第11次宮崎市農林水産業振興基本計画
40万人県都を支える基幹産業としての農林水産業の発展と
持続的な生産活動を支える環境づくりを目指して
本市では、農林水産業振興に係る基本的な計画として、昭和33年から概ね5年ごとに農林水産業振興基本計画を策定してきております。
平成23年度までの5年間は、平成19年3月に策定した「第10次宮崎市農林水産業振興基本計画」に基づき、新市の豊かな資源を活用した新たな農林水産業の展開を目指して、各種施策を実施しながら、農林水産業の振興並びに農山漁村の活性化を図ってまいりました。
しかしながら、農業分野では、燃油・飼肥料を始め、ハウス建設用鉄骨資材など、ほとんどの生産資機材の価格が高騰したことによるコスト高に加え、経済低迷によるデフレ傾向の影響を受けて農産物の価格が低迷している上、家畜伝染病「口蹄疫」や「高病原性鳥インフルエンザ」の発生や感染拡大、更には平成23年3月に発生した東日本大震災や福島原子力発電所による放射能汚染問題に起因する風評被害を含めた影響などもあり、農業者の所得の確保は極めて困難な状況となっています。
また、林業分野では、国内における木材需要が減少する中、平成18年度以降、木材総需要量に占める国産材利用量の割合は上昇傾向となっていますが、林業所得の減少や森林所有者の経営意欲の低迷、国産材の流通構造の改革の遅れなどにより、森林・林業は依然として厳しい状況となっています。
さらに、水産業分野においても、資源の減少や魚価の低迷に加え、燃油や漁業資材の高騰による収益率の低下で厳しい経営状況が続いており、これを解決するため漁業経営の効率化や収益性を向上するための取組も行っていますが、漁業の担い手不足や高齢化といった漁業の将来に関わる深刻な問題も抱えています。
このような大変厳しい情勢の中ではありますが、国民の食卓や生活を豊かにするために、本市農林水産業は国内有数の重要な地位にあり、今後とも永続的に継承・発展させていく必要があります。
この「第11次宮崎市農林水産業振興基本計画」は、本市の農林水産業や農山漁村における新たな課題に対応しつつ、農林漁業者の経営向上はもちろんのこと、国土・景観の保全など農林水産業が併せ持つ多面的機能の効用を最大限に発揮させるため、本市農林水産行政の基本的な方針として策定するものです。
なお、本計画の計画期間は、平成24年度から平成28年度までの5か年間としています。
表紙
ごあいさつ
目次
第1章 「第11次宮崎市農林水産業振興基本計画」について
- 今後5年間における宮崎市農林水産行政の基本的な方針となります!!
- 関連する各種計画との整合を図り策定しました!!
- 関係者の幅広いご意見をいただきました!!
第2章 宮崎市及び宮崎市の農林水産業について
- 宮崎市について
- 宮崎市の産業について
- 宮崎市の農林水産業について
第3章 基本理念と農林水産業共通分野
共通基本目標1 新たな連携や経営の多角化により儲かる仕組みを創造しよう!!
(1)6次産業化への取組を推進します!!
(2)農商工連携の取組を推進します!!
- 1)農商工連携による新商品・新サービスの開発の推進
- 2)既存農業者との連携による他産業からの農業参入の推進
(3)新たな生産技術の導入を推進します!!
(4)「食育」の活動を推進します!!
(5)「地産地消」の取組を推進します!!
(6)再生可能エネルギーや未利用バイオマスの利活用についての検討を進めます!!
共通基本目標2 ブランドの確立と積極的なPRにより更なるファン拡大に努めよう!!
(1)「みやざきブランド」の確立とPRに努めます!!
- 1)各種ブランド品目の育成
- 2)積極的なPR
(2)生鮮食料品等の市場流通の円滑化を図り、安定供給に努めます!!
第4章 農業分野
基本目標1 農業者の“きずな”づくりによる持続的な農業生産を推進しよう!!
- (1)農業者相互の連携による大きな枠組みでの営農を推進します!!
- 1)生産施設整備や共同利用機械導入に向けた取組の推進
- 2)集落営農を見据えた段階的な話し合い活動の推進
- (2)耕畜連携(耕種農家と畜産農家のつながり)をさらに進めます!!
- 1)家畜排せつ物の適正処理による良質な堆肥の生産と健全な土づくりによる生産性の向上
- 2)飼料用稲等の生産拡大による安全な粗飼料の確保
基本目標2 あらゆる危機事象への対応を強化しよう!!
(1)自然災害への対応を強化します!!
- 1)台風、大雨、新燃岳噴火に伴う降灰などによる農産物への被害対策
- 2)災害に強い農村づくり
(2)家畜伝染病防疫への対応を強化します!!
(3)病害虫への対応を強化します!!
