カンピロバクター食中毒は、わが国で発生している細菌性食中毒の中で、近年、発生件数が最も多く、年間300件、患者数2,000人程度で推移しています。
カンピロバクター食中毒の主な症状は、腹痛、下痢、発熱などです。まれにギランバレー症候群(神経障害)を発症することがあります。
カンピロバクター属菌は牛や豚、ペットの口や腸内にも存在する菌ですが、特に鶏においては、とても高確率で菌を保有、排出しています。
大変な手間をかけて処理された生食用の鶏肉であっても、検査の結果、カンピロバクター属菌が検出されることはまれではありません。
カンピロバクター属菌は乾燥に弱く、通常の環境下では2~3日で死滅します。
しかしながら、冷蔵下ではかなりの長期間、感染性を失わずに生存します。冷凍下でも1カ月程度は死滅しません。
鶏の腸管内は、カンピロバクター属菌が増殖する条件がそろった場所です。(酸素濃度、温度、湿度、栄養分)
腸管内で増殖した菌は便とともに環境中へ排出され、鶏の体表にも付着します。
鶏の内臓も、筋肉の表面も、水洗いやあぶった程度では菌を完全に殺菌することは出来ません。
菌は時間の経過により減少していくため、新鮮な鶏肉ほどカンピロバクター属菌が多く付着しています。
「新鮮な鶏肉だから安心」は間違いです。鮮度に関わらず、鶏肉は中心部までよく加熱(75℃1分間以上)したものをお召し上がりください。
*消費期限を過ぎた鶏肉は召し上がらないでください。
カンピロバクターによる食中毒を防止するため、「生の鶏料理(刺身、たたき等)などを提供している飲食店の営業者」や「市民の皆様(利用者)」に対し、次のとおり注意喚起します。
営業者の皆様へ
・加熱用鶏肉を生食用として提供してはいけません。
・生食として提供する場合は、生食用として処理されている鶏肉を確認して仕入れましょう。
・生の鶏料理(刺し身、たたき等)は、コースメニューに盛り込まず、客の求めに応じてその都度提供しましょう。
・生の鶏料理(刺し身、たたき等)は、免疫力の弱い幼児や高齢者、健康に不安のある方には提供を控えましょう。
・調理器具や従事者の手指等を介した食品の二次汚染を防ぐために、器具の洗浄・消毒及び手洗いを確実に行いましょう。
カンピロバクターによる食中毒を予防しましょう(飲食店営業者向けリーフレット) (PDF 946KB)
市民の皆様(利用者)へ
・生の鶏料理(刺し身、たたき等)は、特に免疫力の弱い幼児や高齢者、健康に不安のある方はなるべく食べることを控えましょう。
生・半生・加熱不足の鶏肉料理によるカンピロバクター食中毒が多発しています (消費者向けリーフレット) (PDF 203KB)
『新鮮だから安全』ではありません:安全な家庭調理の心得(消費者向けリーフレット)(PDF 198KB)
関連リンク
生食用食鳥肉の衛生対策(宮崎県).pdf (PDF 352KB)