国指定天然記念物

19.青島の隆起海床と奇形波蝕痕

(国指定 天然記念物)

青島の隆起海床と奇形波蝕痕の写真

所在地:折生迫 青島海岸

指定:昭和9年5月1日

青島をとりまく周辺及び日南海岸戸崎鼻から巾着島に至る間の海岸にみられるもので、俗称「鬼の洗濯板」といわれています。

こ こにみられる隆起海床は、新生代新第三紀のころ海床に堆積してできた宮崎層群(砂岩と泥岩とが規則正しく互層をなす。)と呼ばれる互層帯に属しています。 この互層帯は摺曲によって青島では走向北より東に約30度偏った方向で、18度東の方向に緩い傾斜をもって海上に露出しています。

奇形波蝕痕は、その露出部分が波浪浸蝕を受けて、互層の堅さの違いにより凹凸を生じて形成されたものです。干潮時には幅約20メートルから100メートルにわたって見られます。

また、層面には亀甲状の裂け目があります。これは砂泥が凝結して岩石となるとき乾燥し、亀裂したものと思われます。そのほか、団塊や浸蝕による蜂窩がみられます。

20.内海のアコウ

(国指定 天然記念物)

内海のアコウの写真

所在地:内海字磯平6227番地(野島神社境内)

指定:昭和16年10月3日

アコウは幹から多数の気根を出す亜熱帯性のクワ科の高木で、イチジクに似た果を結びます。その分布は、中国、台湾、沖縄から、北は本州の和歌山県南部の近海地に及んでいます。

葉には長い柄があり、革質楕円形で長さ10センチ内外、春残らず落葉することがあります。果は8ミリ内外の球形で淡紅色に成熟します。

内 海のアコウは、2本が国の天然記念物に指定されています。樹形のよいことと枝を広く伸長する点で、他のものに優れています。東側のアコウ樹は、高さ15 メートル、目通り幹囲6.9メートルで、枝の広がりは東西に約40メートル、南西に約20メートルに達し、多数の幹状の気根が地上に達しています。

21.宮崎神宮のオオシラフジ

(国指定 天然記念物)

宮崎神宮のオオシラフジの写真

所在地:神宮2丁目(宮﨑神宮境内)

指定:昭和26年6月9日

宮崎神宮本殿の南東にあたる境内(旧県立博物館前)にあり、4月下旬頃にゆらゆらと真白で大きな花を咲かせ、皆の目を楽しませてくれています。

このフジは、根元周り2.95メートルで幹に至って2つに分かれています。西の枝は径約1.6メートル、南東の枝は径約1.4メートルあり、広く伸長しています。

「オオシラフジ」は、正式な名称ではなく、フジの1品種「シナフジ」の白花品で、「白く」「大きな花」をつけることからその名が呼ばれています。この種は中国原産であり、わが国では最も大きいものです。

22.瓜生野八幡神社のクスノキ群

(国指定 天然記念物)

瓜生野八幡神社のクスノキ群の写真

所在地:大瀬町5714番地(瓜生野八幡神社)

指定:昭和26年6月9日

瓜生野八幡神社の境内には、16本のクスノキが群落をなし、うっそうとして閑寂な社相を呈しています。単木のクスノキの巨樹については数例の国指定がみられますが、巨樹群をなしているのは貴重です。

このクスノキの中で、最も大きいものは本殿の右後方にあるもので、目通り幹囲約9.6メートル、根周り約16メートル、樹高約25メートルに達しています。そのほかは、目通り幹囲7.5メートルのもの3本、3.0~5.5メートルのもの10本、3メートル以下のもの2本で、最も高いものは30メートルを越えています。

これらクスノキ群の由来については明らかではありませんが、樹齢が800年と推定されているものもあり、また、主幹の内部に大きな空洞を生じているものもあります。

23.双石山

(国指定 天然記念物)

双石山の写真

所在地:鏡洲

指定:昭和44年8月22日

双石山は、海岸に最も近い低地の自然林であり、標高509メートルで、尾根の両側は屏風状の岸壁がそそり立ち、急峻な山容を呈しています。東側の斟鉢山と徳蘇山の連峰との間に曲折多い日向ラインの峡谷が入り組んでいます。

地質的には、第三紀中新世で砂岩及び礫岩の傾斜隆起層からなっています。

樹林としては、自然林として希有であり、シイ、カシの典型的な暖帯林です。植物では北限植物、南限植物、希有植物、暖地植物等シダ類以上の高等植物が115科579種、コケ植物が157種を数えます。動物においては南方系昆虫、局地産昆虫等、昆虫類が約115科660種を数え、鳥類約50種、そのほか数種の獣類、両生類が生息しています。

しかし、未調査の部分が多く、ベールに包まれている部分も少なくありません。それだけに、市街地にも最も近い自然観察の好地です。

24.高岡の月知梅

(国指定 天然記念物)

高岡の月知梅の写真

所在地:高岡町高浜梅元323-2

指定:昭和10年12月24日

月知梅はもともと香積寺の庭に植えてあった梅で、「香積の梅」といわれていました。この梅は、臥龍梅という梅の種類で、今から約200年前(安永、天明年間)までは一株のものでしたが、その後、枝が伏して根を張り、四方に繁殖したといわれています。毎年、2月の中旬頃が満開で、白色八重の花をつけます。延宝元年(1673)島津氏19代当主・島津光久が来観した時に、『月知梅』と命名されました。

25.去川のイチョウ

(国指定 天然記念物)

去川のイチョウの写真

所在地:高岡町内山

指定:昭和10年12月24日

鎌倉時代に島津家初代当主、島津忠久(1179年~1227年)が、薩摩街道であった現在の地に植えたものと伝えられています。このイチョウは雌株で、幹の周囲約10m、高さ41mで樹齢約800年と考えられます。

26.清武の大クス

(国指定 天然記念物)

清武の大クスの写真

所在地:清武町船引6622番地(船引神社境内)

指定:昭和26年6月9日

船引神社の境内にあり、祭神八幡大神にちなんで、別名「八幡楠」とも呼ばれています。根周り18m、幹周り13.2m、高さは26mあり、内部は地上8mくらいまでが空洞で、その底は8畳ほどの広さになっています。樹齢は900年を超えるとも言われ、県下最大級のクスノキとして昭和26年6月9日に国天然記念物に指定されました。

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