宮崎市新庁舎建設場所の決定
新庁舎の建設場所を「 現庁舎敷地 」に決定しました。
建設場所の決定において重視した事項
1.市民の利便性
市民サービスについては、手続のオンライン化をはじめとするDXの推進により、市民が庁舎を訪れなくてもサービスを受けることが可能となる取組を進めておりますが、来庁者の利便性の確保にも努める必要があります。
現庁舎敷地においては、2棟となった場合も隣接しており、公共交通機関についても、現庁舎敷地がバスの便数が最も多い橘通りに面している一方、宮崎中央公園についてはJRの利用が見込まれ、利便性に大きな差はありません。
また、現庁舎敷地においては、工事期間中の駐車場の確保や来庁者の動線確保などに一定の対策が必要ではありますが、それらの対策費を考慮しても、宮崎中央公園より安価な事業費で建設可能であり、大きな要因とはならないところです。
2.防災拠点性の確保
市庁舎は、災害発生時にも市民の安全安心を守るため、概ね1000年に一度といわれる大雨による浸水や、南海トラフ巨大地震を想定して、庁舎自体の安全性を確保するとともに、市全域の災害対応の司令塔としての機能を維持できなければなりません。
両候補地とも浸水想定区域に囲まれていますが、現庁舎敷地については、浸水想定に対する敷地の嵩上げを行うことで、浸水リスクを回避できることが確認できたところです。
また、現庁舎敷地が「中」で宮崎中央公園が「大」である液状化リスクに対しては、周辺道路が使用できなくなる可能性がありますが、両候補地ともに液状化対策工事を実施するなど、一定の対策を講じることで大きな差はないことが確認できたところです。
3.まちづくりへの影響
施設の複合化等に関する民間企業へのサウンディングにおいては、現庁舎敷地と宮崎中央公園の両候補地ともに、市庁舎に高い経済効果は期待できないとの結果であったことから、大きな差はないことが確認できたところです。
市民アンケートにおいても、市庁舎への来庁頻度や商業施設への立ち寄り頻度は少なく、自家用車での来庁者が約8割を占める本市において、市庁舎がまちの賑わいに大きな影響を与えることはないものと考えますし、今後、行政サービスのDX推進により、「来なくてもいい市役所」を目指すと、その傾向はより大きくなります。まちづくりについては、市庁舎ではなく民間活力による賑わいづくりを進めていくことが重要であり、その中で、緑豊かな宮崎中央公園は、駅東エリアの価値を高め、まちづくりに大きく寄与する施設として存続させることが必要です。
4.事業の実現性及び事業費
宮崎中央公園に移転する場合は、都市公園の廃止や都市計画の変更手続き、また、現状でも渋滞している道路の交通対策などの課題が多くあり、事業進捗への影響も考えられます。
一方で、現庁舎敷地は国有地取得が不要であることや地盤工事のコストなどが安価であることから、事業費は宮崎中央公園と比べて低くなっています。工事期間は長くなりますが、市民アンケートにおいても、庁舎建設に際して最も重要とする視点として挙げられたように、将来世代に少しでも負担を残さないという意見は重視すべきです。
5.まとめ
市庁舎に第一に求められるのは、行政としての機能性であり、市民の利便性や防災拠点性の観点からは大きな差がないことからも、事業費を抑制でき、宮崎中央公園を中心部の貴重な都市公園として存続できる「現庁舎敷地」に建設することが必要であるという判断に至りました。
今後のスケジュール
今年度内に、新庁舎整備の基本方針をはじめ、新庁舎の場所や規模、概算事業費、事業スケジュールなど基本的な考えをまとめた基本構想を策定します。来年度策定予定の基本計画においては、導入する機能の整理、建物配置、建物内部の空間構成、事業手法などの基本設計に向けた要件整理の検討を加速させていきます。
※スケジュールは、1棟建てで建設ができる配置案4を想定したものです。
資料
宮崎市新庁舎建設場所の決定について (PDF 3.07MB)