(4)有害鳥獣への対応を強化します!!
(5)燃油高騰への対応を強化します!!
(6)資材高騰への対応を強化します!!
基本目標3 地域の将来を見据えた意欲ある多様な担い手を確保・育成しよう!!
(1)認定農業者の確保・育成に努めます!!
(2)農業法人の育成・支援に努めます!!
(3)多様な新規就農者の確保・育成に努めます!!
- 1)独立経営を目指す者への就農支援
- 2)法人就農を目指す者への就農支援
- 3)「宮崎市SAP会議」への活動支援
(4)安定した家族経営と円滑な事業継承に努めます!!
- 1)家族経営協定の締結推進
- 2)農業者年金制度への加入推進
(5)女性農業者による活動を応援します!!
(6)高齢農業者の豊富な知識や知恵を活かす取組を推進します!!
(7)先駆的農業者の豊富な知識と優れた技術を次世代に継承します!!
基本目標4 ニーズに即応した安全・安心で安定的な生産活動を推進しよう!!
(1)消費者や実需者に信頼される安全・安心対策に努めます!!
- 1)農薬の適正使用と「ポジティブリスト制度」の遵守
- 2)「食品のトレーサビリティー」への取組の推進
- 3)環境保全型農業の推進
(2)品目ごと用途ごとの販売戦略を検討していきます!!
(3)畑作物の生産振興を図ります!!
(4)特色を活かした農畜産物の生産振興を行います!!
- 1)普通作物・工芸作物・飼料作物
- 2)園芸作物
- 3)畜産
基本目標5 持続的な生産を支える基盤整備と施設の適切な維持管理を図ろう!!
(1)優良農地の確保に努めます!!
(2)耕作放棄地の解消と未然防止に努めます!!
(3)次代を担う農業経営体への農地集積を加速化させます!!
(4)農業の持続的発展を支える生産基盤の整備に努めます!!
- 1)農業用水の安定供給と畑作かんがい営農の推進
- 2)多様な農業の発展を支える生産条件の強化
(5)土地改良施設の維持管理に努めます!!
基本目標6 豊かな農村環境の保全と特長ある農村景観を創出しよう!!
(1)豊かな農村環境づくりを推進します!!
(2)特長ある農村景観の保全・創出に努めます!!
(3)体験型農業への取組を応援します!!
(4)市民農園の利用向上を図ります!!
第5章 林業分野
基本目標1 快適な生活環境を守る「豊かな森林づくり」を進めよう!!
(1)ニーズに応えた多様な森林づくりを推進します!!
- 1)機能区分に応じた森林施業
- 2)スギ花粉抑制対策の推進
- 3)森林環境・森林レクリエーション施設の機能充実
(2)適正な森林管理を推進します!!
- 1)森林計画制度に即した森林整備の推進
- 2)森林施業の推進
- 3)市有林の適正な管理
(3)安全・安心な森林づくりを推進します!!
- 1)森林の保全
- 2)林野火災防止対策の推進
- 3)海岸松林保全対策の推進
- 4)野生鳥獣被害防止対策の推進
基本目標2 国産材時代を築く「活気ある木材産業づくり」を進めよう!!
(1)持続可能な林業経営を推進します!!
- 1)森林施業の集約化の推進
- 2)路網整備の推進
(2)競争力のある木材産業を構築します!!
(3)地元産材の需要拡大を推進します!!
(4)特用林産物を振興します!!
基本目標3 林業・木材産業を担う「意欲ある人づくり」を進めよう!!
(1)林業の担い手の育成・確保を図ります!!
(2)林業事業体・経営体を育成します!!
(3)森林ボランティアを育成します!!
(4)森林環境教育を推進します!!
第6章 水産業分野
基本目標1 つくり育て管理する漁業を推進しよう!!
(1)資源の保護・増殖を図ります!!
(2)漁業環境の保全を図ります!!
基本目標2 漁業経営の安定を図り、担い手を育成しよう!!
(1)安定した漁業経営の確立に努めます!!
(2)漁協の経営基盤の強化を図ります!!
(3)活力ある地域づくりを図ります!!
(4)漁業を担う人づくりに努めます!!
基本目標3 漁業基盤施設の整備を推進しよう!!
(1)漁港機能の維持充実を図ります!!
(2)漁業施設の整備を図ります!!
基本目標4 河川の自然環境を守り、恵み豊かな内水面の漁業振興を図ろう!!
(1)資源の保護・増殖を図ります!!
- 1)資源の保護・増殖
- 2)外来魚や有害鳥獣からの被害軽減
(2)河川環境の保全を図ります!!
- 1)河川浄化の意識啓発
- 2)水産動物の生態系保全
- 3)疾病等の防疫対策
- 4)森林環境の保全