国指定特別天然記念物
17.青島亜熱帯性植物群落
(国指定特別天然記念物)
所在地:青島2丁目(青島神社境内)
指定:昭和27年3月29日
青島は、日向灘に半島状に突き出した、面積40,000平方メートル、周囲860メートルの小島です。中央部に、彦火火出見命、豊玉姫命、塩筒大神の三柱を祀る青島神社があります。
この地域は、黒潮が近海を流れ、気候温暖で雨量の多いところです。そうした気象条件のもとに多くの亜熱帯性植物が繁茂しており、自生植物は197種で、熱帯及び亜熱帯性植物は27種を数え、その代表植物ビロウの成木は約4,300本あり、ビロウ純林は群生地の80%を占めています。最高樹齢は300年と推定されます。
島内自生の亜熱帯性植物には、ダンチク、オオハマグルマ、シャリンパイ、フウトウカズラ、アオノクマ、タケラン、モクタチバナ、ムサシアブミ、クワズイモ、ハカマカズラ、ヒゲスゲ、ハマナクマメ、クマシダ、ノアサガオ、オオイワヒトデなどがあり、そのほかに、ハマオモト、ハマエンドウなど数種の植物を見ることができます。
18.内海のヤッコソウ発生地
(国指定特別天然記念物)
所在地:大字内海字下大谷
指定:昭和27年3月29日
ヤッコソウは、ヤッコソウ科の1年草で暖地のシイノキに寄生する世界的な珍種で、奴に似ていることからその名があります。花茎は直立し、その周囲に鱗片状の厚ぼったい葉を5~6片対生し、交互に向き合って十字形についています。花は頂生していて、雌雄両性の完全花です。花弁はなく、ただわずかに多肉性の単一の花被が環状に子房にへばりついています。花糸は皆、筒状になってくっつき合い、子房を囲み、葯もまた花弁のまわりに帯状になって取り巻いています。
内海のヤッコソウは、スダジイの老木の根に、毎年10月下旬から12月上旬にかけて発生しますが、平成5年の台風によりスダジイが倒れ、近年、発生が見られなくなっており、現在、回復を見守っているところです。
発生地発見は明治42年(1909)です。