本郷地区掩体壕
掩体壕(えんたいごう)とは戦争における敵からの爆撃や砲撃・銃撃などの破壊行動から味方の飛行機・車両・物資・人員等を守るために、それらを覆う・囲う目的で造られたものです。コンクリートや土嚢・土塀・ドラム缶に土を詰めたもの等で造られ、旧海軍宮崎基地(現在の宮崎空港)周辺には、中型機用・小型機用あわせて50数基の掩体壕が造られました。
掩体壕には大きく分けて、屋根がある有蓋掩体壕(ゆうがいえんたいごう)と、屋根がない無蓋掩体壕(むがいえんたいごう)の2種類があります。有蓋掩体壕はコンクリート製のかまぼこ型で、飛行機を完全に覆う強固な造りとなっています。一方で、無蓋掩体壕は土を盛り上げて造った土塀で飛行機を囲っただけで、コンクリート製の有蓋掩体壕と比べると防御力の面で若干劣りますが、造る手間と資材・時間は削減されます。事実、宮崎基地の掩体壕の約7割は無蓋掩体壕でした。
戦後、土を盛っただけの無蓋掩体壕は早々に取り壊されましたが、コンクリート製の有蓋掩体壕は、その堅固さから現在も6基(本郷地区の中型3基と赤江地区(空港西側)に残る小型3基)がほぼ完全な状態で残っています。
市としても、恒久平和の大切さや反戦平和の願いを後世に伝えていくため、保存活用に最も適した本郷地区の掩体壕1基を取得しました。見学は自由ですが、安全上の観点から掩体壕の中には入ることはできません。
〇所在地
宮崎市大字本郷南方字西迫5468番154 ほか
〇アクセス
宮﨑自動車道「宮崎IC」から車で約5分
宮崎空港から車で約8分
JR九州・日南線「南方駅」から車で3分(徒歩約20分)
〇駐車場
10台分あり
〇写真
〇パンフレット