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高岡天ヶ城麓地区のまちづくり

1.はじめに

高岡天ヶ城麓地区のまちづくり

高岡天ケ城麓地区は、旧薩摩藩の外城として栄えた名残として、武家住宅、武家門、石垣、竹垣等の歴史的資産が点在し、宮崎市でも数少ない歴史的景観が現存する地区です。また、各住宅の敷地に植えられている樹木からは、季節の変化が感じることができ、情緒ある景観が形成されています。

高岡天ケ城麓地区の宝である歴史的資産を活かし、くらしと調和した心癒される歴史的街並みを形成するため、住宅や店舗などの建物およびそれらの敷地の整備に関する事項やその他の事項を定めることにより、生活の場としての快適な環境の整備・改善を図り、私たちが誇りを持つことのできる「まち」をつくることを目的としています。

※注意事項

※区域内で建築行為等を行う場合は、高岡天ヶ城麓地区まちなみ整備住民協議会との事前協議が必要です。

 

2.まちづくりの基本理念

高岡天ケ城麓地区の魅力あるまちづくりを実現するため、関係者の理解と協力をもとに、以下の基本理念にもとづき、まちづくりを推進します。

「歴史とくらしがふれあう心豊かなまち」.jpg

「歴史とくらしがふれあう心豊かなまち」 2.jpg「歴史とくらしがふれあう心豊かなまち」 4.jpg「歴史とくらしがふれあう心豊かなまち」 3.jpg

 

3.対象区域

対象となる区域は、下図の示す区域となります。(高岡天ケ城麓地区まちづくりガイドラインに掲載されています。)

高岡マップ.jpg

 

4.対象となる行為

規模にかかわらず、以下の1~3の行為が対象となります。

  1. 建築物の新築、増築、改築、外観の変更等
  2. 工作物の新設、増築、改築、外観の変更等
  3. 屋外広告物の新設、増設、改造、表示の変更等

まちづくりの基本理念の実現のために、対象区域内で行う建築等の新築、増改築、外壁の変更等の基本的なルール(下記「5.まちづくりのルール」参照)を定めています。

ただし、前面道路から容易に見えない場合および景観向上に寄与するとして協議会が特別に認めた場合は、この限りではありません。

 

5.まちづくりのルール

(1)建物の新築、増改築、外観の変更等

【A】基本的事項

建物は、地域の景観を印象づける主要な構成要素です。新築等にあたっては、天ケ城麓地区の歴史的風情と調和するよう建物およびその敷地の総合的なデザインを行い、景観の形成に努めることとします。

また、既存の武家住宅などの歴史的建造物を後世に継承するために、保存・活用に努めます。

 

【B】個別事項

配置
  • ゆとりある街なみの形成および敷地内緑化のスペース確保のため、前庭などオープンスペースの確保に努めます。
  • 敷地内の建物、門や塀、附属棟の規模を踏まえて、釣り合いよく配置します。
高さ・形態
  • 周辺景観と調和した、全体的にまとまりのある形態とします。
  • 木造和風を原則とし、2階以下の低層なものとします。非木造とする場合は、木材等自然素材を多用するなど、歴史的風情と調和した仕上げとします。
屋根
  • 勾配屋根と原則とし、高さ、勾配、軒の出幅等は周辺の建物と統一感を持たせます。
  • 日本瓦を原則とします。他の素材を用いる場合は、日本瓦と同等の風合いで、歴史歴風情を調和したものとします。
  • 原色を避けて落ち着いた色彩(グレー系、黒色)とします。
外壁
  • 壁面は、塗壁風、土壁風、板壁など、歴史的風情と調和した材質感のあるものとし、原色を避け、自然素材が持つ落ち着いた色彩(白系、グレー系、茶系など)を基調とします。
  • 窓枠は黒または茶色とし、格子等を設ける場合は、木格子の風合いとします。
設備類
  • 空調室外機やガスボンベ等の設備類は、歴史的風情を損なわないよう、道路等から見えにくい場所に設置します。やむを得ない場合は、木格子等による目隠し等を行い、景観上支障がないように配慮します。
  • 太陽光発電設備は、道路等から直接見える場所に設置しないよう努めます。やむを得ない場合は、屋根の色彩や形状に配慮し、歴史的風情と調和したものとします。

 

(2)敷地内で行う行為

【A】基本的事項

建物敷地内における塀や石垣、武家門、樹木等は、高岡天ケ城麓地区の歴史的な景観を特徴づける重要な構成要素です。歴史的風情を損なうことのないように形態・意匠に配慮し、周辺の建物や街なみと一体的な景観の形成に努めます。

 

【B】個別事項

塀・生垣
  • 既存の石垣、竹垣(生垣)の保全・修復・再生に努めます。
  • 塀は原則として、石垣・竹垣(生垣)などの歴史的風情と調和したものとし、街なみ景観の連続性を確保するため、前面道路沿いに可能な限り設置するように努めます。
  • 既存の武家門の保全・修復に努めます。
  • 新たに設置する場合は、歴史的風情と調和した落ち着いた形態・意匠とします。
緑化
  • 敷地内の既存の樹木・生垣等を保全し、四季折々の樹木、草花等の植栽に努めます。
駐車場等
  • 道路に面して駐車場を設ける場合は、塀や生垣などの修景により街なみの連続性を著しく壊さないように配慮します。
  • 車庫や倉庫等の附属棟は、形態・意匠、設置位置等に配慮し、街なみや母屋と調和したものとします。
ごみ置場
  • ごみ置場を設ける場合は、ごみ袋が直接見えにくいように位置や形態等に配慮するとともに、歴史的風情と調和した形態・意匠とします。
自動販売機
  • 自動販売機を設ける場合は、歴史的風情に配慮し、外装の色彩を茶系またはグレー系とするか、木格子等で目隠しを行います。
土地の造成
  • 造成等に関わる切土および盛土の量は、できるだけ少なくするとともに、擁壁等の構造物の使用は必要最小限とします。

