ #仲間とつながる(交流会) 20:30 CLOSING |
登壇者プロフィール


