タバコを吸いたくなるのはニコチン依存症が原因です!

タバコを吸うと、数秒でニコチンが脳に達し、快楽を生じさせる物質(ドーパミン)を放出させます。ドーパミンが放出されると喫煙者は快感を味わいます。同時に、またもう一度タバコを吸いたいと言う欲求が生じます。
その結果、次の1本を吸って再び快感を得ても、さらに次の1本がほしくなると言う悪循環に陥ります。この状態がニコチン依存症です。
TDSニコチン依存度テスト
禁煙治療の保険診療で用いられる、ニコチン依存度テスト。10問の点数の総計で依存度判定する。5点以上が「ニコチン依存症」と診断されます。
(すでに禁煙をはじめた方は、禁煙する前の状態に照らしてお答えください。)
問1. | 自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがありましたか? |
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問2. | 禁煙や本数を減らそうと試みて、できなかったことがありましたか? |
問3. | 禁煙や本数を減らそうとしたときに、タバコがほしくてほしくてたまらなくなることがありましたか? |
問4. |
禁煙したり本数を減らそうとしたときに、次のどれかがありましたか? (イライラ、神経質、落ちつかない、集中しにくい、ゆううつ、頭痛、眠気、胃のむかつき、脈が遅い、手のふるえ、食欲または体重増加) |
問5. | 問4の症状を消すために、またタバコを吸い始めることがありましたか? |
問6. | 重い病気にかかったときに、タバコはよくないとわかっているのに吸うことがありましたか? |
問7. | タバコのために自分に健康問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか? |
問8. | タバコのために自分に精神的問題(※)が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか? |
問9. | 自分はタバコに依存していると感じることがありましたか? |
問10. | タバコが吸えないような仕事やつきあいを避けることが何度かありましたか? |
※(注)禁煙や本数を減らした時に出現する離脱症状(いわゆる禁断症状)ではなく、喫煙することによって神経質になったり、不安や抗うつなどの症状が出現している状態。
タバコが身体に与える影響とは?
タバコの煙の中には5300種類以上の化学物質が含まれており、そのうち発がん性のある化学物質は約70種類です。代表的な有害物質にはニコチン、一酸化炭素、タールなどがあります。
- 呼吸器系…咳、痰などの呼吸器症状、息切れなどの呼吸器障害
- 循環器系…血圧上昇、心拍数増加、抹消血管収縮、循環器障害(手足のしびれ感や冷感、肩こり、首のこり、まぶたの腫れなど)
- 消化器系…食欲低下、口臭、その他の消化器症状
- 中枢神経・感覚器系…知的活動低下、睡眠障害
- 全身症状…健康水準の低下、体重減少
喫煙と疾患の因果関係・判定
(レベル1…科学的根拠は因果関係推定するのに十分である)
自分の身体だから喫煙してもかまわない?
タバコの煙は大きく二つに分けられます。喫煙により口から直接吸い込む「主流煙」と火のついた部分から立ち上る「副流煙」です。主流煙の場合には、煙はフィルターを通じて有害物質の一部が取り除かれますが、副流煙には多くの有害物質が含まれたまま排出されます。
禁煙するメリット
直後 | 周囲の人をタバコの煙で汚染する心配がなくなる |
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20分後 | 血圧と脈拍が正常近くまで下がる |
8時間後 | 血中の一酸化炭素が下がり酸素濃度が上がる |
24時間後 | 心臓発作の可能性が少なくなる |
48~72時間後 | 味覚や嗅覚が改善、ニコチンが体内から完全に抜ける |
72時間後 | 気管支の収縮がとれ呼吸が楽になる。肺活量も復活する |
2~3週間後 | 循環機能が改善。気管の自浄作用が改善し、感染を起こしにくくなる |
1年後 | 虚血性心疾患のリスクが半減する |
5年後 | 肺がんになる確率が半減 |
10年後 | 病気にかかるリスクが非喫煙者のレベルに近づく |
妊婦さんの早期禁煙も赤ちゃんへのリスクを減らします。
- 妊娠前に禁煙…出生体重は非喫煙者とほぼ同じレベルになり、流産するリスクが低下する
- 妊娠初期(14週まで)に禁煙…低出生体重や早産のリスクが低下する
- 妊娠30週までに禁煙…低出生体重のリスクが低下する
- 出産後に禁煙…子どもの受動喫煙と将来の喫煙を減らす
また、出費も減るため、このようなメリットもあるかもしれません!(1日1箱喫煙、1箱450円で計算)
- 1週間禁煙…3150円の貯金。仲間と飲み会へ!
- 1ヶ月禁煙…1万3500円の貯金。宮崎牛を堪能!
- 3ヶ月禁煙…4万500円の貯金。温泉旅行へ!
- 半年禁煙…8万1000円の貯金。パソコンを新調!
- 1年禁煙…16万2000円の貯金。国内旅行へ!
禁煙したい!どうすればいいでしょうか?
現在、禁煙の手助けをする薬が3種類あります
(飲む薬)ニコチンを含まない飲み薬
1日2回、食後に服用。服用開始から8日目に禁煙を開始します。12週間服薬を続けます。医師の処方が必要です。
(貼る薬)ニコチンパッチ
1日1回、上腕やお腹、背中などに貼ります。標準的な使用期間は8週間です。薬局や薬店で購入するタイプと、医師に処方してもらうタイプがあります。
(噛む薬)ニコチンガム
1回の使用量は必ず1個とし、禁煙し始めは吸いたくなった時に我慢せずに噛み、次第に減らします。
禁煙外来に通い、医師や薬剤師と相談をしながら禁煙をする
禁煙治療に保険が使えます。禁煙を試したい人は相談してみましょう。
薬剤師会禁煙支援対応薬局一覧(R7) (PDF 102KB)
令和3年10月以降、医療機関が禁煙治療に処方している禁煙治療薬「チャンピックス」が使用禁止になり、「ニコチンパッチ」が在庫切れとなっていました。
しかし「ニコチンパッチ」の入荷開始により、「ニコチンパッチ」による治療が可能となりました。
禁煙外来ご希望の方は、事前に電話で確認後受診してください。
保健師に相談をする
宮崎市では親子健康手帳発行時などに、妊婦さんやその家族に対する禁煙指導を行っています。
自分にあった方法で無理なく禁煙していきましょう!