 

(3)広告物の新設、表示、内容の変更等

【A】基本的事項

屋外に設置されている広告物(看板類)は、日常生活に対して大きな役割を果たしていますが、景観に対する影響が大きくなりやすいため、設置に際しては、周辺の街なみなどに十分配慮します。

 

【B】個別事項

  • 自家用を原則とします。(図A)
  • 数や大きさは必要最小限とし、形態・意匠、色彩、設置位置等は、歴史的風情と調和したものとします。
  • 高さは7m以下かつ屋根の軒先を越えない高さとします。(図B)
  • 屋上または最上階の屋根上に広告物を設置しないこととします。(図C)
  • 歴史的風情を著しく阻害するネオンサイン、点滅広告、電光掲示板、その他これらに類するものは設置しないこととします。(図D)

(図A)自家用を原則とする.jpg(図B)高さは7m以下かつ屋根の軒先を越えない高さとする.jpg(図C)屋上または最上階の屋根上に広告物を設置しないこと.jpg(図D)歴史的風情を著しく阻害するネオンサイン、点滅広告、電光掲示板、その他これらに類するものは設置しないこと.jpg

 

(4)建物および地区施設の維持管理等

  • 本ガイドラインに沿って整備された建物等は、整備内容が保持されるよう適正な維持管理に努めます。
  • 本ガイドライン施行前に建てられた建物等は、本ガイドラインに沿った整備を目標として維持管理(修繕)に努めることとします。
  • 敷地内の生垣、樹木、草花等の植栽は、良好な状態が保たれるよう適正な管理を行います。
  • 地区施設(道路、街灯、小公園等)を整備する際は、歴史的風情と調和した形態・意匠とします。また、適正な維持管理を行い、安らぎある空間づくりに努めます。
  • 地区施設について、管理協定等により協定者が維持管理を行うこととされた場合は、当該協定者は、適正な維持管理に努めることとします。

住宅イメージ図.jpg

 

6.建築行為等の事前協議について

当ガイドラインの区域内で建築行為等を行われる場合は、高岡天ヶ城麓地区まちなみ整備住民協議会との協議が必要です。

 

(1)事前協議申請に必要な書類

「高岡天ヶ城麓地区まちづくりガイドライン」のまちづくりのルールに配慮し、計画してください。

  1. 事前協議申請書
  2. 色、デザイン等がわかる資料(例:配置図、植栽計画図、各平面図、各立面図、外観パース、現況写真等)

 

(2)事前協議に関する問い合わせ先

高岡天ヶ城麓地区歴史的まちなみ整備住民協議会事務局

TEL&FAX0985-82-5189(松浦) 0985-82-2585(東迫)

 

7.これまでの取り組み

(1)街なみづくり事業について

『街なみ環境整備事業(社会資本整備総合交付金)』を活用し、景観ルール策定、石垣や家屋の修景、道路面美装化などの「街なみづくり」を実施しました。

平成22年度は、地元協議会(高岡天ヶ城麓地区歴史的まちなみ整備住民協議会)と(一社)宮崎県建築士会(宮崎市景観整備機構)を中心に、市が協働し、計3回の『ワークショップ』と呼ぶ参加型会議により、まちづくりの方向性や景観ルールの検討を行いました。

平成23年度には、ワークショップの結果に基づいて、街なみづくりの方針や景観ルールの作成を実施し、9月に、地元住民により「高岡天ヶ城麓地区まちづくりガイドライン」を締結。10月より施行しています。
また、平成24年3月に、本市が宮崎市景観条例に基づいて、このガイドラインを「景観まちづくり協定」に認定しました。

 
ワークショップの様子
高岡天ヶ城麓地区ワークショップ(風景1)高岡天ヶ城麓地区ワークショップ(風景2)高岡天ヶ城麓地区ワークショップ(風景3)

 

建築物、外構等の修景について

景観まちづくり協定が締結された区域内において、建築物等の建築行為や外構の整備においてガイドラインに即して修景を行ないました。

 
修景助成によって整備、修復された武家門と石垣
武家門武家門2石垣

 

(2)街なみの魅力向上に向けて

これまで、毎年秋の地区文化祭等に合わせて、地元協議会、建築士会、宮崎をひかりで変える委員会の協働により、武家門や武家住宅のライトアップ、竹灯篭による街なみの演出により街なみの魅力向上を図っています。

 
河上家武家門 高岡小学校正門 竹灯篭によるオブジェ
武家門や武家住宅のライトアップ1 武家門や武家住宅のライトアップ2 武家門や武家住宅のライトアップ3
 
武家住宅 通りの竹灯篭 武家住宅の庭
武家門や武家住宅のライトアップ4 武家門や武家住宅のライトアップ5 武家門や武家住宅のライトアップ6

 

平成23年3月には、建築士会の主催により「宮崎まちづくり塾」が開催され、江戸時代から残る竹垣の保存・整備を目的として、現存する竹垣の調査、地元住民の方の指導による化粧直しの実演、手法の記録を行いました。また、竹灯篭やライトアップによる夜の街並み演出も行われました。

 
竹材の加工 通りの竹灯篭 参加者全員で作業中
宮崎まちづくり塾1 宮崎まちづくり塾2 宮崎まちづくり塾3
 
化粧直し完了 たいまつ行列 通りのライトアップと竹灯篭 市来家武家門とクロガネモチ
宮崎まちづくり塾4 宮崎まちづくり塾5 宮崎まちづくり塾6 宮崎まちづくり塾7

 

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