現在、例年に比べて百日咳と診断される方が増えています。
咳を主症状とする疾病で、乳幼児に発生が多い傾向がありますが、どの年齢の方でも感染する可能性があります。1歳以下(特に生後6か月以下)の乳児が感染すると重症化することがあるため、注意が必要です。
咳が出るときには、マスクを着用するなど周囲に飛沫が飛び散るのを防ぐ「咳エチケット」を守りましょう。咳が続くときは、早めに医療機関を受診しましょう。
百日咳とは
百日咳は、百日咳菌によって引き起こされる感染症で、特徴的な咳が数週間続きます。学校保健安全法により、出席停止の措置の対象となっています。
感染経路・症状など
感染経路
患者の咳に伴うつばや痰(飛沫)に含まれる百日咳菌が、鼻やのどの粘膜に感染して症状が出ます。症状が出現する前から、他の人に感染させる可能性があります。
潜伏期間
7~10日(最大20日)
症状の経過
【カタル期(1~2週間)】
:普通のかぜ症状から始まり、少しずつ咳の回数が増え程度がひどくなる。
【痙咳期(3~6週間)】
:連続する咳、短い咳が続き息を吸うときにヒューという音が出る。しばしば嘔吐を伴う。
【回復期(2、3週~)】
:激しい咳などの発作は少しずつ減衰し、2~3週間で認められなくなる。
予防
乳幼児の場合は特に、予防接種を受けることで重症化を防ぐことができます。5種混合ワクチンの接種可能な年齢は、生後2か月からです。
接種に関しては、下記のページをご参照ください。
https://www.city.miyazaki.miyazaki.jp/education/vaccination/teiki.html(健康支援課:定期の予防接種について)
また、感染された方は周囲へ感染を拡げないために、マスクの着用や咳エチケットを行うことが推奨されています。
治療
百日咳の治療には、エリスロマイシンなどの抗菌薬が有効とされています。
学校保健安全法における取り扱い
百日咳は、第2種の感染症に定められており、「特有の咳が消失するまで」または「5日間の適正な抗菌薬療法が終了するまで」出席停止とされています。症状により出席停止の期間が異なりますので、学校へご相談ください。
参考情報
宮崎県感染症週報バックナンバー(2025年)(宮崎県衛生環境研究所)
https://www.pref.miyazaki.lg.jp/contents/org/fukushi/eikanken/center/infectious/2025/
百日咳とは(国立感染症研究所)
https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ha/pertussis/010/index.html